本日8月23日は、イングランドによるスコットランド支配に抵抗したウィリアム・ウォレスがロンドンで処刑された日で、チャルディラーンの戦いが行われて124年間に及ぶオスマン帝国とサファヴィー朝ペルシャの抗争が始まった日で、東京・竹橋で近衛兵が反乱を起こした日で、第一次世界大戦で日本がドイツ帝国に宣戦を布告した日で、独ソ不可侵条約が締結された日で、ルーマニア王ミハイ1世が同国の指導者イオン・アントネスクを解任してルーマニアが枢軸国から離脱した日で、日本で学徒勤労令・女子挺身勤労令が公布・施行された日で、ソビエト連邦の指導者ヨシフ・スターリンが日本軍捕虜のソ連国内への移送を指令した日で、内務省が「進駐軍を迎える国民の心得」を諭告した日で、中国人民解放軍が中華民国の金門島を侵略・侵攻する為に砲撃を開始して金門砲戦が始まった日で、韓国の実尾島で訓練を行っていた韓国軍特殊部隊員が反乱を起こした日で、ソ連のバレエダンサーアレクサンドル・ゴドゥノフがニューヨーク公演中にアメリカに亡命した日で、アメリカでスーパー301条などを含む包括通商・競争力強化法が成立した日で、当時ソビエト連邦の構成共和国だったバルト三国で約200万人が参加して3カ国を人間の鎖で囲んだ日で、アルメニアがソビエト連邦からの独立を宣言した日で、リビアのカダフィ政権が事実上崩壊した日です。
本日の倉敷は晴れていましたよ。
最高気温は三十四度。最低気温は二十六度でありました。
明日も予報では倉敷は晴れとなっております。
狐は或る日の夕、神社の境内の大きな木の下で友人が坐つてゐるのを見た。
此の友人は姫君のやうに美しいかんばせを持つてゐる。
こまねいた両手と云ひ、項垂れた頭と云ひ、恰も何事かに深く思ひ悩んでゐるらしい。
狐は友人の身を気づかつた。
友人が悪魔に魅入られてゐるやうな瞳をして美しいかんばせを曇らせ思案をしている姿に唯事ではないと思つたのである。
狐は友人に近づき、何を悩んでいるのか仔細を問ひ質した。
「私は堕落しようと思ひました。
しかしそれと同時に堕落したくないとも思ひました。
あの清らかな魂の◎◎(←共通の友人の名前)を主人公にしたエロい漫画を描くことは◎◎を地獄の火に穢す気がするでせう。
私は◎◎をいやが上にも清らかに曇りなくしたいと念じたのです。
しかし、さうと思へば思ふ程、愈、エロい漫画を描いて◎◎を穢したいと云ふ心持ちもして来ます。
その二つの心持ちの間に迷ひながら私はしみじみ私の業を考へて居りました。
私は何時でもさうなのです。
堕落させたくないもの程、益、堕落させたいのです。
これ程不思議な悲しさが又と外にありませうか。
私はこの悲しさを味ふ度に、昔見た天国の朗かな光と今見てゐる地獄の暗闇とが私の小さな胸の中で一つになつてゐるやうな気がします。
どうかさう云ふ私を憐んで下さい。
私は寂しくつて仕方がありません」
美しいかんばせをした友人はそう云つて涙を流した。
狐は友人に「またかよ」と云つた。
「いちいち悩むな。描きたいものを描け。描くが良い。描いて私に讀ませろ」と邪悪な笑みを浮かべて狐は云つた。
「案ずるな。それも愛だ。常識など気にするな。それが我等に何の関りがあらう。思う存分描くが良い」
友人は瞳を潤ませ悪魔に魅入られたやうな表情でその美しいかんばせを上げて狐を見詰めてこくりと頷いた。
神よ。我等を憐れむがよい。
我等は業が深いのだ。