風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

書評:the Art of Innovation(日本題:発想する会社!)

2008-06-23 13:09:59 | Weblog

著者:Tom Kelley with Jonathan Littman
発行所:早川書房

有名な米国デザインファームであるIDEO社のイノベーションの進め方
(クライアントの依頼からモノの出すまでの技法)を紹介している。

<ポイント>
A.方法論はただひとつであり、以下の手順に従う
1.理解
クライアントの置かれた環境、制約条件を理解する。
そして、利用するテクノロジーに関する制約も理解する。
2.観察
お客様(それを利用するであろう、あるいは現在利用している)を観察
する。何が好まれているのか、何が嫌われているのか、
隠れたニーズはどこなあるのか、を観察する。
3.視覚化
ブレインストーミングを行い、それをプロトタイプにより見せる手法で、
顧客の体験が目に見えるように表現する。
4.評価とブラッシュアップ
PDCAを回し、プロトタイプを何度も作り直し、お客様が好むモノを
明らかにする
5.実現
本当にモノを出す。これは時間がかかることもある。

B.動詞で考える
自転車につける「水筒」を考えるのではなく、自転車を操作して
いるときに「水を飲む」を考える。人間の動作から発想する。

C.楽しむ、失敗して前進する
HOTになって楽しむ、そのための身近な環境も作ってしまう

<感想>
・観察して、ブレインストーミングして、プロトタイピングして、
の繰り返しを楽しんでやるのが大切と説くが、
ほんと、これをやれる会社/チームは強いと思う。
・観察と言うのは、本当に、現場に行って、現実を見るという
ことであり、「見て」、課題と疑問を見出せるように自分を日ごろ
から訓練することが重要だろう。
・この本には「仕事?半分趣味?を楽しむ」ということが脈々
と流れている。最低のルールと個性、やっぱり21世紀は
楽しみながら、チームで知を創造するのだろう
・天才ひとりより、普通の人が気合を合わせて数名でやるほうが
よっぽど成果が出るとのこと、その通りかもしれない。
・本当かどうかはわからないが、実はエジソンはひとりで
発明をしていたのではなく、20名のチームでやっていたと
書かれている。気合の合ったチームの力はすごいはず。
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書評:仕事は5年でやめなさい

2008-06-13 17:49:24 | Weblog

著者:松田 公太
発行所:サンマーク出版

タリーズコーヒー前社長が書いた本である。

本の題名はセンセーショナルであるが、自分の人生を5年単位で
見直したらよい、という提案である。
5年と言うのもこの方の提案で、3年でも4年でも良く、
有限の時間内に、「これに区切りをつける」という気持をもって
その仕事にあたることだと書いてある。
あとはこの方の教訓。
・人生の目的を決めるべし。この方の場合、
 「食を通じて文化の架け橋になる」である。
 人生の永遠の目的を持つことは大切だろう。
・多くの人を知ること。運を運ぶのは人、とおっしゃっている。
 確かに、捨てる神あれば拾う神あり、と私も思う。
・机上で考えるな、現場で動きながら考える
 これはその通り。
・「現状維持という言葉は非常に危険な言葉」
 そう、生きている限り、成長したい。
・No Pain、No Gain転じて「No Fun、No Gain」
 確かにNo Fun、No Gainのほうがいいですね。
 仕事は楽しく。
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書評:時間を売るな

2008-06-10 14:48:07 | Weblog
書名:時間を売るな
著者:飯塚 哲哉  ザインエレクトロニクス(株)代表取締役
発行所:祥伝社

一言で言って、技術者が社長になった方の会社運営感、人生観
である。共鳴する部分はある。
1.時間というものの感覚
同じ時間であっても「時間が経つ」という感覚は、人によって異なるが
自分が「忘我の境地」に入れるような仕事をしようというのには、賛成
1.R1E2S3
一人(1Resource)が二つの仕事を実行しながら(2Executions)、
次の仕事のテーマを3つ考える(3Studies)、ということを提唱している。
この意味するところは
・仕事には相手があり、相手の回答を待つ間が生まれやすく
2つくらいの仕事を並行にやったほうが効率的。
・次のテーマ(アイデア)は現場からしか出てこない、従って
仕事を実行しながら次のテーマを考えるほうが地に足の着いたアイデア
が出てくる。
R1E2S3をそのまま受け入れるかどうかは別として、自分の時間を
いかに有効に使うかは自分自身の問題である。
2.人資豊燃(じんしほうねん)
会社は人がすべて。人と資本を豊かに燃やせれば、仕事はうまく行く。
という意味のようだ。
人がすべてと言うことに関して全く同感。
3.21世紀は個と知の時代
ご自分で会社を運営した結果としての感想のようだ。この感覚は
私が「21世紀は個と個のネットワーキングの時代」と言っている
のと同じだと思う。
4.感想
全般的にちょっと割り切りすぎる傾向がある方だなあ、と思うが
言わんとする本質には賛成する。この人のやり方と私のやり方
は自ずから異なってくるであろう。
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書評:セルフトーク・マネージメントのすすめ

2008-06-02 18:59:58 | Weblog
著者:鈴木義幸
発行所:日本実業出版社

コーチング会社であるコーチAの社長が書かれた本である。

セルフトークとは、自分が自分に発している言葉である。
「何でうまくいかないんだろう」とか
「これを説明するとこう言われるだろう」「説明したくないな」とか
「みんなの前でプレゼンするとあがりそう」
「やっぱりドキドキしだした」などがセルフトークAというネガティブな
セルフトーク。
これを肯定的なセルフトークBに変えるなどの方法が具体的な
事例を入れながら書かれている。

人間である限り、常時セルフトークを発していると書かれているが
確かに、私自身もそれを結構沢山発信している。場合によっては
「独り言」になってしまう場合もある。
肯定的なセルフトークB、例えば
「このプレゼンで沢山の意見が聞けるのはありがたい」
「今の大変な状況は、私のキャリアにとって良い経験になるだろう」
「こういうタイプの方は、どういう思いを持たれているのだろうか」
などに変換できる、あるいはこういうセルフトークだけを発せられるように
自分に働きかけてゆきたい。

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