「すててこそ」
一遍上人の究極の教え。
すべてのものを手放した時に訪れる物の本質。
どんだけ頭の中では解っていても・
なかなかすべてを手放せるわけもなく。
そのじれんまの中にあがく。
あたたかい気の流れる境内。
日本仏教の中で、原始仏教のお釈迦さんに一番近い一遍さんの教え。
私も一遍さんには一番のピュアを感じる。
そんな一遍さんだからこそ・煩悩やその葛藤による迷いがあったわけで、
熊野で熊野権現に御神託を受けた後は、同行遊行していた3人(妻とも娘とも子弟とも言われるが・)を故郷に帰したり、
境内の弁天さん「宇賀神」
一遍さんはお釈迦さん同様、死を迎えるにあたり全ての経文・全ての教えの記録を焼き尽くす。
そして・一代限りの遊行者としてこの世を去る。
お釈迦さんが亡くなった後に、10人の弟子達の布教により現代の仏教が誕生したように、一遍さんが亡くなった後に時宗と言う宗派が誕生し、寺が建てられる。
遊行寺がその総本山。
でも・この様な経緯上、
今、一遍さんの足跡をここで見つけるのは難しい。
この季節、
境内の塔頭に、蛍がロマンティックな光を放つ。