王毅外相のことを書いて、最近の中国情勢が気になった。
RCEPに調印したり、TPPにも参加したいと言い出したり。
習近平は何を狙っているのだろう。
私は中国も中国人も好きだが、習近平は別だ。
彼は毛沢東の時代に逆戻りしたいようだ。
せっかく鄧小平が築いた改革開放路線を駄目にしようとしている。
胡錦濤政権になり社会主義からの離脱を考えているのかと思ったこともある。
それほど自由な空気が流れたのが2005年頃だった。
国営企業の民営化が進み、新しい政治を目論んでいるのではと思ったことも。
民営化の流れと同時に大きな不正も国内に蔓延した。
世の中が変わるときは良いことも悪いことも同時に起こるものだ。
ところが、習近平が主席の座に着くと風向きが変わった。
国民の目を欺く為だったのだと今になれば判るのだが。
不正を暴くのだと多くの優秀な党員を失脚させた。
上層部の党員は叩けばほこりが出る。
それを良いことに次々と邪魔者を消した。
それは国民の目に『不正を暴く正義の使者』のように映った。
そして今となっては主席の座を奪うことはできない。
習近平は毛沢東のように絶対君主になった。
民営化の波を止め、国営企業を擁護し始めた。
香港の民主化運動を止めたのも、彼の理念に逆行するから。
絶対君主になった習近平を止められるものは居ない。
どこかの、いつかの首相のようにYESマンで周りを固めた。
だから、優秀な党員は習近平の怒りを買わぬよう懸命なのだ。
恐ろしいことに、毛沢東の時代とは中国の立ち位置が違う。
日本のGDPの三倍にまで膨らんだ経済力。
これを利用し多くの国を配下に置いた。
金を貸して、雁字搦めにしてしまうのだ。
アフリカ諸国はほとんどこのトリックに引っかかってしまった。
東南アジアでも多くの国が搦め取られた。
イタリアもこの罠に嵌められた。
ようやく最近になって習近平の意図を理解し始めたのだが。
経済力の弱い国は中国に従うほかは無い。
民主国家が協力して救う道を、トランプは閉ざした。
しかし、バイデンになって光が差し始めたようだ。
習近平の息の根を早い内に止めなければ、世界は暗黒になる。