風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

書評:ガンジス河でバタフライ

2008-09-29 12:49:33 | Weblog

著者:たかの てるこ
幻冬舎文庫

TV番組にもなったようなので皆さんもご存知かもしれない。
たまたま、出先でおもしろい文庫本はないかな、という時に出合った本である。
大学3年生が、香港やインドに「一人旅」をするドキュメンタリー。
本来自分には何ができるのだろう、自分は弱い人間であるが何か
できることがあるのではないだろうか、と問うているうちに、
生まれたからには憧れていることをやってしまおう、
という気持になり、一番すぐに出発できる格安チケットだけを入手して、
香港、インドに出かける。

結果、様々な人に助けられながら旅をして、「旅と言うのは人との出会い
なんだ、人と出会いまた別れることなんだ」
ということを体で理解する。そして
人間は言葉が違うだけで、基本的には何も違わない、
ただ宗教観やカースト制度などにより、表現形式や所作が多少異なる、
ことを体感する。
彼女は最終的には、人と出会うために旅をする、という境地になる。

私は段取り魔なので、こういう旅はできそうにないが、彼女に共感する
部分は多い。私は、知らない街(日本でも、世界でも)に行くと、その街を
歩き、市場に入り、お寺/教会も覗いてみる。その街の生活を覗いて
みて、その街の一員になったような気分に浸る。
今度はこの人みたいに、その街の人にどんどん話しかけてみよう。
そうすれば、街の違った側面をさらに発見できるだろう。
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サービスブランディング

2008-09-16 11:53:08 | Weblog
著者:博報堂ブランドコンサルティング
発行所 ダイアモンド社

モノとサービスのブランディングの違いは
①顧客と接点社員の深い関係、②物体ではなく体験として
残る、③人材の質や業務プロセスが重要
と書かれている。その上で
1.無形性、2.変動性(提供する人、提供する環境)、
3.複合性(多くの人が関係)、4.継続性(販売後の
顧客との関係)
をどうコントロールできるかが課題となるようだ。
その中で一番重要な要素は、
「顧客に提供しようとするサービス体験は、何を約束する
ものなのか」を明確にし、そのことが接点社員全体に
行き渡っているか、であると書いてある。
これは難しい。何を約束するものかを明らかにすることは
できるだろうが、それを接点社員に徹底することはすごく
難しい。

そしてこの本は店舗/無店舗、契約/非契約の4象限に分割し
無店舗+非契約の例として、クラブツーリズム、
一休.com、無店舗+契約の例として、オイシックス、
世界規模の富裕層向けコンシェルジュサービスである
クィンテセンシャリーを説明している。

私は、サービスブランディングは所詮、人依存、
チーム依存であることを改めて感じた。
そいう意味ではインターネットビジネスであっても
エンドユーザが目の前にいてサービスをしていると
言う感覚を忘れてはならないと思う。
また、自社サービスを企業のレンズで見るのではなく、
顧客のレンズで見よ、とも書いてある。
これはインターネットサービスに置き換えると
(私が勝手に置き換えると)、うちのサイトの作りが
どうかとか、コンテンツが充実しているかではなく、
お客様におもてなしができているか、お客様が抵抗感
なくスムーズに利用できているか、などの視点を
持て、ということだろう。
最後に、顧客満足度が高ければ、再利用率が高い、と
書いてあるが、正に私が日々感じていることである。
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書評:もう、国には頼らない。

2008-09-08 15:47:03 | Weblog

ワタミ社長 渡邉美樹
発行 日経BP社

渡邉社長が、居酒屋に留まらず、学校を経営し、病院を経営し、
介護施設運営をやっている。さらに農業会社もやっている。
その背景を自ら語っている本である。
公のサービスは官がやるべし、そうでないと儲け主義となり、
平等なサービスとならない、という考え方に
真っ向から反対している。
公のサービスにも経営視点を入れ、お客様はだれかを
明確にした上で、好循環系を作るべきだ、と説いている。
例えば、学校にとって、お客様は誰かと言えば学生である。
お客様だからと言って、おもねるのではない。
学生は将来の夢を実現するために学校にくるのであり、
学校/教師はその夢に一歩近づけてあげるために、必要な
教育を授ける。
今の日本の教育においては、本来ニュートラルな立場で
ある教育委員会が官に近く、悩み多き先生の擁護組織と
なり、学校も私立/公立ともに補助金運営となり、お客様で
ある学生中心主義になってはいない、と渡邉社長は主張
する。
お客様は誰かを定義し、そのお客様に好かれることにより
利益をあげてゆく、という基本発想には大賛成である。
ただ、私のうがった見方からは、彼自身のブランド作りの
ような気もする。
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