オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その214 4年ぶりの日本 01−12−23

2024-01-18 05:48:19 | 第211−220回
その214                 01−12−23

            4年ぶりの日本


10月23日から11月7日まで、4年ぶりに日本に行って来ました。
今回は、旅行はせずに東京、京都のみの滞在でした。

東京は、11月というのに26度もあり、湿気も多くて疲れました。
暑いと友人にこぼすと、今年の夏の暑さに比べたら何でもないよ、と怒られ
ましたが。
11月8日にニュージーランドに戻ってみると、初夏に向かっているオークランド
が東京より涼しいくらいでした。


さて、東京滞在の目的は、日本橋高島屋で開催された104回草月展の出展でした。
最後の出展は2019年3月で、その年の暮れからコロナのニュースが’聞かれる
ようになり、ニュージーランドは2020年4月にロックダウン入り、3年近く
暗い時間を過ごしたのでした。
ようやく外国人も規制なく日本に入国できるようになり、草月展も4年ぶりに
外国からの出展ができるようになりました。

私がしばらく来なかった間に、草月のトレンドも変わり、奇抜な発想、表現に
驚きの連続です。
まさに、井の中の蛙大海を見る、です。
本番の展覧会の活け込みでは、こんなことで動揺してはいられないので、計画通り、
自分の花を活けました。

自分のいけばな展示の3日間は、なるべく会場にいるようにして、ニュージーランド
から帰国した友人達や親戚と再会しました。
オークランドにいた時は毎週のように会っていた仲間も、いったん帰国して
しまうとほとんど会うことはないようです。
私が草月展にお招きしたチャンスに、オークランドのRe- unuon(同窓会)の
になり、何人かで食事に行き、再会を楽しみました。


東京で感じたのは、私は日本人であるけど、この社会に属していない海外居住者、
出たっきり邦人である、という事です。
7月にサンフランシスコに行った時は、国の文化の違いは感じても、そこにいる
事に違和感は感じませんでした。草月の仲間達とも、初めて会う人でも、わだかまり
なく、一緒に過ごせました。
アメリカも移民の国で許容性が高い、ニュージーランドに文化が似通って
いるせいかもしれません。
ニュージーランドに30年、私の人生のほとんど半分を住んでいるせいか、日本は
懐かしい場所ではあるが自分の国ではない、と感じます。
うまく表現できないけど、日本は特別なところですよね。


毎年日本に帰っている時は感じなかったのに、この4年のギャップは大きい
です。
ホテルでもどこでもやたらとちまちましていて、それは細かい心配りなのかも
しれなけれど、必要のない、過剰サービスに思えました。

この4年間で、ニュージーランドはキャッシュレス化が一気に進み、普段
キャッシュを触る事がほとんどなくなりました。
それに比べると、日本はまだまだ現金が主流でした。
日本の方には不便はないのかもしれないけど、海外のクレジットカードが使え
ないお店、現金のみのお店が多く、困りました。
日本以外の国を旅行した時は、どこでもニュージーランドのクレジットカード、
Apple Payが問題なく使えたのに、です。

展覧会場で、カナダからの友人に出会い思わずハグして、再会の喜びを分かち合い
ました。
だけど、日本の友人にはハグしてしまいそうになっても、いかんいかん、
日本ではこんなことしてはいけないんだな、自制してました。



東京の混沌から抜け出し、京都の1週間はのんびり過ごしました。
今回は、お茶のイベントしか予定を入れず、後の時間は一人でゆっくり過ごしました。

滞在先は、哲学の道近くのゲストハウスで、親戚の家に泊まっているような落ち着いた
気分になりました。
哲学の道の周辺は、50年前、主人とよく散策したところでした。
久しぶりに安楽寺の山門に立つと、5月のある日、ピンクのつつじが’満開だった事、
疏水に揺らぐ柳の枝などが蘇って来ました。
百万遍あたりをバスで通りながら、昔通ったあの喫茶店はあるかしらと、探して
しまいました。
二条城市民茶会で晴れがましい、張り詰めた時間を過ごした後は、出町柳の商店街を散策
し、鴨川べりで川面を見ながらぼんやりしてました。


京都には、大学時代とニュージーランドに来る前までの7年間住みました。
今でも当時働いていた花屋があり、その時代からの友人もいます。
学生時代は主人との、後半は家族と過ごした思い出がたくさんあります。

私にとって東京と京都の違いは、住んだ事があるかないか、だと思います。
住めば都、とはよく言ったもので、住んだ場所がどのようなところでも愛着が
生まれるのかもしれません。
それに比べ、東京は何回行っても、通りは見慣れても、私は訪問者に過ぎません。

窓の外の木々を眺め、鳥のさえずりを聞きながら、今このメルマガを書いています。
やっぱり我が家が何よりです。


この1年間のご購読ありがとうございました。
楽しく、安全にホリデーシーズンをお過ごし下さい。

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