オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その146 我が家で釜開き 14−07−17

2017-08-11 06:25:52 | 第141−150回

146号                14−07−17

         我が家で窯開き


ここ数ヶ月、真面目にお茶のお稽古に通っています。

友人の表千家の先生がいて、毎週火曜日にお稽古に行ってます。
お茶の日は、着物をなるべく着るようにしているので、帯も自分で締められる
ようになりました。


ことの始まりは、2007年にオークランド博物館で開催された日本文化祭での
立礼のお茶会です。
お運びの人が足りなかったので、駆り出されたのです。

それから、節句ごとのお茶会には呼んで頂いても、もっぱらお運びさんで
自分では点てられませんでした。


3年半前、夫が亡くなって1ヶ月も経っていない時、お茶の先生から2月の
Japan Dayに人が足りないので手伝ってほしい、と再び声が掛かったの
でした。
あの頃は考える時間を作らない、とりあえず何かに気持ちを集中したかった
のでお受けしました。

それが縁で、週1回のお茶のお稽古に通うようになりました。

左利きの私は、すぐ左手を使う癖がついているので、しばらくは動きが身に
つきませんでした。
それでも他の方のお稽古を見たり、練習を繰り返すうちに所作を考えずに
できるようになりました。

今はニュージーランドは冬の真っ最中で炉のお稽古をしています。
ふだんは電気釜を使い、作り物の炉縁に入れて練習してます。

7月2日の大先生のお茶会は、炭のはいった炉でちゃんとしたお茶室
でありました。
お茶菓子は、浮島とカステラでした。
どちらも友人のお手製です。
お茶をされる方は、お菓子に対するこだわりもあり、こちらで手に入るもので
上手に作ってこられます。
ちょうど日本からみえていたお客様も参加されました。
この日のため、七夕のお干菓子を持ってこられ、お茶と頂きました。
真冬のニュージーランドから真夏の日本、七夕の夜空に思いを馳せました。


着物は、40年前母がお嫁入りの時に持たせてくれたもの、亡くなった母の
着物をこれまで持っていました。
お茶をするようになって、夏の単衣、普段着など欲しくなりました。
オークランドにはアジアの骨董品を扱う店があり、古着も置いてあります。
時々、お友達と行っては、新しい着物を買ってます。
数百枚、着物が吊るしてあるのですが、よく探すとまだ仕付のついた着物の
掘り出し物が見つかります。
先週は小紋$20、名古屋帯$5、帯締め$10で買いました。
お手軽な値段で着物が買えるので、最近お茶を始めた若い人たちもよく行って
いるようです。
海外で厳しくいう人もいないので、この年にしては派手目な着物を楽しんでます。

お茶のお稽古に着ていくと、先生が襟が抜けてないとか、帯がおかしいとか
見てくださり、毎回言われたところを直すようにしていたら、自分でもなんとか
着れるようになりました。

2年前、親友がダウンサイズして引っ越す時に、持ち物を処分せねばならず、
お茶道具一式をくれました。
茶釜とお茶道具一式が入った茶箪笥です。
これまでは、我が家の床の間に鎮座していただけなのですが、先週に日曜、
初めて御釜を使ってみました。
沸かしたお湯を入れたのですが、ちゃんと沸き上がってくるまで30分ほど
かかりました。
風炉の運び出前で、一人で釜開きしました。
亭主もお客も一人で勤め、自分でお茶を点て、お菓子と共に頂きました。
この家でお茶を点てるのも初めてでした。
外は雨風の嵐で庭仕事もできないし、うちでゆったりとお茶を楽しみました。
日本でもなかなか高価で手が出ないお茶道具を一式頂いたのは、非常にラッキー
でした。


また、お茶を楽しめる時間と空間があるのは幸せなことだと思います。
たぶん、日本に住んでいる以上に日本の文化を楽しんでいます。
練習をつんで、8月には友人を呼んで我が家でお茶会をしたいと計画中です。
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