オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その129 東京高島屋草月展 27-11-15

2016-02-15 18:08:14 | 第121-130回
       東京高島屋草月展


129号 
                       27-11-15

11月の文化の日まで、東京、日本橋高島屋で開催された草月展に行って
きました。

高島屋の草月展は、いけばな草月流の一年に一度のメインイベントで、
これまでも写真を見たことはありました。

これまで一度見に行ってみたいな、と思いつつ実現しませんでした。
今回は、どうせ行くのなら出品しちゃえということで、新人席に出品
致しました。
今回は参加することに意義がある、ちょっとお試しの出展でした。
作品の出来は、まあまあですね。

私が出展した新人席は、40X40X高さ80cmというとても小さなスペース
でした。
私の娘くらいの若い方に混じり、新人席は7名の展示でした。
総展示者数が約700名ということを考え合わせると、本当に小さなコーナー
でした。

私は、ニュージーランドの陶芸家作の黄色の花器に、黄色、グリーン、エンジ
色のカラー、ユーカリをあしらい、ブルーのワイヤーと組み合わせました。
展覧会当日、私の作品だけ浮いているというか、外国人の作品のようだと
思いました。
ニュージーランドで草月流を始めて、ニュージーランド人に混じって活けて
いてこれまで全然違和感はありませんでした。
しかし、日本の中心東京の展示場では、私の作品は他のと違って見えました。
少数外国人も出展していますが、大多数が日本人の草月展で、私の色彩が
日本人のそれとは異なってきていたのです。
このことは、見に来てくれた友人たちの言っていました。
”T子さんの作品はすぐわかったよ。明るいブルーがニュージーランドだよね”

草月展の2日間に、ニュージーランドで知り合い、現在は関東に住んでいる
友人と再会できました。会場を抜け出して、ランチ、コーヒーを飲むわずかな
時間でしたが、楽しい時間でした。
出戻り組の生活の様子、日本での暮らしの感想も興味深いものでした。
もともと江戸っ子だから、東京の賑わいの暮らしに戻れてよかった、という
友人もいました。
リタイアのために東京に戻った友人は、友達作りが難しいと言っていました。
同じアパートに住んでいても、交流がなく、孤立してしまうそうです。


展覧会の後、JR Passを使って、博多、下関、四国の松山、高松、京都を
1週間旅行しました。
JR Passは、外国人向けのJRの乗り放題のパスです。
新幹線のぞみには乗れないけど、指定席も取れて1週間乗り放題、3万円
足らずと非常にお得です。
みどりの窓口で行き先と時間を伝えると、ベストの乗り継ぎで指定席を
取ってくれるので、日本語が解らなくても目的地までたどりつけます。
これは、日本が世界に誇っていいサーピスの一つだと思います。


東京から博多に着くと、やっと日本に帰って来たと感じます。
私は福岡出身なので、夕飯を取りに入った居酒屋の、隣の席のおじさん達
の会話の博多弁が子供の頃の思い出させ、懐かしい気分でした。
博多のホテルの朝ごはんのビッフェはとても充実していて、ご飯、お味噌汁
煮物、焼き魚等が日替わりで違ったメニューで出てました。
私は、高菜漬けと辛子めんたいだけでも幸せでした。

最近はどこのビジネスホテルの朝食でもコーヒーマシーンがあり、好みの
コーヒーを飲めるので嬉しいです。
気の利いたところでは、ロビーにもフリーのドリンクコーナーがありました。

博多到着の翌日は、日帰りで下関へ向かいました。
妹夫婦が新下関駅まで迎えに来てくれ、母の墓参りをした後、角島に連れて
行ってくれました。
https://ja.wikipedia.org/wiki
/%E8%A7%92%E5%B3%B6%E5%A4%A7%E6%A9%8B

角島は、”死ぬまでに行きたい世界の絶景”の3位に選ばれ、有名になって
いるそうです。
角島大橋は、とても長く、宙に浮いてるような気分でした。
2007年のヨーロッパ旅行で渡った、デンマークとスウェーデンを繋ぐ
オーレンス大橋を思い出しました。

この日初めて、サングラスがないと眩しいと感じる日差しを経験しました。
東京では、晴れの日も薄雲っていて、私は目が悪くなったのか、と感じる
ほどでした。
ランチに名物瓦そば、てんぷらを頂きました。

博多から四国の松山、高知の友人を訪れました。
四国の鉄道は進化してなくて、トイレは和式だけでした。
九州は、九州新幹線開通からJRが工夫され、人気の乗り物になっていること
を考えると、落差が大きいです。

高知から、懐かしの京都に11月6日にたどり着きました。
私は、大学時代を含めて12年京都に住んでいたので、日本滞在中は必ず
京都を訪れます。
紅葉は始まるこの時期、京都のホテルはとても高かったです。
私の泊まった東山三条のホテルは1泊2万円もしました。
ビジネスホテルで、日本人の私でさえ身動きしにくいくらい小さいバスタブ
で、この値段はひどいと思いました。
しかし、取れただけでもラッキーと思うしかありません。

その晩は、とてもいいことがありました。
三条京阪駅の近くに、私と夫が学生時代から通っていた居酒屋があります。
6日の夜、居酒屋のおかみさんに2年前に夫が亡くなったことを話しました。
すると、おかみさんはその場のいたお客さん全員に赤ワインをふるまい、
献杯してくれたのです。
3年前、母の法事で日本に行った時に、今度京都へ行ったらその居酒屋に
行きたいと夫は言っていました。
それから半年もたたないうちに、夫は事故で亡くなったのでした。
夫が果たせなかった夢は私が実現し、食べたかったものも私が代わりに食べて
ます。
おかみさんとは一気に親しくなり、真如堂の炉開きのお茶会に連れて行って
もらいました。
下町風の居酒屋のおかみさんがお茶が趣味だとは意外でしたが、やはり京都
だなと思いました。
堂本印象の掛け軸をはじめて素晴らしいお道具でした。
拝見の時に、平棗を慈しむように両手で包み込んでいたおかみさんの姿が
忘れられません。
扇型のお棚は初めて見ました。
お茶会のあとは、河道屋さんのおろしそばの振る舞いがあり、ほっこりと
温まりました。


翌日、午前中は琳派の展覧会を見に、京都国立博物館に行きました。
到着した時点で、すでに1時間待ちの長蛇の列です。
1時間半ならんで入場した時には、疲れてベンチで座り込んでる老人も
いました。
日本の方は、説明やら真面目に読むので、入り口のあたりはとても混み合って
いました。
私は、小さな色紙や書はすっとばして、まず龍神雷神を見に行きました。
琳派の豪快な構図、あでやかな色使いは、現在でも十分インパクトが
ありました。
後日東京でモネ展を見たのですが、日本画の一見平面的な表現方法をとても
力強いものに感じました。
モネは光の世界で立体を表現しているけど、モヤっとぼんやり感じます。


今回の旅では、中国本土の団体客が目立ちました。
京都のホテルでは、20人ほどの団体が泊まっていました。
朝食の時に、全員ショルダーバックをたすき掛けにしてまま食べていたので、
よく目立ちました。
普通日本人は、部屋の鍵と携帯電話くらいしかダイニングにもってこない
からです。
帰ってから香港出身の嫁にこのことを話すと、中国ではホテルでも泥棒が
多いので、貴重品はいつも身につけているのだと言ってました。

最後に寄った東京銀座のユニクロでも、中国人客が目立ちました。
店員も中国語ができる人が数人いて、質問に答えてました。
免税用のレジでは、中国人の行列ができてました。
そうだ私も免税価格で買えるのだと気付いたけれど、パスポートも飛行機
のチケットも持っていなかったので断念しました。


2週間の日本滞在は楽しかったですが、オークランドへ戻ると落ち着き
ます。
やはり毎日緑を見て暮らすのに慣れてしまったようです。
たまには東京へ行き刺激を受け、帰ってきてゆっくり消化するのもいいかと
思いました。
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