「たれこめて
春の行くへも
知らぬまに
待ちし桜も
うつろいにけり」
(古今集)
部屋に閉じこもっているばかりで、春の移って行くことも知らない間に、花盛りになるのを待っていた桜も散ってしまったことだ。
昨日の朝、永くお世話した90代の女性を見送りました。
娘さん二人と生前と変わらないお顔を見ていました。
人の世話好きでがんばり屋でしたね。
二人を見守ってくださいねと言葉を掛けました。
窓の外は桜の花が散っています。
玄関で見送り致しました。
二人の娘さんからお体に気をつけてくださいねと言われてしまいました。
「花散りて
また静かなり
里の寺」
隣接の静な寺と桜散る風情をしみじみと感じていました。
人間の一生を。