生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

お椀の雪

2019-01-09 02:38:03 | 日々の暮らし
私は宮沢賢治とゲーテより文才があるゴッホの生き方が好きです。

今日は宮沢賢治の作品の中で一番好きな
「永訣(えいけつ)の朝」
を紹介します。


何度読んでも感銘し涙するのです。

病気の妹の事を書いた作品です。

妹と二人暮らしの今日が永遠の別れとなるのを感じていました。

すると妹があめゆき(みぞれ)が欲しいといいます。

兄は外に出て、降りしきる雪を二つのお椀に
入れました。

お前がたべるこのふたわんのゆきにわたくしはいまこころからいのる。

どうかこれが天上のアイスクリームになってと…。

この作品に込められた
宮沢賢治のメッセージに心打たれるのです。

何故2つのお椀なのか?

いつも一緒にいた妹の
思いが詰まっているからふたわんと表現した。

妹は死に際に何故あめゆきを持ってこいと頼んだのか?

熱があるから、のどが渇いたから、アイスクリームが食べたかったからではなかった。

兄に人の為に尽くすという生き方を伝えるためだったからです。

それから、宮沢賢治が
この作品から伝えたかったメッセージは

妹の遺志を受け継ぎ、自己を犠牲にして、
人々の幸福を祈る思い
を伝えているのです。

それを理解すると

貧しい二人の生活でも

素晴らしい人生を

生きていたのだと

涙を感じてしまいます。
お椀の雪を想像し

人々の幸福を祈りたいと思います。

合掌









コメント
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