いしころとまとの花野果村(はなやかむら)

野菜ソムリエ全国大会金賞受賞料理教室『花野果村キッチンガーデン』主宰 
いしころとまとのベジフルこぼれ話

きりたんぽ鍋

2012-02-01 08:42:31 | 花野果村キッチンガーデン

幼稚園から高校までずっと

転校生として過ごしました。

 

同じ学校で

入学から卒業まで

学校生活を全うできたことは一度もなく

入学時と違う学友と

卒業の別れの挨拶をしておりました。

 

子ども時代一番長くいたのは

ここ仙台でしたが、

暖かくて懐かしい思いが蘇ってくるのが

秋田県県北に位置する大館での生活です。

中学校1年の途中で仙台から大館に転校

道の両側にそびえ立つ雪の壁を見たときには

日本の地の果てにきてしまったような

寂しさを覚えたものです。

それでも、それから過ごした大館での生活は

初めて見た大館の肌寒い風景とはまったく違って

あったかい人情に溢れた人たちに囲まれた

心温まる日々でした。

 

 

高校の1年生で

福島の郡山に転校したわけですが・・・

昨年の東日本大震災後、

春の甲子園大会で、

『初出場大館鳳鳴高校』の名前を見つけたときには

とっても嬉しかったものです。

 

そして、大館は・・・

なんといっても寒いところでした。

あまりの寒さに体が追いつかず

転校後直ぐに、人生最初の肺炎にかかってしまい

三日三晩意識朦朧

母親の懸命な看護で

命を取り留めることができました。

 

秋田の一番の思い出は、

雪の閉ざされた中

母が物置に作っていた

10樽以上の漬け物樽。

ダイコンの鉈(なた)漬け・白菜漬け・白菜のニシン漬け etc etc

圧巻なのは

ニンジンや大根、コンブ、糀で漬けた

「はたはた漬け」

それを食事時にワサビ醤油で頂くのも

とっても美味しかったですが

外の物置から「たはた漬けのはたはた」だけを取りだして

ストーブの上でさっと焼いてくれたのを

学校帰りのかじかんだ手で

ふうふう言いながら食べたのが、

「世界で一番美味しいおやつ」として

白黒写真のネガのように

心に刻まれた思い出です。

 

当時はあまり外食をしない時代だったのですが・・・

アルバムをめくると

鄙びた店内で楽しげに食べている母の写真が

一枚だけ残ってました。

大館「きりたんぽ鍋」の店内での一枚です。

おしゃれな母が

きりたんぽの鍋を前に友人達と一緒に笑っている写真。

不思議なもので、この写真を見つけたのも大人になってから。

母が送っていた生活って、

子どもの頃は殆どわからなかったんだな、

写真を見ながら、そんなこと思いました。

 

この「きりたんぽ鍋」

私自身、子どもの頃に美味しいと思って

たべていたのやら・・・

よくは覚えてないのですが・・

 

大学生になってからは

雪が降り積もる厳寒の新潟で、

九州や大阪など暑い地域からやって来た学友たちの

「キリタンポ鍋というのを一度は食べてみたい」と言葉に

ついつい乗せられて

きりたんぽ鍋をまねた「だまっこ汁」を作ったのが

懐かしい青春の思い出です。

 

 

  お米をすりこぎで半殺しして作った「だまっこ」

 

どこの地にもある冬の「郷土料理」


冬の郷土料理は・・・

心も身体もぽかぽかと温めてくれる

母の懐のようなもの。。。

なのかも知れませんね。

 

 

そんな思い出深い「だまっこ汁」を、

2月の「植で食が楽しくなるセミナー」では

作ってみようと思っております。

 

詳細につきましては、右のバーをご覧になってください。

もちろん、

三浦隆弘さんちの新鮮なセリは

真っ白い根っこまでポリポリ食べちゃいます!

 

「歯ブラシ片手に、団子は半殺しに!」

 

江戸時代の素浪人のような世界に

タイムスリップしたいかたは

なが~~い槍もってこい!!

なんてね・・・

ちなみに「きりたんぽ鍋」の「たんぽ」とは・・・

「槍の刀を覆うさや」の意味なんですよ 

 

 

 

 

          「 だまっこ汁」

 

また、三浦隆弘さんの「芹栽培への熱き想い」につきましては・・・

 以前書いた下の記事をクリックして

ご覧になって下さい。 

三浦隆弘さんの畑で「芹摘み体験」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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12 コメント

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きりたんぽ (ひすじみ)
2012-02-01 22:37:55
寒い日は鍋が一番
我が家では3っか続けてもあります
きりたんぽはJAなごやか食材で案外提供しています
仙台から秋田へ
ご飯がおいしいところを
まわってたんですね
今はまた仙台でひとめぼれを
こんばんは~♫ (あらんりきちろ)
2012-02-01 22:51:15
お母様の若き日の写真を見て色々思いを巡らせて・・お母様は今ご健在だったのかな?
私の母はもう他界してて、主人の母を今は迎えて3人と猫ちゃん3匹暮らしですが・・・

母親の影響って大きいですよね。
義母と主人のご飯の食べ方が同じなので、母親の影響力に今更のようにビックリしてますよ、この年になっても・・。

きりたんぽは私のような南国に住む者にとっては確かに憧れですよね~
東北へ行くと、キリタンポを食べたくなります。ご飯で作ってるのが不思議でした~美味しいよね。あの粒粒が多少あるのが何とも素朴で・・。
だまっこ汁・・美味しそうです~
一度挑戦してみたいけど・・・寒い地方で食べないとホントの美味しさにはなりそうもありませんね~。
ひすじみさんへ (いしころとまと)
2012-02-02 10:37:54
寒いときはなんといっても鍋ですよね。
といっても、
我が家では鍋は1週間に1回ほど。
息子が鍋いやだって、困っちゃいます。
東北中廻ってましたから、
最後は米所新潟
確かに美味しいものばかり食べてきたので
こんな体に・・・
なっちゃった

毎日鍋にしたらやせんだけどね
あらんりきちろさんへ (いしころとまと)
2012-02-02 10:45:18
おはようございます。
仙台は朝からしんしんと雪が降って
朝から雪かきしておりました。
やっと今こたつに入ったところです。
あらんりきちろさんは、義母さんと仲良くなさって、ご主人もご安心なさっていることと思います。
私の母は、私が30の年に他界しちゃって
それで、今でも思い出すのは母の若々しい姿です。

九州の宮崎から新潟に来た人がいてね、
それでだまっこ汁なんつうものを
見よう見まねで作ったんですよ。
当時はちゃんと団子になっていたのやら
どうやら?
粘りけがあるお米ですと美味しいだまっこできるそうです。
きりたんぽ鍋は、確かに東北の味ですよね。
醤油ベースで、鶏ガラの油がきりたんぽや芹
糸コンに絡まって
とっても美味しくいただける
私にとっては大好きな鍋ですよ。

寒い時は鍋がいいよね!! (あけみ蝶)
2012-02-02 14:18:36
こんにちは。
寒いです~~。
いしこととまとさんお所も雪がたくさん降っているんですね。
今日、10時頃から雪が降り始めて一面白くなって来ました。
いしころとまとさんは、お父様のお仕事で転勤が多いと前からブログで知っていましたが・・・。
ダイコンの鉈(なた)漬け・・・初めて知りました。
ネットで調べました。美味しそう~~。
「はたはた漬け」
昔の母親は、今みたいに何処へで何でも買える時代じゃなかったですよね。
おふくろの味は、懐かしいですよね。

大学青春時代は、新潟県だったのですか?
きりたんぽ鍋「たんぽ」とは・・
「槍の刀を覆うさや」の意味しりませんでした。
Unknown (チョロピコ)
2012-02-02 23:31:15
今晩は。今回もいしころちゃんの言の葉、体の芯まで温まってきましたよ。まるでのシーンですね。かじかんだお手々であつあつのはたはたを食べてる少女・・・本当に世界で一番美味しいおやつだった事でしょう!それぞれに皆ありますね。私にもあったんですよ。60年以上前のこと、、、今思っても最高のご馳走、至福の味でした。息せき切って学校から帰宅やいなや、アルミの缶に「塩味の揚げ餅」と大きな釜鍋の「ゆで小豆」。お玉ですくって食べた頃、終戦が4才の時だから物資がない時代!美味しかった一等の記憶です。とっても共感出来ました。母さんの味って特別ですねいしころちゃんのお母様から娘に受け継ぎ、滋味は確実にお子様方にバトンタッチですね。母の味万歳!!。「だまっこ汁」美味しそう!きりたんぽって、「槍の刀を覆う鞘とは・・・成る程ねぇ!
あけみ蝶さんへ (いしころとまと)
2012-02-03 10:38:44
あけみ蝶さん、おはようございます。
日差しは暖かいのに
昨晩は-7度まで下がってしまい
水道が凍結してしまいました。
洗濯機がまわせませ~~ん
鉈漬けは、鉈でわざと粗く切るので
味が染みやすくなって
それと糀が絶妙な味になるわけです。それも
ごろっとした大きな漬け物で
お口の中が大根でいっぱいになっちゃいます。

昔のお母さん達は
偉かったですよね。
お正月の準備や、冬の保存食の準備など
息つく暇もなかったと思います。
たまに
息抜きにいったんだと思いますが
いつもおさんどんの母にとって
すごく贅沢な時間だったことと思います。

そうそう、新潟だったんです。
あそこは海風がびゅ~~びゅ~~
心底寒かったですが・・・
あの頃の同級生達とは
あったかい日々過ごしておりましたよ

ちょろぴこさんへ (いしころとまと)
2012-02-03 10:52:04
チョロピコさん、今ははたはた漬け
高級品になっちゃいましたが
当時は一箱100円の時代でしたから。
そして、焼くとなかから
ぶりっこという、はたはたの卵が
これでもか!と言うほど溢れてきて
それがたまらなく美味しかったです。
今あの、はたはた漬け
食べること・・・
できないですね。

小豆、丁度今炊いております。
といっても・・・・
文明の利器、炊飯器を使ってですが。。。
ことことと言う鍋の音じゃなくって
ごとごとという炊飯器の音

小豆のいい匂いが
今、部屋中に漂ってますよ。
それなのに・・・
塩味の揚げ餅の子と考えると
涎が出てきちゃいます。

手作りの母のおやつに加えて
昔は駄菓子も大好きだったです。
カレー味の小さなせんべいをガラス瓶から
小さな袋に入れて貰って
10円の時代でしたから。

昭和のノスタルジーですね。

Unknown (パール)
2012-02-03 23:25:53
こんばんは
幼稚園から高校までずっと転校を繰り返してんですか、3姉妹の手続きはたいへんだったでしょうね。
私は東京のずっと下町育ちで転校生が来るたびに
私もしてみたいなんて思ったことがありました。

秋田に旅行したとききりたんぽ鍋を食べておいしかったのでおみやげで買って帰って家で食べたけどやはり本場で食べたほうがおいしいですね。
はたはたも夕食にでました。
寒い時期はなべが最高ですね。

だまっこ汁寒いときにあたたまりそうで
おいしそう~
パールさんへ (いしころとまと)
2012-02-04 07:15:06
パールさん、おはようございます。
親は大変だったことと思います。
そのたびに荷造り、手続き
母親は苦労の連続だったことと思います。

下町育ちなんですね。
転校生はほんと!大変です。
勉強も各学校によって、進行がちがいますし、
苦労しましたよ。
私はそれでも、大人になってからは
一カ所にとどまり、子ども達も
ずっと同じ学校を母校としているので
それは一番よかったと思いますよ。

はたはたとキリタンポ鍋は秋田の郷土料理。
旅行先で食べたから余計おいしかったのね。
それに、なんといってもセリがこちらのものは
香織が強くっておいしいですから。

ダまっこ汁、後でご報告します。
よかったら作ってみてね。

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