オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その11 C型肝炎患者、自己注射可能に 12-04-05

2007-08-15 10:21:44 | 第11-20回
その11 C型肝炎患者、自己注射可能に

最近の日本のニュースの見出しが、思わず私の目にとまりました。

 中央社会保険医療協議会の診療報酬基本問題小委員会は30日、慢性のC型
肝炎患者と既存治療では効果がみられない関節リウマチ患者が自宅などで自分
で注射することを認めることを決めたそうです。
対象の薬剤は、C型肝炎がインターフェロンアルファ製剤、リウマチがエタネ
ルセプト製剤。
これと同じインターフェロンAlpha-2Bは1996年6月に、すでに私は自宅で
注射してました。日本ではやっとC型肝炎の治療薬インターフェロンが、自宅
で注射できるようになったんですね。

日本では薬害C型肝炎が問題になってるせいもあり、自己注射が認められるよ
うになったようです。

ウェブサイトなどで見たり、友人の話を聞くと、日本のC型肝炎の治療は通院、
入院で患者さんの時間を束縛していると思いました。
ここでは微熱があってもシャワーをあび、さっぱりして仕事のいくのが当たり
前です。常に頭痛、吐き気があっても、仕事に熱中していると気分がまぎれた
ようです。
逆にに体調悪いからとベットに寝転がっていられたら、どんなに楽だったかな
とも思いますけどね。

治療中にもかかわらず、1996年には家族で日本への里帰りもしました。
注射液は冷蔵保存なので、魔法瓶に入れて持ち歩きました。
同時期、日本でC型肝炎の治療をしている友人がいました。気分転換の遊びに
おいでといったら、注射しに週三回病院に通わなければならないからとんでも
ないと言われました。

学歴期の子供が二人いて、フルタイムの仕事をしてその上、大学の講座もとっ
ていたのいで、今考えるとよくやっていたなあと思います。

ニュージーランドにやってきて、1996年7月から六ヶ月間の治療、200
0年の2月からインターフェロンとリバビリンの組み合わせ治療一年間と二回
の治療をやった結果、C型肝炎のウィルスがなくなり、完治しました。
この時は本当にやったあという気分で、これなら副作用にも耐えかいがあった
と思えました。

C型肝炎にはいくつかのタイプがあり、私のはGenotype 1bでした。これは日
本人に多いタイプで、治療薬のインターフェロンが一番ききにくいといわれて
ます。
インターフェロンとリバビリンの組み合わせ治療の成功率も、当時1bに対して
は20%と言われてました。

ニュージーランドでは、C型肝炎の感染者はドラッグユーザーで、注射の回し
打ちによるものが大部分だと聞いてます。

いずれにしても、C型肝炎患者はエイズにも感染しているケースが多く、社会
的な偏見はさけられません。


1992年に夫のニュージーランド赴任が決まり、私達一家は、ニュージーラ
ンド入国のビザを取るために健康診断を受けました。
そこで始めて、私は自分がC型肝炎だと知らされました。
その時、子供二人と夫は感染してなくてほっとしました。特に子供達は、帝王
切開でビルマで生んでいるし、母子感染がなくて安心しました。
考えてみれば、前年の町の健康診断でもGPTが高めで、予兆がでていたのかも
しれません。

のちにかかったオークランドのGastroenterology のSpecialist(胃腸病学専
門科医)は、私がビルマで帝王切開で出産した際に輸血が原因ではと言ってま
した。
でも、その後の日本の情報から考えると、日本で子供の時にした予防注射の注
射針が原因でせいかでなかったかと思います。
日本には約200万人の肝炎患者がいて、そのほとんどがC型だそうです。

Non A Non Bと言われたC型肝炎が発見されたのは、1989年のことですし、
私達の子供の頃にはその認識はなかったのです。
検査後にかかった日本の町医者は、この程度なら蜆でも食べればいう程の認識
しかなく、後から考えると全く腹が立ちます。

ニュージーランドにやってきて、1996年7月から六ヶ月間の治療、200
0年の2月からインターフェロンとリバビリンの組み合わせ治療一年間と二回
の治療をやりました。
1996年の治療は肝臓の機能値はよくなったものも、結果は失敗に終わり、当時
大変がっかりしました。

1999年頃、インターフェロンのリバビリンの組み合わせ治療のトライアル
が始まり、また挑戦してみたいと思い、二回目の治療を1年間やりました。
治療三ヶ月目の検査で、C型肝炎のウィルスはなくなり、治療終了から4年た
った今もNegativeです。

私の場合、フルタイムの仕事をしながら治療をしたので、上司、同僚には治療
に入る前に話して理解を求めました。
一番影響の大きい家族にも説明しましたが、治療の初期には小中学生だった子
供たちはどの程度理解していたかわかりません。

幸いにもオークランドのHepatitis C Support Groupを知り、電話、メールで
相談することができ、心強く思いました。

治療の副作用によってシックな訳であるので、病気ではないので、なるべく正
常な生活を送るよう主治医から働きつづけるよう励まされ、ほほ正常な暮らし
ができた事はラッキーでした。
もし日本で治療を受けたなら、入院を繰り返し、このようにはいかなかったと
思います。

自分の病気のことは、副作用も含めて勉強に、積極的に治療に取り組む態度を
身に付けたことは私にとって大きな進歩でした。
肝に銘じたことは、私以上にだれも私の健康に興味がないということです。

ここでは専門医の診断を受けるのは高価で、その当時でも初診で$250ほど
かかったと思います。予約を取るのに2週間もかかるのに、会って話しをする
のは10分あまりです。
血液検査の結果のコピーをもらい、質問内容を事前に用意しておき、聞くべき
ことは聞いておかないと、不安のまま次回の受診日まで過ごすことになります。
保険加入後3年目から既往症にも保険が適応され、お金は返ってきましたが、
最初の頃は自費負担でした。

ニュージーランドではインターフェロンは12ヶ月まで、国の補助はでてただで
した。私の場合、合計一年半の治療をしたので、足りない分は2か月分自己負
担し、後の四ヶ月は製薬会社Rocheと交渉し、寄付してもらえました。当時、
リバビリンはまだ試験段階が終わったところで、まだ認可されていなかったた
め、これも製薬会社から一年分ただでもらえました。


結果だけ書くと、なんの苦労もなくかんたんに見えますが、実情はなかなかた
いへんでした。
治療の細かい内容、副作用等については次回お話したいと思います。

ご質問等ありましたら、メールでお尋ね下さい。できる限りお答えしたいと思
います。

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1 コメント

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是非、コメントください。 (ひろ)
2012-10-13 00:12:01
こんにちは。
初めまして。ヒロです。
今現在クライストチャーチで働いています。先日、健康診断でHCV陽性がでました。
昨日、HCV-RNAのテストをし結果待ちです。非常にもどかしいです。ウィルスがいなければいいのですが、いた場合の事を考えると…。ワークビザ申請のためにメディカルチェックを受けたのですが、やはりビザ取得に影響はありますか?また治療費は高いですか?もしアクティブだったら治療しながらニュージーランドに残りたいと思っています。
kaz.hiro.aki@gmail.com

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