風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

書評:知識デザイン

2008-05-26 15:48:22 | Weblog

著者:紺野 登
発行所:日本経済新聞出版社

1.私が感じたデザインというものは
・知をシンプルに見せる総合力
・知を「もの」に応用し付加創造する力
である。

2.20世紀は品質を大切にした品質企業の時代、21世紀は
価値創造を大切にする創造企業の時代とこの本は言っているが
我々は「創造品質の高い会社」、すなわち創造が社内から、社外の
パートナーから出てきて、フラット化された社内で、ああだこうだ、と
言い合えて、結果として我々のサービスが創造的であるような会社
を目指したい。

3.知識デザインには2つの軸が重要であると書かれている。ひとつが
体験的認知、もうひとつが内省的認知であり、体験的認知は実際の
マーケット、お客様を徹底リサーチするアプローチ、内省的認知は
お客様も欲するものを知らないという前提に立ち体系的につっこんで
考え抜くアプローチである。後者はスチーブジョブスのアプローチ
である。この両方が必要で、それらが高い位置で融合された時に
最高の「もの」になると説いている。
私は体験的認知は顧客主義の徹底であると思うし、内省的認知は
使われるシーン、風土や文化、を考え抜くことだと思う。

4.デザインとは目立つことではない、むしろ
QWAN(Quality Without A Name)が大切というのはそのとおり。
QWANの要素として、Alive、Whole、Comfortable、Free、
Exact、Egoless、Eternalの7つだとアレグザンダーという人が
言っているらしい。生き生きとして、統一がとれ、居心地がよく、
捕らわれず、正確であり、無我であり、永遠であること、になる。

5.「知識デザイン」の実践には「真摯さ」が必要と書かれている。
どの本を見ても21世紀は、プロフェッショナルな個と個が
フラットにネットワーキングすることにより、創造的な社会を
築いていくと書かれているが、私はプロフェッショナルであれば
あるほど「真摯」でなければならないと思っている。
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書評:「経験知」を伝える技術

2008-05-12 18:00:08 | Weblog

著者:ドロシー・レナード
   ウォルター・スワップ

ランダムハウス講談社

①エキスパートの特徴
・ワナに気づく
・迅速に意思決定を行なう
・具体的状況を認識する
・推測を行なう
・微妙な区別ができる
・自分の知識の欠落や例外的状況によく気づく
②知識の移転のためには「コーチング」と「指導の
もとでの経験」が重要である。
③その他の方法としては、レクチャー、経験則の作成、
体験談を語る、QAを行なうソクラテスメソドがある。
④「指導のもとでの経験」には
・指導の下での練習・・・反復練習
・指導の下での観察・・・ひたすら先輩のやり方を見る、そのあと議論
・指導の下での問題解決・・・コーチャーも正解を知らないこともある
・指導の下での実験・・・仮説、実施、検証を行なう
上記は下に行くほど、レベルが高く教え子の負担は重たい

<感想>
米国流の個人中心の方法論だと思う。日本人は体験談などを
もっと重視するだろう。もっともっとチームワークとしてできる
「経験知」伝授の方法が知りたい。
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書評:題名「WORLD INC」

2008-05-07 13:59:44 | Weblog
ブルース・ピアスキー著
英治出版

この本の主張点は、企業が提供するものには
価格、技術的品質に加えて社会対応(Social Response)
が求められる時代に入った、
ということである。
特に21世紀型の企業は社会対応にどれだけ真摯に
取り組むかで企業価値が決まる。
環境問題などの中、社会に貢献しようという会社が最終的に
生き残るということ、多少回り道でも。
社会対応の製品開発の利点は以下。
(一定年月は必要)
1.利益率の向上
2.サイクルタイムの短縮
(コンカレントエンジニアリングの組み込み)
3.世界市場へのアクセス
環境的に好ましい製品はヨーロッパ地域にも進出可能
4.製品の差異化
5.製品の価値に社会性を組み込める
6.企業のリスクプレミアムを減らせる

また、従来の指標、例えば財務的指標などは遅行指標
(過去を見る指標)であり、今後は
先行指標(将来を占う指標)、例えば
・信頼できるリーダーの存在
・社会への関心
・透明性
・知的資産
などが重要となる。

<感想>
gooでも「緑のgoo」「珊瑚の植え付け」などをやっており、こういう施策は
是非、継続維持していただきたい。
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