フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

オランジュが,戻ってきた。

2009-01-31 08:51:59 | Weblog
Il revenait Tres bien!オランジュが、ちょうど昨夜の22:00くらいに玄関に立っていた。パンプの為のセンサーはつけっぱなしにしてあるので、センサーが知らせてくれた。白っぽい物が見えたから、ランディでも放れたのかなと思って玄関を開けるとオランジュが立っていた。


薄汚れて,痩せてはいたけど、覚えていてくれたんだ。1月8日から姿を見てないので22日ぶりになるのかな。まるで、ビッカスホールの玄関に立った新米教師のように弱々しく不安げに立っていた。「お前は,悟り猫として戻ってきたのか」というとじっとこちらをみてるだけ。「はは~ん、単にメスを追いかけていっただけだな。仕方がないやつめ」といいながら、いつもより、多い目に餌を作ってやった。おいしそうに食べていた。よっぽどお腹が減ってたみたい。地域猫だから,家に入れてもやはり出て行くだろうと様子を見ることにしてオランジュの好きなようにさせてあげることにした。おらんじゅは、メシが終るとどこかにあるねぐらに帰っていった。「また,明日」なんてラジオの語学番組の講師みたいにつぶやいた。でも,良かった。車に轢かれたのかとも思っていたから。無事でよかった。
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金柑の飴煮

2009-01-30 19:03:54 | Weblog
昨日、夜中に、思い立って、金柑を蜂蜜で煮た。丁度、店を閉めて、新しいメニューを作り出している「香菜里屋」の工藤さんのまねをして。蜂蜜は、百花の蜜を使います。癖がなくて金柑の風味を損ないませんから。水は,タップウォーター。一度沸騰させて冷ましたものを使ってます。あっさりとしている中に甘さが感じられるように塩をほんの少々入れてみました。


「どうぞ」「あっ、うまいな」「これは,陰謀です。店のね」なんて客とのやりとりが聞こえてきそう。今日は、冬には珍しく暖かい雨が降っている。


甘酸っぱい 金柑の味 そとは 雨

暖かい 冬の雨 傘を辞して 歩く

我独り 見る 雨下の 梅花

自由律句って面白いかもしれない。昨日読んだ北森鴻さんの「香菜里屋」シリーズの「花の下にて春死なん」の中であったから真似して作ってみた。このシリーズはすごい人気だそうだ。挑戦してみようと思うのは、料理とこれくらいかな。主人公の工藤哲也氏は、その上推理をして難事件を解決していくんだけど、これは,逆立ちしても真似できない。何故なら、先ず,人の話、聞いてないもの。大事なこともすぐ忘れるし。取り違えるし。僕には,無理だなと思いつつ本を読んでいた。

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Rabbit run away

2009-01-29 10:00:28 | Weblog
「走れウサギ」のアップダイク氏が、亡くなりました。忘れていたけど訃報を目にしてその名前から自分の学生時代が思い出され懐かしく感じています。そういえば、学生の頃、ニューヨーカーの本をいつも読んでいたような気がします。翻訳本だから、翻訳の上手い下手でオモシロさも変わってくるのですが正直言ってこの時期に読んだ本ってあまり覚えていません。「走れうさぎ」「帰って来たうさぎ」までは、こうだったかなというおもいがありますが、ピュリツァー賞をとった「金持ちになったうさぎ」「さようならうさぎ」は,トンと記憶にないです。さて,今一度読むかと言えば,今は,食指が動かない。誤解のないようにしていただきたいのですが、今,実感として、あらゆる点で、日本人の方が優れていると思うから敢えて外国のものを読みたいとは思わないだけ。そりゃぁ、世界には優れている人が沢山いるのでしょうが、総合力としては,日本人にはかなわないだろうと自負しています。つい最近なんだけどねこんな自覚を持ったのは。それでもUPDIKEは名前が印象的で洒落た感じで当時アメリカへの憧れをくすぐるには十分だった。遺影で見るしか顔は知らなかったのですが、ウサギに似ていましたね。合掌。
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idole

2009-01-28 18:32:59 | Weblog
パンプの病室には、「パンプ日記」というものを置いています。身内の者が、気づいたことやパンプの言動を忘れない為に書き残すものです。もちろん看護師さんとのやり取りも記されているのですが、最近のページをめくると自分がいない時間帯の事柄が書かれていてその中のひとつに看護師さんが「笑うとかわいい」「おもしろいおばぁちゃん」「やさしい、おだやかなひと」と言ったことが書かれている。「おうちでも優しいおばぁちゃんでしたか」と看護師さんが聞くので「おもしろいおばぁちゃんです」とショータンが答えたら「涙がこぼれそうです」と言ったとか。またまたパンプ、そのユニークな言動とキャラで病院のアイドルになっているようです。
je suis le vagabond
Le marchand de bonheur

j'ai l'automne et l'hiver
Le ciel et lamer
Le printemps et l'ete
Pour chanter

何か,幸せ売りのおばぁさんのようにひょっとしてパンプは、空も海も四季さえももってるんじゃないかと思って顔をのぞきこんだ。口あけて、無邪気に眠ってるだけだけどひとを惹きつける力って努力なしの天性のものなのかも知れないね。かなわないな。
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あぶないからね

2009-01-27 20:30:00 | Weblog
「あぶないからね。遠くへ行かれんぞネ」パンプが、看護師さんの手を握り締めて心配顔で言ってた。看護師さんは、「ハイハイ」と笑いながら「また来るからね」と出て行った。出て行く時に「今日2回目ですよ。これ言われるの」とうれしそうに僕に言った。僕は、自分の身は,ベッドにありながらも人の心配をするパンプに母親の姿を見た。そのマザーシップに感動すら覚えた。「ただのボケではないな」と。あながち、自分だけのことにしか注意が行かない僕達の世代への警告なのか教唆なのか。考えさせられるひとことであった。笑いでは、あるけれどこんな笑いならと威張ってやりたくもあった。

          わらい 
               金子みすず

 それは きれいなばらいろで
 けしつぶよりも ちいさくて
 こぼれて土に落ちたとき
 ぱっと 花火がはじけるように
 おおきな花がひらくのよ

 もしも なみだがこぼれるように
 こんなわらいが こぼれたら
 どんなに どんなに きれいでしょう

和顔慈眼パンプたちの世代の教育、大正後期から昭和初期の感性育成教育は、今よりずっと素晴らしかったのではと思ってしまいました。
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ぎっくり腰が,キター!

2009-01-26 19:38:14 | Weblog
犬の水をかえようと腰を曲げたら伸びない。キター!魔女の一撃!ぎっくり腰だ。歩けないのを無理に歩いて玄関まで辿り着いた。しばらくして何とか歩けだして針に行って来た。椅子に座るのが良くないみたいだから今日は寝転がると思っていたが21時までは,パンプの傍にいてやらないとと思い椅子から立ち上がった。立ち上がるのが難しいのだ。
今日は、ここまで。
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私の耳は

2009-01-25 19:16:59 | Weblog
mon oreille est un coquillage
Qui aime le bruit de la mer
Jean Cocteau
私の耳は,貝の殻
海の響きを懐かしむ
            堀口大学 訳
青いシャンパンが,クリスタルガラスのグラスからあふれている。きれいな母親が他愛もないおしゃべりと言う編物を編んでいる・

パンプが、長いことはずされていた入れ歯を口の租借訓練のために再び入れてもらって
看護師さんに一言。
「綺麗でしょう。(わたし?)」
戻ってきた,自信満々のパンプ。そして、どこか滑稽でどこか懐かしい。その話を聞いて
ふと思ったのが,上の詩だ。
その夜、病室にショータンが来て、パンプの顔を見ながら「おばぁちゃん、起きてる?」と問い掛けると「どうしたぞね どこかでこけたかね そんなにイガンで まぁイヤ」と顔を見ていった。これには,大爆笑。ショータンは,少し顎がしゃくれているから,当たらずとも遠からじでさらに笑い。少しづつだが完全回復だな。遂に,オシッコの管もはずされ今日から、緊急病室から一般個室へと移った。ゴエンセイ肺炎でこの年で生還できる確立は、非常に少ないとお医者さんが言ってたけど、そんな常識は,通用しないパンプであった。
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ヨーグルト菌

2009-01-24 11:13:31 | Weblog
ヨーグルトを作り始めて何年になるのだろう。カスピ海ヨーグルトの名前が聞かれるか聞かれてないかの時からだから、ウクライナで貰ってきたヨーグルト菌だからってお裾分けしていただいた記憶があるのだけれど何年前かは忘れてしまった。その日から,なくなる寸前に新しく作ってと命の継続できたのだけれど、今年は,寒いのかヨーグルトがちっとも固まらなかった。2日3日1週間と日は過ぎていくら高温殺菌の牛乳でも腐るよなとビンを振れば、全然固まってないヨーグルトが揺れるばかり。上のほうに薄っすらと水のようなものが溜まっている。これは、精製されたヨーグルト水だからとこの水を熱消毒したビンに入れ,いつもよりずっと少ない牛乳で心細くもヨーグルトになれとばかりに置いてみた。大寒の前だったかな?1日2日と日はたったがヨーグルトはできなかった。そして昨日、突然3月中旬の暖かさだった。夜には真冬に逆戻りの変な天候だったけど。梅もほころぶ暖かさが良かったのか知らない間にヨーグルトが出来ていた。これには,感動した。命って素晴らしいなと。何度も何度も眺めてヨーグルト菌に感謝した。
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今日は、誕生日。

2009-01-23 19:31:13 | Weblog
うれしくもなんともないけど今日は,僕の誕生日。家では,普段は何にもしないけど誕生日は、祝う習慣があって、いわばマンネリのイベントのようになっている。ケーキの味比べとかプレゼントとかその年によって違うからそれはそれで面白い。誕生パーティは,マーチンとこと合同だから10人くらい集まってワイワイガヤガヤだ。今年は、軽井沢に店があると言うアトリエフロマージュのアップルパイとテノールのいちごケーキ、自分で焼いたサワークリーム入りチーズケーキだった。今ローソクは。数字のものがあるんだね。前は、ローソクが足りないくらいの年になった何て言ってたのに。ギリシャ神話に唯一エピソードがない星座に生まれたから、起承転結はなく水の流れる如く漂流する宿命。「自由」を合言葉にまたこれからも生きていく一歩が誕生日なのかな。星座のイメージでは。瓶から水を流してる美少年ということだが、寄る年波、寒空に、鼻水を流しているおっさんには、ならないようにしよう。Yes,I can!人は,魅力で生きる。そろそろ、インナーで勉強して知的生活を送ろうと思っているのにプレゼントは、パタゴニアのアウトドアーズのものばかりだった。他人認識と自己認識のハザマで人は生き続けるのかということを知らされた誕生日でもありました。
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ミシェル夫人は黄色い服だった

2009-01-22 09:38:26 | Weblog
ミシェル夫人は、黄色い服を着た。希望色というのかな。柔らかく暖かく新鮮で頭の良さがさりげなく表現されていた。


ひじょうに親しみが持てたセンスだった。彼女が現わしたかった彼らの色が,あの服だろうと感じた。彼らが,大海へ漕ぎ出した小舟にも似て光に導かれて進むことを祈るばかり。大国アメリカの大統領に寄せる言葉ではないかもしれないけど、大統領である前に個人の質の良さを感じてしまうからついつい応援したくなってしまう。モンクに言わせれば、パステルカラーは、黒人には似合わない。彼女は青を着るべきよなんて言ってたけど
分かってないな。青なら通常じゃないか。パステルを着たからchangeを感じたんだ。
今まで,原色ってイメージが強かったでしょう。主張する色ばかり着てた民族が、異色を着るってことに意味があるんだ。日本の萌黄色に近いから親近感を覚えたのかもしれないけど。
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