Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

ネタバレしても二転三転する見どころ満載な『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』

2020年01月31日 00時14分17秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/17
 驚き😳:★★★★☆
スリル😱:★★★☆☆
 怖い😖:★☆☆☆☆

ようこそ、疑念と執念が渦巻く密室の世界へ。
9人の共同作業者が一瞬にして全員容疑者に変わるという見ごたえある映画。
しかし、かなりわかりづらいのも事実。

話としては、世界的ベストセラー本である
『デダリュス』三部作の完結編を世界同時発売するため、
9人の翻訳家が情報漏洩を防ぐ観点から、
地下室に閉じ込められて作業していくというもの。

しかし、完全なる密室にも関わらず、
本の原稿が外部に流出し、出版社の社長は大激怒。
果たして犯人は、、、。

限られた空間内で事件が起こるところや物語の雰囲気が、
『オリエント急行殺人事件』や『十二人の死にたい子供たち』
を彷彿とさせるミステリー映画です。

前半はほとんど動きがないので少し退屈なところもあるけれど、
後半のドラマチックかつアクション性ある流れが
スピード感あってすごく引き込まれるのがよかった。

さらに、こういう映画って、ネタばらしタイムがあるから、
それを知っちゃうと「なーんだ」って感じるのだけど、
本作に関してはそれがわかった後でも二転三転する展開にびっくりするし、
犯人の真の目的を考えると、
前置きが盛大すぎてその執念の強さに圧倒される。

ただ、話の時系列がかなりわかりづらくて、
頭の中で整理しながらじゃないと正しく理解できないので、
何回か観た方がよさそうではある(笑)

あと、面白いなと思ったのが、今回集まった9人の翻訳家たちは、
それぞれロシア語、イタリア語、デンマーク語、スペイン語、英語、
ドイツ語、中国語、ポルトガル語、ギリシャ語を担当してるんだけど、
みんなで話すときの共通言語がフランス語ってところ。

この映画はフランスとベルギーの合作映画だから、
そりゃフランス語だよねってのはあるけど、
こんだけいろんな人がいて英語じゃないんだって。

しかも、何人かはスペイン語まで話せるし、
中にはそれに加えて中語語も話せる人がいるから、
かなりマルチリンガルな人たちなんだよね。
それを生かしたシーンもあってさすがだなと思うんだけど、
やっぱり日本人はいません。

まあ、出版の市場として小さいから外したという設定なのかもしれないけど、
マルチリンガルな役者が日本にはいないってのもある気がしてる。

てか、この映画に限らないのだけど、アメリカ以外の映画って、
基本は製作国の言語を使ってるんだけど、
よくよく聞くと途中から英語になってることもあるから、
海外の役者って意外とバイリンガルなのかなって思う
(ただ、セリフとして覚えてるだけかもしれないけど)。

そう考えたら、邦画自体が世界で評価されることはあっても、
日本人の役者が世界的な映画に出ることが少ないのは、
言語の問題が大きいのかもしれない。

公式サイト

自分の人生を振り返りたくなる『記憶屋 あなたを忘れない』

2020年01月30日 00時33分14秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:15/16
 感動😭:★★☆☆☆
切ない😣:★★☆☆☆
 主題歌♪:★★★☆☆

90年代のジャンプを読んだ人なら知ってるかもしれないけど、
記憶をテーマにした話なので、
かずはじめ先生の『MIND ASSASSIN』いう漫画を思い出しました🙄
まあ、あんなアクション性はなく、感動的な映画ではあったけど🎬

主人公の彼女がある日突然彼のことをすっぽり忘れてしまい、
これは“記憶屋”の仕業だと。
“記憶屋”を見つけて何とかしてもらおうと。
でも、記憶を消された人々には、それなりの事情があり、、、って話。

映画を観てて感じたのは、
「消したい記憶=嫌な思い出」だろうなと思ったので、
自分のこともいろいろ振り返ってた。

結果、自分がこれまでされて嫌だったことや、
自分がしてしまった嫌なことを
幼稚園ぐらいのときから思い出されて、
映画とは違うところで怒りと後悔がこみ上げるという(笑)

幸い、生きるのも辛い記憶というのはないけれど、
それがあることで足かせになるような記憶は人並みにあったりはするので、
記憶を消す能力は欲しいなと思った。
時を操る能力と同じぐらいあると便利(笑)

「人は忘れるからこそ生きていける」というのはよく聞く言葉。
でも、たとえどんなに悲しくても忘れてはならないこともあるし、
あらゆる記憶を通じて今の自分があると考えると、
すべてを受け入れる器の広さを持ちたいです。

されて嫌だったことも、して後悔したことも、
残っていた方が人をこれ以上傷つけることはしないし、
その分優しくなれると僕は考えてるので。
(でも、思い出すとムカつくんだよな、ちくしょう、あの野郎!)

物語を通じて、自分のこれまでの行いを振り返られる、
そんな映画だったので、
映画としてメチャクチャ面白いかというと悩ましいところだけど、
観てよかったなとは思った。

主題歌は中島みゆきの『時代』。
このテーマにピッタリの歌で心に染みました。

てか、芳根京子がだいぶX脚で歩いてて、
あれこんなだったっけ?ってのはちょっと思った(笑)

公式サイト

笑いと驚きとちょっとした涙でお送りする『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』

2020年01月28日 23時49分19秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:4/15
  笑い😂:★★★★☆
  驚き😳:★★★☆☆
シュール🥴:★★★☆☆

想像以上に面白くてやられた。。。
アダム・ドライバーは『スター・ウォーズ』のカイロ・レンのイメージが強いから、
それを考えると完全にキャラ崩壊で爆笑(笑)

でもね、いわくつきの映画なんです。
構想から約30年、9回も頓挫してるっていう(笑)

タイトルの通り、『ドン・キホーテ』のあらすじを知っておくとよいです。
僕も読んだことはないけど、事前にサラッと見ておいたおかげで存分に楽しめました。

簡単に書いておくと、騎士道小説が大好きなおっさんが
本の読みすぎで現実と空想の区別がつかなくなり、
「俺も世の不正を正す!」と言って旅に出るという“中二病”をこじらせた、
個人的にはちょっぴり他人事には思えないという話です。

この映画はそれになぞらえて話が進んでいく。
CM監督のトビー(アダム・ドライバー)が、
10年前にとある村で『ドン・キホーテ』の自主映画を撮影した際、
ドン役に抜擢した靴屋の主人ハビエル(ジョナサン・プライス)が、
あろうことか10年経っても役から抜け出せず、
自分をドンと思い込んだままという設定。

さらに、トビーを見るや否や「サンチェス!」(ドンの従者)と認識してやまず、
そのまま謎の冒険に連れ出されてしまうというもの。

もうね、「そんなバカな」というファンタジー・アドベンチャー・コメディなんだけど、
自分を本気でドン・キホーテと思い込んでいるハビエルと、
そんな彼に呆れながらも変に刺激しないように相手のペースに合わせる
トビーの掛け合いがマジで爆笑www

「フォースの使い手ってバカなの?」っていうぐらい、
カイロ・レンと対称的な役どころがツボなんだけど、
笑いだけでなく、ちょっとうるってくるシーンや、終盤の驚きの展開など、
面白い要素がたくさんあっていい映画だった!!

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設定がちょっと『幽☆遊☆白書』を思わせる『サヨナラまでの30分』

2020年01月27日 23時49分09秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:14/14
感動😭:★☆☆☆☆
 歌🎤:★★★☆☆
青春🌸:★★☆☆☆

はうっっっ。
牧瀬里穂が大学生の娘を持つ親だと、、、?
ついこの前までJR東海のCM出てなかった?
娘役の久保田紗友が当時の牧瀬里穂とほぼ同い年っていう時代の流れ。
そりゃ雨も夜更けすぎに雪へと変わるよねっていう(笑)

さて、映画自体はバンドマンの話でした。
カセットテープが再生される30分の間だけ、
事故で死んだボーカルのアキ(新田真剣佑)と、
たまたまそのカセットを拾った颯太(北村匠海)の体が入れ替わるという設定。
なんか、『幽☆遊☆白書』の浦飯と桑原みたいだけど(笑)

死してなお生前の音楽活動や仲間に固執する陽キャのアキ。
本当は音楽がやりたいのにそれを押し殺して
無理矢理就職活動に勤しむ陰キャの颯太。

そんな180度性格の違う2人が、
それぞれの欠点を補い合いつつ
音楽を通じて成長していくという流れは青春を感じる。

新田真剣佑は相変わらずカッコイイし、
北村匠海も実際にDISH//ってバンドでボーカルやってるから歌はうまかった。

ただ、この2人以外のキャストが薄い。。。
清原翔に上杉柊平、葉山奨之のという
旬な若手イケメンを起用しているにも関わらず、
どんな人柄かもわからないまま終わるので、
ちょっともったいないかなー。

葉山奨之が「こんな俺だけど、、、」って言うセリフがあったんだけど、
「どんな俺?」って突っ込んじゃうぐらいには、
人となりがわからなかった。。。

そして、清原翔と上杉柊平は遠目だとシルエットが似すぎてて双子かと思うほど(笑)
2人とも185cmと同じ身長だし、髪型もパーマで似てるし、顔の系統も近いからな。

久保田紗友はべらぼうにかわいすぎたけど。

でも、日本の音楽系映画って、バンドに寄りがちだよね。
洋画だとこの前観た『ティーンスピリット』みたいにピンの歌手もあるし、
ミュージカルもあるし、割と幅広い気がしてる。
(歌だけ吹き替えてることもあるけどw)

やっぱり歌唱力ある役者が日本にはいないということなのかな。
バンドだと楽器の演奏で誤魔化せそうだし。

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不気味の谷を越えつつある『キャッツ』

2020年01月25日 09時26分01秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:13/13
 歌🎤:★★★★☆
踊り🕺:★★★★☆
 猫🐈:★★☆☆☆

人生初の『CATS』でした。

とりあえず予告の時点から感じていたことではあるけど、、、不気味である(笑)
あの特殊メイクはすごいけど、リアルすぎてちょっと不気味の谷感あるわ。
猫なのか、人なのか。
『ワンピース』のロブ・ルッチの実写版ではないのか。
(むしろ、そっちの方が納得)

顔と手だけ普通に人間だから、余計に違和感あるんだよね。
生で観たことないけど、劇団四季のメイクレベルがちょうどいいような。

で、ストーリーなのだけど、これまたわかりづらくて。。。
事前にあらすじ見といてよかった。。。

ジェリクル・キャッツと呼ばれる猫の集団があって、
“ジェリクル舞踏会”が行われる日に、
選ばれた一匹だけが天上に送られ、
生まれ変わることができるって話。

何をもって選ばれるかというと、とにかく歌って踊るだけ。
その中から長老であるオールドデュトロノミーが選ぶって感じ。

シンプルではあるんだけど、何がわかりづらいのかっていうと、まず設定が謎だなって。
そもそも「生まれ変わるって何?!」って思った。
そういう輪廻転生的なファンタジーな世界観なのかなって。

次に、猫たちの歌の歌詞が全然頭に入ってこないんだよね。

基本は自己紹介というか、これまでの自分の人生や今の生き方についての歌だから、
それ自体はわかるのだけど、、、みんな中身がバラバラで、
単に自己アピールの歌でしかないから、それぞれが結びつかない。

で、他のミュージカル映画と違って、そんな歌が9割も占めるもんだから、
感情移入もへったくれもなく、気づいたら1匹選ばれてましたと(笑)

でもね、歌とダンスだけはすごいよ。。。
邦画では絶対にお目にかかれないクオリティ。

なので、総じてつまらなくはないんだ。
わかりづらいだけで。
何回か観ればよさもわかりそうではある。

舞台を観てないから比較はできないけど、
もともとこの作品が好きな人なら観てもいいんじゃないかな。
ただ、他に観た方がいい作品がいっぱいあるのは事実(笑)

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文通がやや無理矢理感あるけど総じてよかった『ラストレター』

2020年01月25日 09時08分42秒 | Weblog


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/12
感動😭:★★★☆☆
哀愁😢:★★★☆☆
笑い😂:★★☆☆☆

いい話だったけど、僕としてはほぼキャストでもったような映画だったかな。

だって、マシャにトヨエツにミポリンだぜ?
平成初期のトレンディドラマを彩った人たち。
今の30代40代の人なら、このメンツでごはん5杯はいけちゃうんじゃなかろうか。
(あの頃の彼ら、まさに今の広瀬すずや新田真剣佑、横浜流星ぐらいの年齢だねw)

で、話としては、ひょんなことから始まった文通をきっかけに、
ふたつの世代にまたがる男女の恋愛を描いたラブストーリーです。

裕里(松たか子)の姉が亡くなったところから物語はスタート。
たまたま、その姉宛に来ていた同窓会のお知らせを元に、
彼女は姉の死を知らせに行くのだけど、会場に着いたら姉と間違われてしまい、
あれよあれよと言う間に姉として留まることに(笑)
しかし、自身の初恋の人だった鏡史郎(福山雅治)と再会し、
文通を始めることになる。

その手紙を裕里の姪(亡くなった姉の娘)である鮎美(広瀬すず)が読むことで、
25年前の姉妹と鏡史郎の恋模様を辿るようになるって流れです。

実にロマンチックで感動的だった。
昔も手紙を書いていて、今も手紙のやり取りを元に
過去の甘酸っぱくも懐かしい恋愛を思い出して、
当時の想いが今なお色褪せることなく残っているってのが心に染みる。

もうあの頃には戻れないけれど、
あの青春の日々は確かにそこにあったし、
それらがあったから今の自分があるっていう、
誰でも一度は感じるであろう哀愁みたいなのも、
この歳になると響くな。

手紙をフックに物語が進んでいって、
それぞれの気持ちのありようや、
姉の死の真相などが明かされていくのは、
スマホ全盛期の今からすると、ある意味新鮮に感じる。

ただ、手紙にこだわる理由がやや無理矢理かなって感じた。
普通、スマホに戻るでしょって。

そして、配役がちょっとわかりづらい。
現代では松たか子の娘が森七菜、亡くなった姉の娘が広瀬すずなんだけど、
その松たか子の若い頃を森七菜、亡くなった姉の若い頃を広瀬すずがやってるから、
同じキャストが現代ではいとこ、過去では姉妹って関係で、途中かなり混乱するわ(笑)

あと、不思議に思ったのは、一時期松たか子からも、広瀬すずからも
福山雅治に手紙いってるはずなんだけど、
福山雅治はなんかおかしいと思わなかったのかな。。。
話の内容や筆跡で変だなと思いそうだけど。。。

そういった、ちょっとわかりづらい部分もあったけど、総じていい話だと思った。
謎に『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督も役者として出てたし(笑)

なお、この映画、岩井俊二監督が1995年に作った
『Love Letter』のアンサー映画らしく、確かに少し似ていると思った。

そっちも手紙の行き違いから始まるラブストーリーで、
トヨエツとミポリンが出ている上に、
酒井美紀と柏原崇がまだ未成年で映画初出演っていうね(笑)

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たくさんの片想いがあふれ出す『mellow』

2020年01月22日 23時11分00秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/11
トキメキ🥰:★★★☆☆
  感動😭:★★☆☆☆
  笑い😂:★★★☆☆

これさ、たまたま『めざましテレビ』観てたら、
軽部さんが「この映画を観て、人を好きになるっていいことなんだと思いました」
みたいなことを言ってたから観に来たんだけど、確かにその通りでした。
そして、女性客しかいなかった(笑)

この映画は、『愛がなんだ』、『アイネクライネナハトムジーク』
の今泉力哉監督のオリジナル作品で、
花屋の田中圭とラーメン屋の岡崎紗絵による
プラトニックなラブストーリーです。

しかし、彼らだけでなく、そのまわりの人たちもそれぞれ好きな人がいて、
気持ちを伝えるか伝えないかで悩むっていう、
どんなに時代が変わっても必ず付きまとう究極の問いに
真剣に向き合ってる作品でした。

よかったところは、みんなあふれそうな気持ちがある中で、
結果はどうであれ、言わずに後悔するよりも、
言って後悔する方を選んでいたのと(結果後悔なんてないんだけどね)、
それを電話やLINEなどで済まさず、
言葉やら手紙やらで伝えているところに真剣さと誠意を感じられたところかな。

さらに、全体を通じてとても静かで独特の間があり、
いわゆる日本特有の侘び寂びを感じさせる雰囲気は、
ギャーギャーうるさいラブコメとは一味違った魅力があります。

そんな静かな中でも、ともさかりえのエピソードはめちゃくちゃ笑えるし、
セリフの応酬が面白かった。

ただ、個人的には『愛がなんだ』や『アイネクライネナハトムジーク』の方が、
男性目線からしても共感できて好きだったなー。

この作品は、とにかく田中圭がモテまくるだけで、
しかも彼自身が自ら何かすることがないから、正直物足りなさはある。

今思えば、田中圭以外ほぼ全員女性だったし、
行動の主体も女性だから、完全に女性向けの映画なんだろう。

そりゃ女性客しかいないわな(笑)

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音楽業界の奇跡のような話『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』

2020年01月21日 22時59分48秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:7/10
感動😭:★★★☆☆
笑い😂:★★☆☆☆
 歌🎤:★★★★☆

まさに音楽業界の奇跡ような映画だった。
めずらしい漁師✖️歌という組み合わせ。
イギリスでヒットして、すでに続編も決定してるとのこと。

小さな港町で働く漁師たちの歌に魅せられ、
彼らのレコード契約を取り付けるために奮闘する音楽マネージャーの話です。

彼の名はダニー(ダニエル・メイズ)。
友達の独身最後の旅行で訪れた小さな港町で、
偶然漁師たちの歌を耳にした彼は、
男同士の悪ノリ感満載の無茶振りで
契約を取ってくるように言われるのが事の始まり。

で、ダニーが漁師たちのところに行ってる間に
みんなは車で帰宅してしまい、彼ひとり港町に残るハメに(笑)

まわりは冗談のつもりだったけど、
ダニーは漁師たちの歌は売れると確信し、
レーベル契約を結ぼうとするっていう流れです。

この映画の何がいいかって、実話ベースなんだよね。
漁師たちの歌のうまさと、ダニーの行動力、
そしてそれらがきちんと結果に結びつくのが圧巻なんだけど、
これらが実際にこんなことあったのかっていう驚きが大きい。

本当にみんな歌がうまいんだ。
地味なジジイがメインで華やかさの欠片もないのだけど、
あの声量と低く渋い声によるアカペラは、
聴いたことない歌でも圧倒される。

漁歌っていうの?
何世代も語り継がれてきた歌らしく、
島のみんなが歌えるという歴史ある歌なんだよね。

しかし、見どころは歌だけではなく、
ダニーの苦難も物語を盛り上げる要素として欠かせない。

島の未亡人アルウィン(タペンス・ミドルトン)との恋模様や、
仕事の仲間との対立、漁師たちとの仲違いなど、
ぶち当たる壁も多い中、ひとつひとつ乗り越えていく流れは、
オーソドックスでありながらもわかりやすくていい味出してると思う。

特に、ラストでダニーが漢を見せるシーンは、
彼のこれまでの苦難をすべてチャラにするぐらいの破壊力があった。

まさか漁師の歌でこんな盛り上がるとは思わなかったけど、いい映画でした。

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マスコミとFBIに怒りがこみ上げる『リチャード・ジュエル』

2020年01月21日 00時51分42秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:6/9
胸糞悪い😡:★★★★☆
  怒り😡:★★★★☆
  感動😭:★★★☆☆

辛い映画だった。。。
いわゆる無実の罪系の話ではあるのだけど、
実話ってこともあってかなり見ごたえありでした。

クリント・イーストウッドの作品って、
実話を扱ったものも多いんだけど、
けっこう淡々と話が進むから、
感動や興奮があと一歩足りないな
って感じることがあるんだよね。

だけど、今回は設定が設定なだけに、
物語の開始からずっと
スクリーンに釘付けになるほど見入ってしまった。

これは、1996年のアトランタオリンピックにて、
実際に起こった爆発事件を扱った映画です。

警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)は、
会場近くの公園で爆発物を発見・通報したことで、
多くの人の命を救い、一躍英雄となる。

しかし、第一発見者であることや、
過去の爆発事件の犯人像に近しい要素があったことから、
一気に容疑者扱いされ、
マスメディアやFBIに追われるようになってしまうんだ。。。

とにかく、リチャード・ジュエルの境遇がかわいそうでならない。。。
彼は人一倍正義感が強く、
警察などの法執行官に憧れを抱く純粋な人物である。
事件に関与しているわけがない。

なのに、アトランタ・ジャーナルの女性記者
キャシー・スラッグス(オリヴィア・ワイルド)は、
報道を独占したいがために、FBIから独自に手に入れた
「リチャード・ジュエルに容疑がかかっている」ことを報道し、
彼とその母親の生活を一変させてしまう。

FBIもFBIで物証もないのに、
リチャード・ジュエルを犯人だと決めつけ、
違法捜査で彼を追い詰めていくのが汚すぎる。

そりゃ疑うのがFBIの仕事だし、
事実を伝えるのが記者の仕事ではあるけれど、
同時に彼らは情報を黒にでも白にでもできるほどの力を持っており、
人ひとりの人生を狂わすなんて造作もないことだ。

本来は正しく使われるべき力なのに、
大した事実確認を行うことなく、
ひとりの人間を執拗に追い詰めていく流れは、
観ていて胸糞悪かったし、怒りがこみ上げてきた。

その中で、自慢の息子の守り方がわからず、
途方に暮れる母親の姿には胸が痛くなるし、
彼女が記者会見で話す姿は涙を禁じ得ない。

ただ、これは史実として結論がわかってるからそう感じるのであって、
誰が犯人かまったくわからない状況であれば、
疑わしきはとことん追い詰めなくてはならない状況も理解はできる。

だからこそ、捜査と報道に従事している方々には、
正しく真実を追求して欲しいなと思うわけです。

『ジョジョ・ラビット』に続き、
サム・ロックウェルがいい役なので、ぜひ観てください。

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2020年冬ドラマの第1話を観終わって

2020年01月20日 23時12分42秒 | ドラマ
今期のドラマ、第1話時点での面白さはこんな感じ。

1.テセウスの船(TBS)
2.恋はつづくよどこまでも(TBS)
3.ケイジとケンジ 所轄と地検の24時(テレ朝)
4.トップナイフ-天才脳外科医の条件-(日テレ)
5.病室で念仏を唱えないでください(TBS)
6.10の秘密(フジ)
7.絶対零度 未然犯罪潜入捜査(フジ)
8.シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。(日テレ)
9.知らなくていいコト(日テレ)
10.アライブ がん専門医のカルテ

現状、ずば抜けて面白い!ってのはないかな。
それにしても、医療モノ4つは多い(笑)
これが、医療大国ニッポンか。
でも、どれも方向性はきちんと差別化されていると思うんだよね。

『恋はつづくよどこまでも』は、形だけ医療で中身はラブコメ。
『トップナイフ』は、医者同士の実力争い。
『病室で念仏を唱えないでください』は、僧医と患者の向き合い。
『アライブ』は、女医2人のあれやこれや。

そう考えると、ちゃんと医師と患者とのやり取りがメインなのは
『病室で念仏を唱えないでください』ぐらいで、
他3つはメインが医者同士のすったもんだかなーと。

めずらしくSF要素あるドラマ『テセウスの船』:第1話

2020年01月20日 00時22分12秒 | ドラマ


安定のTBS日曜劇場、このドラマも面白い。
今のところ今期一番かな!

殺人犯とされる父親を憎む竹内涼真が30年前にタイムスリップし、
自分が生まれる前の父親と出会って、
事件を未然に防ごうとするドラマ。

漫画原作だけれど、
ドラマ始まってしまったので終わるまで読みません(笑)

この時間帯のドラマでシリアスなタイムスリップモノはなかなか珍しい印象。
榮倉奈々の老け顔メイクやCGなどチープなところもありつつも、
設定や物語展開は洋画っぽくて個人的には好きです。

過去に戻って歴史を変えてもパラレルワールドになるだけ
っていうのが最近のフィクションでのあるあるだけど、
本作はどうだろうか。

過去での行動が現在に反映されているかがわからないから、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『クロノ・トリガー』のように
過去の行動で未来が変わる形なのか、
『タイムマシン』のように過去を変えても別の形で引き戻されて
結局何も変わらないのか、まだわからない。

事件の真相やら竹内涼真の今後の運命やら気になることが多いので、
これは毎週観ようと思った!

なお、日曜劇場はこの次が『半沢直樹』、
その次が『ドラゴン桜』のようです。

公式サイト

今期の医療モノの中では一番患者と向き合っている『病室で念仏を唱えないでください』:第1話

2020年01月20日 00時16分14秒 | ドラマ


今期4本目だよ、医療モノ。。。
さすが、医療大国ニッポン。。。

僧侶でありながら救急医でもある
いわゆる「僧医」(実際にもあるらしい)
の伊藤英明が奮闘する医療ドラマ。

まあ、僧医という設定であること意外は普通の医療ドラマと何も変わらないんだけど、
救急という点で緊迫感はあるかと。

暴れる患者をなだめるために、
大声でお経唱える姿とかシュールだったわ(笑)

ただ、他の3本の医療ドラマと比べると、
一番患者と向き合ってそうな気がしてる。
それは、伊藤英明が過去に溺死した友人を助けられなかったことから、
僧侶になり医師になった経緯とか、仏教にある死生観とか、
そういう背景が患者と向き合う上で、何かしら影響はありそう。

あとは、エリート医師のムロツヨシとの因縁が今後どうなるかってところも気になる。
ムロさん、またシリアスな役どころで。

しかし、ドラマで坊主なんてめずらしいから、
パッと見で伊藤英明と気付かないわ(笑)

公式サイト

コメディとシリアスの間で成長する10歳の少年の物語『ジョジョ・ラビット』

2020年01月18日 00時22分44秒 | 映画


2020年公開映画ランキング:4/8
ほっこり😊:★★★★☆
  感動😭:★★★☆☆
  笑い😂:★★★☆☆

タイカ・ワイティティにスカーレット・ヨハンソンというマーベルってる2人が、
マーベル以外の作品に出ているのが新鮮。

第二次世界大戦中のドイツを舞台に、
ナチスに影響を受けた少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)と、
ユダヤ人のエルサ(トーマシン・マッケンジー)との交流を描いたヒューマンドラマ。

この映画は、キャラクターとしてのジョジョのかわいさと、
お話としてのコメディとシリアスのバランスのよさが面白く感じる要因なのかなと思った。

ジョジョには“空想上の友達”としてヒトラー(タイカ・ワイティティ)がいるんだけど、
失敗したり悩んだりしたときにはふらっと現れてアドバイスしてくれるんだ(もちろん、ジョジョにしか見えない)。

それに勇気づけられてまた元気よくがんばるみたいな、
小さな少年の典型的な素直さ純朴さ全開なところが本当にかわいくてほっこりする。

そして、お話の部分。
前半は、戦争中かつユダヤ人が迫害されるというご時世ではあるものの、
映画の中では比較的穏やかなシーンが多く、
コメディ色も強かったんだけど、
途中で衝撃的な事件があって以降は
シリアスな空気になるという対比がよかった。

特に終盤の市街地戦が衝撃的。
聖歌隊のコーラスのようなバラードが流れる中、
銃撃爆撃の嵐といういわゆる「音と画の対位法」と呼ばれる撮影手法があってこそだと思うのだけど、
前半が穏やかで笑いがある雰囲気だったからこそ、
余計に後半のシリアスさが際立つ。

この物語の後半部分は、空想に耽ってたジョジョ少年が、
初めて現実と向き合わなければならないタイミングでもあり、
子供から段階を踏んで大人になることを許されず、
今後、否が応でも早く成長せざるを得ない状況になるんだろうなと思うと
胸が締め付けられそうでした。

コメディとシリアスの対比をうまく使い分けながら、
かわいいジョジョ少年の成長を描き切ることができたこの映画、ぜひ観て欲しいです。

公式サイト

あるあるの凸凹コンビの中でも新しい切り口だった『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』:第1話

2020年01月18日 00時18分46秒 | ドラマ
木曜ドラマ『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』2020年1月16日(木)スタート ティザーPR動画(30秒)


思った以上に面白い!
この時間帯のテレ朝ドラマにしては珍しくポップな感じ(笑)

元体育教師の桐谷健太が演じる新米刑事(新米といっても36歳だけど)と、
検事役の東出昌大のすったもんだドラマ。
さらに、東出昌大が想いを寄せている事務官の比嘉愛未が桐谷健太の妹っていう、
これまた笑える設定(笑)

ノリと勢いの90年代全開の桐谷健太と、
やや小賢しいが合理主義な東出昌大の凸凹コンビってのは、
よくある設定ではあると思うけど、
このコンビの切り口がこれまでの刑事モノや検事モノと比べると
ちょっと新鮮なんだよね。

警察が命がけで被疑者を逮捕しても起訴されるのは30%で、残りはお咎めなし。
そして、起訴された人間が裁判で有罪判決を受けるのはほぼ100%。
警察は3割バッターでいいかもしれないけど、
検察は10割バッターじゃないといけないから、
捜査上ではパートナーだとしても責任の重さが違うと。

刑事同士のコンビではなく、立場が決定的に違う刑事と検事のコンビという珍しさを、
シリアスとコメディのバランスよい流れで展開していくのが面白いなと思った!
これは期待。

そして、ギバちゃんが『踊る大捜査線』の室井さんっぽい(笑)

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びっくりするぐらい内容が薄すぎた『ティーンスピリット』

2020年01月15日 23時49分31秒 | 映画


2020年公開映画ランキング:7/7
 興奮🤩:★★☆☆☆
 感動😭:★☆☆☆☆
歌唱力🎤:★★★☆☆

天一で“こってり”を頼んだら“あっさり”が出てきたような、
そんな映画でした。。。
予告を観て濃い内容かなと思ったんだけど、
メチャクチャ薄かったっていう(笑)

スター歌手になることを夢見る田舎暮らしのヴァイオレット(エル・ファニング)が、
歌のオーディションを勝ち進んでいくという話です。

洋画はどん底から這い上がるとか、
夢を追い求めて栄光を勝ち取るとか、
そういう話はけっこうあって、これもその類だね。

予告の感じから、同じエル・ファニングが出ているトップモデルを目指す『ネオン・デーモン』(2016)と、
歌ってところで『ピッチ・パーフェクト』(2012)の掛け合わせを想像したけど、
前者のようなダークさも、後者のような陽気さもなく、
割とイージーに上まで行っちゃうから、すごく薄く感じました。

オーディション本番前のクラブでの出来事とか、
あれのせいで本番ダメになったみたいな展開を想像したら、
マネージャーとの仲違いだけで終わってしまったし、
話の抑揚というか、ドラマチックな演出がほぼないまま終わってしまった。。。

ただ、エル・ファニングが歌うかっこよさと、
衣装を着たときの美しさは常軌を逸していて、
あんなに赤が似合う女性もそうそういないだろうなと思うほどであった。

もはや「悩めるティーン」的な役は女性ならエル・ファニング、
男性ならティモシー・シャラメっていうイメージ(笑)

メジャーな邦画でも、バンドを題材にした作品はあるけど、
こういうのし上がり系とか、歌唱力で勝負するみたいな作品はあんまり見ない気がする。
やはり、ガチで歌えて踊れて演技もできるって人がいないということなのかな。
(ミュージカル俳優とかもっとそういうのに起用してもよさそうだけど)

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