マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢部の年始挨拶回り

2014年05月31日 08時19分31秒 | 田原本町へ
毘沙門堂で行われているであろうと思って出かけた田原本町の矢部集落。

向かう辻で自転車に跨っていた安楽寺のご住職にお会いした。

久しぶりに顔を合わして新年のご挨拶をする。

毘沙門堂がある地は杵都岐神社がある。

初詣では元旦の日。

その日に済ませているのだからひっそりしていると思うのであるが、先を急ぐように歩いていた婦人たち。

その数は多い。

全部が全部の人たちは寺門を潜ってなにやら挨拶。

終えた人は立ち去るようにして戻っていく。

何をされているのか二、三の村人に尋ねた結果は、新年の挨拶回りで浄土宗の願立寺のご住職に挨拶をしていたと云うのだ。

ご祝儀を寺に寄せてオタメを貰って帰る。

これから西のお寺にも出かけると云っていたのは融通念仏宗派の安楽寺。

先ほどお会いしたご住職のお寺である。

平成23年の3月および6月に毘沙門堂・観音堂で毎月のお勤めをしていた観音講の営みを取材させていただいたことがある。

その際に法要を唱えるのがご住職であったのだ。



扉を開けた本堂で挨拶回りをされる村人を迎えるご住職。

ご本尊に大きな鏡餅を供えた本堂に上がらせていただいて、これもご縁で焼香をさせてもらった。

鏡餅は心ある村人が寄せたもの。

その他の安置する仏さんには檀家が鏡餅を寄せたと話す。



鏡餅は境内の墓石の前にも供えている安楽寺。

次から次へと挨拶に来られる村人に「明けましておめでとうございます」が途絶えることがない。

明日三日は、村の全戸を回ってお礼の挨拶回りをされる。



矢部の新年挨拶回りは宗派関係なく、二寺に出かけて挨拶する。

お礼に二寺が全戸を回るという矢部の在り方は、いわゆる‘回礼’である。

県内事例でどれほどあるのか存知しないが、二寺において行われている形態は珍しいのではないだろうか。

ところで毘沙門堂で行われていたであろうと思われるボダイ行事のことを尋ねた長老や老婦人の答えは「知らない」であった。

(H26. 1. 2 SB932SH撮影)
(H26. 1. 2 EOS40D撮影)