風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

書評:おまけの人生

2010-09-26 12:08:36 | Weblog
著者:本川達雄
発行所:阪急コミュニケーションズ
「ゾウの時間 ネズミの時間」を書いた著者が人間の時間や道元に踏み込んだエッセー
・道元のように前後裁断、時間を区切ってしまい、老人の時間は老人の時間で質の違うものだ、だから若いときとは違う時間を生きてやるぞ!と決意しましょう、ということがこの本の言いたいこと。
・道元は、時間と言う独立のものが万物の外側を流れているわけではなく、時間は必ず私やネズミや竹や山という個別の形をとって立ち現れると考えられます。
・有時とは、実在物として立ち現れている時間を意味します。
・老いた動物は自然界にはいない。淘汰される。
・心臓は一生の間に15億回打ちます。だから一生のうちに使うエネルギーは2ジュール×15億=30億ジュール。
・子供の時間はすごく速い、老人の時間はゆっくり。エネルギー消費量が違うため。
・「正法眼蔵随聞記」では「明日を期することなく、当日当時ばかりを思ふて、
後日は太だ不定なり。知り難しければ、只今日ばかり存命のほど仏道に随はんと思ふべきなり」
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書評:ビジネスで一番、大切にしていること

2010-09-20 18:09:51 | Weblog
著者:ヤンミ・ムン
発行所:ダイヤモンド社
ハーバード・ビジネススクール教授が書いたブランド論
・真の差別化は、均整の取れた状態から生じるものではない。むしろ、偏りから生まれる。
・動物の群れに共謀はない。この主の自然発生的な調和を私は「有機的共謀」と呼びたい。
・IKEAはリバースブランド。人の反対に動いている。顧客はブランドの欠点を自分たちにとっての長所に変えている。
・AIBOはブレークアウェー・ブランドである。道具である製品を玩具に変え、製品の欠陥を製品の便益に変えている。
・時計と言うカテゴリーから脱することをせず、かつ「日常のファッションアクセサリー」という別のカテゴリーを打ち出した
スウォッチもブレークアウェー・ブランドである。
・マーケターの役割は3つ。
①製品に関して、製品を理想的な角度から示し、ぜひとも買いたいと思わせるのが腕の見せどころ。
②アクセス。人々が無理なく入手できると感じられるよう、その製品を流通させ、適切な価格をつけなければならない。
③ブランドコミュニケーション。ブランドの価値を消費者に伝える。
・ホスタイル・ブランド。古典的な意味でのマーケティングを実行することはなく、「アンチ・マーケット」の姿勢を貫いている。
・ミニクーパーは「この車が小さすぎないかって?ほらあなたが考えているより、ずーっとちいさいんですよ」と挑戦的に語りかけた。
これはホスタイル・ブランド。
・まずいを売りものにする青汁みたいなもの。(私の意見)
・「差別化」というコンセプトを口では賞賛しながらも、実際には違いではなく、類似性ばかりが目立つブランドを生み出し続けている。
・競争相手を無視せよと言っているのではない。消費者と同じ目で見ることが重要なのだ。消費者の目にはぼんやりとカテゴリー全体が見えるだけで、個々のブランドは映ってはいない。この不鮮明さから抜け出すこと。それが「違っている」ということなのだ。
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書評:正法眼蔵随聞記

2010-09-11 14:35:10 | Weblog
著者:山崎正一
発行所:講談社
道元が言ったことをメモして出来上がった筆録である。
基本的には仏道修行者のあるべき姿を書いているが、中には我々俗人が
読んでも「教え」に値する物がある。
・古人が言ったこととして
「経験したことがないなら、見るがよい。見たことがないなら、聞くがよい」を
挙げている。ー>現場主義として大変重要だ。
・教え
まず自己を忘れ、相手の言うことをよく聞いて、あとで静かに考えて、
難点や疑問あったなら、あらためて問いただすのだ。・・・よく判った様子を
見せようとするのは、法をよく聞いていない証拠だ。
ー>なにしろ、まずは聞け、ということ。
・教え
問うべきことも問わず、いうべきこともいわないでいたら、自分が
損することになろうー>その通り。
・以下は唐の太宗が言った言葉だそうだ
私に仁徳があって、そしられるのならば、すこしも心配することはない。
むしろ私に仁徳がなくて、ほめられるようなことがあれば、それこそ
心配せねばならぬ。->立派だ。
・教え
徳が外にあらわれるとは、
第一段階:修行をしていると、人に知られるようになること。
第二段階:その人が求め行じている道を慕って、やってくる者があること
第三段階:その道を、同じように学び、一緒に修行するようになること。
がやれること。これを道徳が外にあらわれたという。->さすが
・古人の言葉
「百尺の竿の先で、さらに一歩のぼってみよ」
足を放って空中にとびでること。・・・一切を思い切って投げ捨てること
であるがそれができないと道を得ることはとてもできはしない。->確かに。
・教え
「君子は、徳をとりて、失をとらず。」人の良いところをみて認め、欠点を
あげつらぬように、せねばならない。->これが難しい。
・教え
君主が仁君ならば、正しいと思う考えを、はばからず、はっきりと言う忠臣
が部下に存在しているはず。(意訳)ー>そうだよな、その通り。
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