マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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上・F家の苗代終いのアゼマツリ

2020年07月28日 08時47分03秒 | 明日香村へ
田植えの最後の田にアゼマツリ。

“”畦調え“をして苗代納めとするF家のナワシロジマイ。

充てる漢字は苗代仕舞いであろうか。

息子も応援するF家の田植え作業も、残す田はあと一枚。

いつもそうしているというお家の真ん前にある田は、田植えをするまでは苗代田だった。

今日はナワシロジマイに苗床にあった苗箱すべてを引き上げて苗代田を解放する。

今年の育苗は、4月後半の暑さのせいであろうか、苗代に被せた幌。

蓋を開けてみれば、苗がいもち病にかかっていた。

こんなことになるなんて・・・。

長年してきた育苗がいもち病になったのは初めてや、という。

農業は、毎年が勉強だ、と総代も云っていたのがようわかる今年の育苗。

夏日に猛暑があたったことが原因のようだ。

さて、田植えのほとんどを終えたら最後にする家の前の田に田植え。

先にしなくちゃならない畦の草刈り。

鍬を使って畦の草を刈り取る。

奇麗になった畦は削って整える。



この作業を苗代納め(※苗代終い)のアゼマツリと呼んでいる。

大型の田植え機の役目が済んだら水洗い。

どこの農家さんもみな同じ。

田植えのすべてを終えたら農機を奇麗に清掃する。

洗う場所は、例年と同じ門屋の前。

上流から流れる山の水を利用する水洗い。

ポンプ仕様の水洗いに勢いが要る。

かつてはその門屋の右に牛小屋があった。

牛を柱に繋ぐ器具があったそうだ。

今では農耕牛を見ることはないが、牛の鼻に通す鼻木(※鼻環/はなかん、地方では鼻子とか鼻づら、鼻ぐりの名も)を装着していた。繋ぐ柱に据え付けた鉄環があった、という。

当時あったF家の鉄環はもう見られないが、平成20年11月23日に訪れた大和郡山市井戸野のある民家にそれがあった



参考に、撮った映像を紹介しておく。



畔はつりを終えたら、農具のエブリを使って泥田均し。

撫でるように均した最後の一枚は泥田にしたら、手押し型の二条植え田植え機の出番。

操作する田植えは息子さん。

昨年に拝見したとき、そうしていたことを思い出した。

(H20.11.23 Kiss Digtal N撮影)
(H30. 6. 3 EOS7D撮影)