風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

第三の敗戦

2011-09-19 18:12:31 | Weblog
書名:第三の敗戦
著者:堺屋太一

今年の5月に書かれた本であり、その時点までの分析に基づいている。

今回の東日本大震災は、江戸時代が終了した幕末、太平洋戦争の敗戦に次ぐ敗戦であるとの著者の認識である。
ポイントは職業が身分化するとその時代は終わるという分析である。
江戸時代は武士が職業から身分になった時代であり、武士が武士らしさを失うとともに崩壊した、また太平洋戦争は、本来国を守るべき軍隊が身分化し自己の防衛と増殖に努めた、そして失われた20年の結果としての震災は上級官僚がエリートとして身分化し、全体感を失って規制を重視した省庁縦割りから抜け出さない時代の最後に襲った不幸だという主張である。
こう書いてしまうと従来から言われていることのようであるが、著者なりの分析と自分自身が官僚であった経験を踏まえた主張には賛同できるところも多い。
今後、日本の目指す方向としては、
①脱工業化の知価社会、
②省エネルギー化を目指し復興財源はエネルギー使用に連動させた税、
③東北復興庁の創設とそれを母体にした東北道州制、それをトライアルに全国に道州制導入、
などが挙げられている。
読んでいると物書きなのか政治家なのか、わからなくなる点はあるが、言っていることは私に合う。
是非、著者は政治家として実践すべきであろう。
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オープン・リーダーシップ

2011-09-17 13:50:39 | Weblog
書名:フェイスブック時代のオープン企業戦略
著者:シャーリーン・リー
翻訳:村井章子

SNSやBLOGを活用できるオープン・リーダシップがとれる人材について
書かれた本である。
まずオープン・リーダシップの定義は
「謙虚に、かつ自身を持ってコントロールを手放すと同時に、コントロール
を手渡した相手から献身と責任感を引き出す能力を持つリーダーのあり方」
だそうだ。そのためには①顧客や社員が持つパワーを尊重する、②絶えず
情報を共有して信頼関係を築く、③好奇心を持ち、謙虚になる、④オープンで
あることに責任を持たせる、⑤失敗を許す、が必要だと説く。
オープンであることは、情報に関してオープンであることと意思決定にオープン
であることの2つから構成されている。
私が読む限り、この本は何でもすべてオープンにするのではなく、
会社のカルチャーや運営方針を見ながら、一定のリスクをとりつつ、最大にオープン
にするとは何かを考え、実行してみなさいと言っていると思われる。
また、当然ながら、そのためには会社のビジョンや目標を事前に明らかにする
必要がある。
オープン・リーダーシップと従来のリーダーシップの違いが書かれて
いるがこれがおもしろい。
<オープン・リーダーシップ>
・新しい関係作りのために、自分らしさのマネジメントや情報の可視化
を重視する。
・組織内外のあらゆる階層とのエンゲージメントに積極的である。
・エンゲージメントを通して信頼関係を醸成する。
・リスクテークのためのルールを作る。
<従来のリーダーシップ>
・自分らしさや情報の可視化について考える時間は少ない。
・主に経営幹部とのエンゲージメントを維持する。
・取引を通じて信頼を得る。
・服従と連帯のためのルールを作る。
以上です。
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