狐の日記帳

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今はコンピュータが発達し、データが豊富にあり、左右の状態がある程度分かる世の中になってきているが、最後に決断するのが人間であることに変わりはない。

2020年07月19日 21時58分25秒 | その他の日記
 以下の文は、Kan Nishida氏の『なぜコロナウイルスの感染者数のデータは意味がないのか』と題した記事の転載であります。



『なぜコロナウイルスの感染者数のデータは意味がないのか』
Kan Nishida


 以前から言っていることですが、メディアでよく目にする感染者数という数字はあまり意味がないと思います。
 特にその数字を持ってそれぞれの国を比べようとするときには意味がないどころが害すらあると思います。
 というのも、感染者の数というのは検査の数に大きく影響を受けます。
 そしてその検査をどれだけ、どのように行うかというのはそれぞれの国によって戦略も状況も違います。

 しかし現実にはそういったことを考慮することなしに、感染者数の値を毎日見て、一喜一憂し、さらにはそれぞれの国の感染者数の値を比べ、どこの国がいいとか悪いと決めつけ、さらには感染者数の増加のトレンドをもとに「あなたの国もイタリアのようになってしまう」といった、無責任な報道が多くのメディアから毎日垂れ流されています。
 これは日本だけでなく、私の住むアメリカでも一緒です。

 そんな時、FiverThirtyEightのNate Silverが、いかに感染者数というデータが意味のないものであるかをシミュレーションも交えて解説する記事を出しいたので、みなさんと共有したいと思います。
 シミュレーションの部分も含めると非常に長いので全ては紹介しきれないのですが、なぜ感染者数の数値が当てにならないのかという点について抜粋して紹介します。

  コロナウイルスのデータは意味がない
 あなたがFiverThirtyEightの読者であればスポーツや政治のデータを見るのに慣れていると思います。
 バスケットボールや野球であればすべての行為が記録されたデータ。
 選挙の場合は全体からのランダムに集めてきたサンプルを使った聞き取り調査データと言った具合です。
 COVID-19の場合、特に感染者数というデータはそういったものとは全く違います。
 このデータはベストなものでも、かなり十分ではありません。
 そしてそれはもっと大きな問題の表面に見えている一部にしか過ぎません。
 さらに、検査数と報告された感染者数のデータはランダムに集められているわけでも全くありません。
  検査の目的
 世界中の医療機関は限られたデータを使って現在の状況を把握しようと努めています。
 彼らの検査の目的は限られた医療資源を最もそれを必要とする人に提供できるようにすることです。
 感染症の研究者と統計学者が分析するために十分なデータセットを作ることではないのです。
  検査の戦略の違い
 検査がどう行われているかを考慮することなしに、こうしたデータから結論を導き出したのであれば、それはまったく見当違いのものとなるでしょう。
 ちょっとした間違いを犯すというリスクがあるどころか、あなたの分析はとんでもないレベルの間違いを抱えてしまっているかもしれません。
 もっとひどい場合は、実際に起きていることとは反対の結論が導きだされているかもしれません。
 例えば他に比べてたくさんの検査をしているために感染者数が増えている国は実は感染の拡大をコントロールできているのかもしれません。
 逆に、新規の感染者数が減少している国は、単純に検査をするためのシステムが崩壊していたり、PRのために検査の数を減らしているのかもしれず、実際には状況は悪化しているのかもしれません。
 それぞれの国の検査に関する戦略を理解することなしに、国や州どうしを比べるということには意味がありません。
 最近の感染症の2つの研究によると、データを集めるという点で最高の仕事をしている国(例えばノルウェーなど)と最悪の仕事をしている国(例えばイギリスなど)の間には感染者を見つけ出すことができる率においておよそ20倍ほどの違いあるとのことです。(USはおそらくこの中では真ん中あたりでしょう。)
 ということは、ある国が1,000人の感染者数がいると報告している場合、それは5,000人なのかもしれず、また別の国で1,000人というときは実は100,000(10万人)なのかもしれないということです。
  感染者数に関する不確実性
 さらに一つの国の中でも不確実性が大きいです。
 USで発見された感染者数の数は実際の数を低く見積もっているかもしれず、私達が専門家を対象に行ったアンケートの結果によると、その違いは2倍から100倍ほどでした。
 これは他の国でも同じようなことが起きています。
 最近ロンドンのインペリアル・カレッジによって発表された論文によると3月30日時点で実際に感染された人の数は80万から370万人の間ということですが、これは公表されている2万2141人という数字と比べると大きな隔たりがあります。
  再生産数、Rの前提条件
 どのような感染症のモデルでも最も重要な数字はRというものです。
 これは再生産数とも言われます。
 最初に感染した1人が新しいグループに入った時に何人を感染させてしまうことになるかという数値です。
 例えば、もしある病気のRが3であれば、それぞれの感染者がさらに3人ずつ感染させてしまうということになります。
 つまり、最初の1人が3人の新規感染者を作り、それが次には9人、それがさらには27人、さらには81人と言った具合です。
 これが感染者数が短期間の間に指数関数的に増加していく所以です。
 このRでさえ、それに関する前提は様々です。
 一人の感染者から次のグループにどれだけ速く感染するかといった数値を定義しようとしているのですが、そこにはさまざまな前提がついてきます。
 疫学者たちも、基本再生産数と呼ばれるR0と、実効再生産数とよばれるRを区別しています。
 基本再生産数のR0とは、何も介入が行われず、さらに免疫もない環境でどれだけ速く広まるかという指標である。
 実効再生産数のRは現在の環境においての再生産数であり、その環境は時と場所によって変わります。
 Rはクルーズ船や大学の寮では高いでしょう。
 逆にアラスカの離れた町のように人と出会うことがあまりないような場所では低いでしょう。
 もちろん介入の内容は場所によって違いはあるものの、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)のような介入はRの値を下げるために行っています。
 そうした施策のゴールはRを1より小さくすることです。
 この状態になるとウイルスは数の上では死んでいくということになります。(1に近ければ緩やかに死んでいき、0に近ければ素早く死んでいく。)
 最後に感染が社会の中でとても大きく広まると、Rは最終的には小さくなります。
 というのも集団免疫ができるからです。
 言い換えると、十分な数の人達がすでに感染し、そのことによって病気に対する免疫を持つと、ウイルスはそれ以上同じ速さで広まり続けることができなくなります。
  筆者注:
  この再生産数に関しては皆さんにより正しい情報を提供したいため、Wikipediaの基本再生産数のページより以下を抜粋しこちらに掲載しておきます。
  基本再生産数 R0 は、環境因子や感染集団の行動による影響も受けるため、病原体に対する生物学的な定数ではない。
  さらに、基本再生産数 R0 の値は通常、数理モデルから推定されるので、推定値は使用されたモデルや他のパラメータの値に依存する。
  したがって、文献における値は特定の文脈においてのみ意味があり、古い値を使用したり、異なるモデルに基づく値を比較したりするべきではない[6]。
  また基本再生産数 R0 自体は集団内における感染症の蔓延する速度を推定するものではない。
  基本再生産数 R0 の最も重要な用途は新興感染症が集団内に蔓延するかどうかを決定することと、感染症を撲滅するためには集団のどのくらいの割合にワクチン接種をして免疫化すべきなのかを決定することである。
  一般に使用される感染症モデル(英語版)では R0 > 1 のとき、感染症は集団内で蔓延をはじめ、R0 < 1 のときには蔓延しない。

 以下は同じくWikipediaからとってきた画像です。
 青が最初に感染した人、赤は感染された人です。基本再生産数が2であるEbola(エボラ)の例と、基本再生産数が4であるSARSの例です。


 この基本再生産数が上がると一気に感染の拡大が指数関数的に広がっていくのが分かると思います。
 ちなみに、以下は様々な感染病の基本再生産数です。

 終わり。


  現在目にしている数字は2週間前の数字である
 ある人が感染した時、症状が出た時、検査を受けた時、そしてその検査の結果が報告された時の間には長い時間のギャップがあります。
 中国の武漢では症状が出てきた時と検査の結果が報告された時の間のギャップは10日から12日と言われています。
 さらに感染してから症状が出るまでに少なくとも数日はかかると言われていることから、感染してから感染者として報告されるまでにはかなりの時間がかかります。
 ですので、私のシミュレーションのシナリオではだいたい15日ほどの遅れがあると仮定しています。
 しかしそれでも控えめな方で、実際には、検査体制が整ってないカリフォルニアの例などを考えるともっとかかるのではないでしょうか。
 完璧なケースを考えてみましょう。
 住民の100%が検査を受け、検査の精度も100%だっと言う場合です。
 そこでRが2.6だとすると、15日の遅れは、どの時点でも実際の感染者数は報告される新規感染者数の約18倍ということになります。
 つまり新規感染数を見ると言うことは、実際には私達はいつも2週間ほど前の状況を見ているということになります。
 さらに、ソーシャル・ディスタンスの施策の効果がデータに現れまでにはおそらく2、3週間ほどかかるでしょう。
 これは、とくに検査の要望が多いために検査の結果を出すためのプロセスに大きな時間がかかってしまっている時は特にこういった状況になります。

  完璧でない検査
 もう一つの現実世界での問題は、検査は完璧でないということです。
 実際、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、実際にCOVID-19に感染しているうちのだいたい30%の人たちが検査の結果、陰性だと診断されるとのことです。
 これは「偽陰性 (False Negative)」と呼ばれるものです。
 もちろん、その逆の「偽陽性 (False Positive)」と呼ばれるものにも気をつけなくてはいけません。
 検査の結果感染している(陽性)と診断されたが、実は感染してない(違う)という場合です。この数字がどれくらいになるかは突き止めるのが難しいです。
 しかし私達は検査による偽陽性 (False Positive)」はほぼないと推定することができます。
 なぜか?
 症状のない大量の人たちが検査を受けたアイスランドでは、陽性と出た率は1%以下でした。
 この集団に実際にはコロナウイルスに感染していた人たちがいたことを考えると、偽陽性 (False Positive)の率はさらに1%より低いと考えることができます。
 そこで私のシミュレーションではこの数値を0.2%と仮定します。
 しかし、この偽陽性 (False Positive)の率を計算する時にちょっとした数学のひっかけがあります。
 というのも、例えこの偽陽性 (False Positive)の率が低かったとしても、感染者数が少ないときには偽陽性 (False Positive)の数が、真陽性 (True Positive)の数を上回ってしまうことになります。
 例えば、10万人の町で感染の拡大の最初のステージがあったとしましょう。
 さらに100人つまり0.1%の人がすでに感染したとします。
 もし全ての人が検査を受けたとすると、先ほどの偽陽性の率、0.2%を使うと、偽陽性の人が約200人ということになってしまいます。
 これは実際に感染している人たちの2倍である。
 このことが陰陽性に関する議論をややこしくしてしまいます。

  見つけ出せない感染者達
 次の問題は、どんなにすばらしい検査の体制が整っていたとしても、それでも多くの感染者を見逃してしまうということです。
 例えば感染していても症状が軽い人や症状のない人は検査を受けようとはしないでしょう。
 また、20%の偽陰性率を持つ検査は、いつもある一定の数の人達を見つけることができません。
 さらに、例え検査体制の整備が素早く拡大していったとしても、それはウイルスの拡大ほど速く拡大することはないでしょう。

  検査の数に影響される感染者数
 検査の数が増加すると病気の感染拡大の速度は実際よりも多く見積もられます。
 逆に検査の数が一定、または減少していると感染拡大の速度は実際よりも低く見積もられます。
 言い換えると、ドイツのようにある時突然真剣になって急に検査の数を増やし始めると、新規感染者数がものすごい速度で増加しているように見えるが、それは検査の数の増加と感染者の増加によるものであって、急激な増加はどちらによるものなのか区別することが難しくなります。



 さらに、検査の数が最初はゆっくり増加し、その後ある時急激に増加し、その後また一定になったUSのようなケースでは、実際の感染者数と検査の結果が陽性であった人の数との間の歪みはもっとひどいものです。
 例え最初の時期に実際のRが「たったの」2.6であったとしても、(もちろん、これはかなり恐ろしく高い数字であす。)報告される感染者数をベースにしたRは7.8に見えるのである。
 これは検査体制を大幅に拡大しているからである。



 ある数週間は感染者数の伸びがとてつもなく急なように見えます。
 チャートを見たときにこのような急な伸びを示している国は、他の国に比べてとんでもなく悪くなっていくことを示しているようだと思うかもしれません。
 しかし、実際の感染者数の数はどの時点でも前のシナリオのときと一緒なのです。
 もちろん、これはこのシナリオがいいということを示すわけではありません。
 この手の国は実際に知れ渡っているよりももっと大きな問題があったということで、それがようやくみんなの目に見えるようになってきたと言うだけです。

  まとめ
 最初に述べたように、この記事を書いた理由はみなさんに、COVID-19の感染者数という数字は、どのように検査が行われているのかを知らない限りは実際の状況を理解するのにはほとんど役に立たないものだということです。
 いつもであれば説教臭くなるのは避けたいところなのですが、メディアによって毎日のように報道される上昇傾向にあるコロナウイルスの感染者数の数字をただ単に受け入れてしまうのでなく、その裏にある背景を理解しなくてはいけないということを伝えたいのです。
 そういった背景には、どれだけの検査が行われているのか、病院の受け入れ能力なども含まれます。

 以上、要約終わり。

  最後に
 日本は欧米のメディアから感染者数が少ないのは検査が少ないせいで、それは実際の感染者数を隠すためではないか、とかなり早い時期からずっと批判されてきました。
 さらに当初はこの夏開催されるはずだった東京オリンピックがあったので、センセーショナルな陰謀論の的となってしまった面もあります。
 そういう私も当初は、なぜ日本の感染者の数が他の国に比べて少ないのかをよく理解できていませんでした。
 というのも最初はダイアモンド・プリンセスというクルーズ船での集団感染などの件があり、そもそも日本の感染者数が少ないということすら気づいていなかったのです。
 そこでちょっと調べてみると実は、日本政府は国として医療崩壊を防くことで多くの救えるはずの人命を救うというのがゴールで、そのためには医者が見て必要と判断しない限りは検査しないという戦略をとっていたということを学びました。



 ちなみに、この戦略は感染者数の増加を緩やかにするという、「Flatten the Curve」という目的のためのもので、この言葉は後に欧米でもある時を境に急に広まることとなりました。
 そこで、国同士の被害を比べるのであれば、完璧でないとしても感染者数よりも、死亡者数のデータを見た方がよいのではないかと思います。
 もちろん、この死亡者の定義も国によってまちまちなので、比べていいのかどうかは議論のあるところだと思います。
 ところで感染者数のデータが頼りにならないというのは実はアメリカでも同じです。
 もともとは日本のように医者が見て必要としない限りは検査をしないということで、検査はあまり積極的に行われていなかったのですが、急に3月の中旬あたりからニューヨークを中心に一気にその数が増えました。
 そのことによってアメリカ全体の感染者数の数が上がり、さらにはそこにニューヨークのようにソーシャル・ディスタンスに関する施策が後手後手に回ってしまった州などでは一気に医療崩壊が起きてしまい、死者の数まで増えてしまったことで、アメリカ中は一気にパニックに陥りました。
 さらに、あまりにも有名になったファイナンシャル・タイムスのそれぞれの国の感染者数の増加を時間の経過とともに表したチャートを見ると、まるでアメリカでの感染者数の増加の傾向が、3月上旬時点で最も悲惨な状況に陥っていたイタリアの後を追っている用に見えるチャートがメディアとインターネット中に広まり、一般市民は恐怖に怯える状態となってしまったのです。
 以下は3月中旬のファイナンシャル・タイムスによる感染者数の増加のチャートです。



 しかし、本文でも触れているように、この感染者数というのは、検査がどのような方針で行われているのか、さらに検査の性質というものを理解することなしには全く当てになりません。
 さらに、国によってこうした検査の方針や体制は大きく異なるので、この数字を持って他の国と比べても仕方がありません。
 しかし、手元にある最も身近でさらに、「ひどくなってる」ことを表しやすい数字がこの感染者数であったので、残念ながら多くのメディア、マスコミはこの感染者数というデータの裏にある背景を理解しようとすることなしに、ただ単に毎日垂れ流しては、一般市民の恐怖を煽り、さらには自国の政府に対する余計な不信を抱かせるということになってしまいました。
 これは、大変残念なことだと思います。
 というのも、政策を立案、アドバイス、監督する立場にいる人たちも、この感染者数という実態がよくわからないが事実であるかのように見えてしまうデータによって、現実を理解する能力が鈍ってしまいます。
 さらには、政治は世論から逃れることはできません。(民主主義の国であれば。)
 毎日メディアが自分たちの視聴率とクリックを稼ぐために垂れ流す数値によって多くの国民が恐怖感、不安感に襲われてしまっているとき、政治家は冷静に判断を下すのがより難しくなるでしょう。
 結果として、感染者数の増加(そして一部の国、地域での死者数の増加)による恐怖感によって、多くの国では最も現実的ではないはずのロックダウンという施策が取られ、それによってビジネスがストップしてしまい、そのせいで失業者が歴史上前例を見ないほどに増えてしまい、さらには外に出るという基本的な人権まで失うことになってしまいました。
 こうした犠牲が、コロナウイルスによる生命の犠牲を防ぐためにほんとうに必要であったのかどうかを判断するのはまだ時期早々ですが、今回の危機が終わった後、長い時間をかけて検証されていくのでしょう。
 しかし、危機が去ったあとで検証したところで、一度与えられたダメージというのはなかなか簡単には回復されるものではありません。(回復不可能なものもあるでしょう。例えば失業による自殺など。)
 今回のコロナウイルスによるパンデミックによる混乱を見にした時ほど、データ・リテラシーの重要さを痛感したことはありません。
 データを見るということは、そのデータの裏にある背景を理解し、数値をさまざまな文脈でとらえ、さらには確率や不確実性といった概念を理解していくことでもあります。
 その国の民主主義を正しく機能させることができ、さらには国民の安全と経済の成長を実現させるためには、多くの国民が高いデータ・リテラシーを持つことほど、重要なことはないのではないでしょうか。

                               転載終わり。


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ロジックとは客観的なデータや分析に裏打ちされた思考の道筋である。そのプロセスが客観的であればあるほど相手はその内容を認めざるを得ない。つまり「自分の考え」ではなく「客観的事実」に語らせる技術である。

2020年07月19日 13時14分16秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの永江 一石氏の『PCR陽性が爆増なのにどうして重症者が全く増えないのか、謎が解けた‼︎』と題した記事の転載であります。


『PCR陽性が爆増なのにどうして重症者が全く増えないのか、謎が解けた‼︎』
2020年07月17日 11:31
永江 一石

 わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では7月度の塾生を募集しています。
 コロナ禍の間、希望者は毎月30分。
 わたしと1:1でzoomでブレストができます。
 ひとりずつ丁寧にやってますよ。
 ※大きな仕事がふたつ終わりますので手が空きました。事業・集客コンサルやサイト構築のご依頼も絶賛受け付けております。




 感染拡大ダガーとマスコミや小池百合子は騒いでおりますが、グラフのようにいくらPCR陽性が増えても重症者は増えません。
 こちらに書いたように東京だって高齢の陽性の人はたくさんいます。


 ウイルスが弱毒化した?
 罹るべき人は罹っていまは自然免疫持ってる人ばかりだからと仮説は挙げましたが、このたびその理由がはっきりしました。
 しかも馬鹿みたいな理由でしたのでここで簡単にご説明申し上げます。
 この謎を解けたのはこれを読んだからです。

 先日、2週間経過したら重症者が増えてくるという中の人のクソ記事を掲載し、見事外れた東洋経済ですがこの記事は素晴らしい。
 高橋泰(たかはし・たい)/国際医療福祉大学教授(金沢大学医学部卒、東大病院研修医、東京大学大学院医学系研究科修了。
 東京大学医学博士(医療情報)。
 スタンフォード大学アジア太平洋研究所、ハーバード大学公衆衛生校に留学後、1997年から現職)が西浦モデルを切って捨て、最新のファクトで新しいシミュレーションを出されました。
 そもそも西浦モデルはファクトに全く基づかず、机上の空論だったわけですね。

  『発表されている数字はあくまでもPCR検査で判明した「PCR陽性者判明数」であり、正確には「感染者数」ではない。
   もちろん「発症者数」でもない。
   特に若年者の場合、PCR陽性者が発症する可能性は低く、多くが無症状・軽微な症状で治ってしまう。
   また「数十万人が死ぬ」といった予測は、新型コロナウイルスについての前提が間違っていると考えている』

 わわっ。言ってくれました。
 ヘルペスはこんな感じで大半の人が抗体を持ちます。


 40~50歳代でのHSV-1型中和抗体保有率は89~95%です。
 しかし抗体ができてもウイルスは体外へ排除されずウイルスと抗体が共存します。
 つまり体内にヘルペスウイルスはずっとあるわけです。
 これをヘルペスの患者というのかというと言いません。

 肺炎球菌はワクチンも抗生物質もあるのに年間10万人亡くなる肺炎の原因の1/3とされ、高齢者の致死率15%という怖い病気です。
 しかし1歳児の30-50%が肺炎球菌を鼻腔に保菌しており、保育施設に入園後1-2か月で保菌率は80%以上に上昇。
 成人の保菌率は3-5%程度。そして飛沫感染です。
 こちらも保菌していてもほとんどは発症しません。

 コロナのように「無症状が高齢者にうつすと危ないから家にいろ」だと、国民全員もっと危険な肺炎球菌のために永遠に家から出られませんし、孫には一生会えません。

 つまりPCR検査で体内にあるコロナの遺伝子を発見しただけで患者扱いすること自体が異様なのです。
 他の病気ではしませんよね。

 インフルエンザの無症状率は37.6%という調査データがあります。
 無症状というのはコロナだけではなくて普通なんです。
 子供が良くかかるパレコウイルスA3に至っては小児33%、成人75%が無症状なんですよ。

 そして高橋先生の緻密なシミュレーションでは

  『日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。
   われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ

 どんなに広がってもインフルエンザ程度!!!



 というシミュレーション結果で、非常に納得できるまず!
 現実に1000人死んでいないことからも整合性がある。

  なぜPCR陽性が爆増しているのに死者も重症者も増えないのか
 ここからが本題です。
 高橋先生は

  『まず、国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる。
   暴露率はいろいろやってみたが、30~45%が妥当だろう。
   そして、暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。
   すなわち自然免疫までで終了する』

 と、シミュレーションされています。
 大事なのは『暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む』ということ。

 4月まで、PCR検査を受けた人ってどんな人でしたか?
 そう「4日以上発熱が続いた人」ですよね。
 普通の風邪では4日も熱は続きません。
 つまり、いまのPCRの陽性者には検査時点で以前は含まれなかった98%の人が含まれているわけです。
 昨日の日本全体のPCR陽性は622人ですが、4月ならその2%しかいない可能性がある。
 つまり12人程度となります(実際にはもうちょっと多いはず。ここの計算は母数の詳細が分からないので仮です)。
 これを3月に当てはめますと
 3/1くらいになります。
 4月には1日12人なんてなかったし…


 3/1の重症者数23名!!
 おお。現実の数字と近づいてきた。
 繰り返すけど、いまのPCR検査対象には、4月前には検査対象にならなかった無症状や軽い風邪程度の人が大多数を占めている。


 陽性率についても、4月より下がって当たり前。
 だって4月には検査していなかった何の症状もない人が多く含まれてるんだもん。

 実は数日前に、通ってる内科でホスト風の男子が「今日、PCR受けに来たのね。クーポン持ってきた?」と看護士に言われていたのですが、アレって東京都が無料で受けられるように出してるんですかね?
 荒っぽすぎる試算ですが、PCR陽性が爆増しているのに重症が全く増えないのは、検査対象が違っているからということはおわかり頂けたと思います。

 そして感染拡大といってますが、ひょっとしたら拡大もしてない可能性さえある。
 4月にこのやり方で検査したら数千、数万単位の陽性が出たかもなということです。
 いずれにせよ、高橋先生の最新シミュレーションでは最悪でもインフルエンザ程度ということですので、インフルエンザの防衛程度の対応はしつつ、とっとと経済回しましょう。

                             転載終わり。


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人間は、真実を見なければならない。真実が人間を見ているからだ。

2020年07月19日 11時13分09秒 | その他の日記
 以下の文は、東洋経済オンラインの『新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ 高橋泰教授が「感染7段階モデル」で見える化』と題した記事の転載であります。



『新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ 高橋泰教授が「感染7段階モデル」で見える化』


 東京都を中心に新型コロナウイルスの検査で陽性と判明する人が増加している。
 東京都は15日、警戒レベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。
 ただ、無症状者や軽症者が多く、専門家の間でもレベルを引き上げるかどうかでは意見が割れたという。
 また、2月から現在までの5カ月余りの間に日本で新型コロナにより亡くなった人は1000人に及ばず、例年のインフルエンザ死亡の3分の1にとどまる。
 新型コロナウイルスの流行当初の予測や欧米の被害実態とも大きなギャップがある。
 国際医療福祉大学の高橋泰教授は、新型コロナの臨床に関わる論文から仮説を立て、公表データを使って「感染7段階モデル」を作成した。
 ファクト(事実)に基づくわかりやすいモデルで新型コロナの特性を説明し、適切な対策をとるための議論を活発化したいという。高橋教授に話を聞いた。


  新型コロナとインフルエンザには大きな違い
  ――足元では新型コロナウイルスの流行再拡大の不安が広がっています。10万人死ぬ、といった予測も流布していますが、先生はそうした見方を否定していますね。
  
 発表されている数字はあくまでもPCR検査で判明した「PCR陽性者判明数」であり、正確には「感染者数」ではない。
 もちろん「発症者数」でもない。
 特に若年者の場合、PCR陽性者が発症する可能性は低く、多くが無症状・軽微な症状で治ってしまう。
 また「数十万人が死ぬ」といった予測は、新型コロナウイルスについての前提が間違っていると考えている。

  ――ではその辺りの説明と、作成された新型コロナの「感染7段階モデル」の狙いを教えてください。

 新型コロナは、全国民の関心事ながら「木を見て森を見ず」の状態で全体像が見えてこない。
 そこで、ファクト(事実)を基に、全体像が見通せ、かつ数値化できるモデルを作ろうと思った。
 それが「感染7段階モデル」だ。
 新型コロナの感染ステージをStage0からStage6までの7段階に分けて、それぞれに至る確率やそれに関わる要因を見える化したものだ。
 新型コロナウイルスは、初期から中盤までは、暴露力(体内に入り込む力)は強いが、伝染力と毒性は弱く、かかっても多くの場合は無症状か風邪の症状程度で終わるおとなしいウイルスである。
 しかし、1万~2.5万人に1人程度という非常に低い確率ではあるが、サイトカイン・ストームや血栓形成という状況を引き起こし、肺を中心に多臓器の重篤な障害により、高齢者を中心に罹患者を死に至らせてしまう。
 このウイルスの性質の特徴は、自身が繁殖するために人体に発見されないように毒性が弱くなっていることだ。
 したがって、一定量増殖しないと人体の側に対抗するための抗体ができない。
 そしてまれに宿主となる人体の免疫を狂わせ殺してしまうこともある。
 日本も含めた各国でそれぞれ数十万人死亡するというような、当初流布された予想は大きく外れた。
 その原因はインフルエンザをベースとしたモデルを使っているためだと思われる。
 2つのウイルスには大きな違いがある。

  毒性が弱いので獲得免疫がなかなか立ち上がらない

 新型コロナはどうか。
 今年5月6日のJAMA Published online(The Journal of the American Medical Association、『アメリカ医師会雑誌』)に発表された「新型コロナの診断テストの解釈」という論文に、新型コロナは抗体の発動が非常に遅いことが報告された。
 私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」という仮説を立てた。
 こうした仮説で想定した状態が実際に存在するなら、この時期の人は無症状または風邪のような症状であり、自身が新型コロナに感染したという自覚がないうちに治ってしまう。
 もしこの時期にPCR検査を行えれば、新型コロナは体にいるのでPCR陽性となることもある。
 一方、まだ抗体はできていないので、抗体検査を行えば当然「陰性」となる。
 そして、その後、症状が進んで獲得免疫が発動しても新型コロナを抑え込めなかったごく一部の人でサイトカイン・ストームが起きてしまい、死に至ることもある。

  ――第2波が来たら日本は脆弱だという見方も根強くあります。

 抗体検査を行ったところ、ロンドンで16.7%、ニューヨークは12.3%、東京が0.1%だった。
 これをインフルエンザと同じような感染症モデルで考えると、東京では感染防止は完璧だったが、抗体を持つ人が少ないので、次に防御に失敗したら多くの死者が出る、という解釈になる。
 このような解釈には、強い疑義を持つ必要がある。
 日本は強力なロックダウンを実施しておらず、新型コロナに暴露した人が欧米より極端に少ないとは考えにくい。
 むしろ先に述べた「これまで多くの人が新型コロナにすでに感染しているが、自然免疫でほとんどの人が治っている」という仮説に立って、抗体ができる前に治っているので、抗体陽性者が少ないと考えるほうが自然であろう。
 この仮説を用いれば、無症状のPCR陽性者が数多く発生している現状の説明もできる。
 第2波が来ても、自然免疫の強さは日本人にとって強い助けとなり、再び欧米より被害が軽くなるという考え方が成り立つ。

  日本では暴露した人が多いが自然免疫で98%治癒
 
 ――「感染7段階モデル」により新型コロナの感染や症状に関わる要因を数値化してみたということですね。

 新型コロナの患者数を予測するために使えるデータが現状では非常に限られる。
 かかった人の重症化率や死亡率という最も基本的なデータすらない。
 新型コロナの全体像を把握するためには、全国の暴露者数を推計することが大切なので、①全国民1億2644万人、②年代別患者数の実数値、③抗体陽性率推計値(東京大学の推計と神戸市民病院の推計)を使って、パラメータである暴露率(新型コロナが体内に入る率)をいくつか設定し、動かしながら、実際の重症者や死亡者のデータに当てはまりのよいものを探るシミュレーションを行った。
 シミュレーションの結果の概略はこうだ。
 まず、国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる。
 暴露率はいろいろやってみたが、30~45%が妥当だろう。
 そして、暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。すなわち自然免疫までで終了する。
 獲得免疫が出動(抗体が陽性になる)するステージ3、ステージ4に至る人は暴露者の2%程度で、そのうち、サイトカイン・ストームが発生して重症化するステージ5に進む人は、20代では暴露した人10万人中5人、30~59歳では同1万人中3人、60~69歳では同1000人中1.5人、70歳以上では同1000人中3人程度ということになった。
 あくまでもデータが限られる中での大ざっぱなシミュレーションだが、今後、データがもっと明らかになれば精緻化できる。

  ――欧米との死者数の違いに大きな関心が寄せられています。
 日本の死者数が欧米の100分の1であることについて、以下のような3つの要因の差という仮説で試算を試みた。
 まず、第1に暴露率。
 日本の場合、重症化しやすい「高齢者の暴露率」が低かったのが効いたのではないか。
 例えば特別養護老人ホームではインフルエンザやノロウイルスの流行する季節は家族の面会も禁じている。
 これらウイルスに対する対策も取られている。
 高齢者の外出自粛など自発的な隔離も積極的に行われた。
 他方、海外では介護施設や老人ホームのクラスター化による死者数が多い。
 「高齢者の暴露率」は日本が10%、欧米が40%と設定してみた。

  自然免疫力のわずかな差が大きな違いを生む

 第2に、自然免疫力。自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高く、その結果「軽症以上の発症比率」が低くなるが、抗体陽性率も低くなる。
 自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。
 「(暴露した人の)軽症以上の発症比率」については、自然免疫力が標準分布と仮定し、シミュレーションの結果を当てはめると、自然免疫で処理できる率が日本人は98%で、対応できないのは2%ということになる。
 日本では、新型コロナにかかった人が次の人にうつしても、その大半が自然免疫で処理され、次の人への感染につながらない。
 すなわち新型コロナ感染のチェーンが切れやすい。
 よほど多くの人に暴露を行わないと、そこで感染が途切れる可能性が高い。
 一方、抗体陽性率から考えると欧米では自然免疫で対応できずしっかり発症する人が、日本よりもはるかに多いと考えられるので、「軽症以上の発症比率」を日本の5倍の10%と想定した。
 日本と欧米の自然免疫力の差をそれぞれ2%と20%と想定すると、両者の差はわずかに見えるかもしれないが、このわずかな差が欧米と日本の新型コロナ被害の大きな差を生んだ可能性が高い。
 欧米では感染後、しっかり発症して他の人にうつす、再生産確率が高いため、日本と比べて感染スピードが速く、かつ感染拡大のチェーンが途切れないということになる。
 第3は、「発症者死亡率」。
 日本は欧米に比べて低いと考えられる。
 その理由としては、欧米人に比べて血栓ができにくいことがある。
 サイトカイン・ストームが起きても、日本のほうが重症化する可能性が低いと考えられる。
 「発症者死亡率」は、日本では0~69歳で0.01%、70歳以上では40倍の0.4%だが、欧州は0~69歳で0.05%、70歳以上が2%とした。
 他の条件は変わらないという前提で、このような数字を設定すると、10万人当たり日本の死亡者は0.9人、ベルギーの死亡者は82人となり、現在の実態とほぼ一致する。「暴露率、軽症以上の発症比率、発症者死亡率の数字の設定はもちろん仮説的なものであり信頼性は低い。だが、全部の数字を掛けたり足したりして求められる日本の死亡率が、欧米の死亡率の100分の1になる必要があるので、3要因のいずれか、またはすべてにおいて、日本が欧米に大きく勝っていることは間違いない。

  死者は最大で3800人、検査ではなく重症化対策を
  ――緊急事態宣言の解除後は「感染者数」、正確には検査でPCR陽性とわかった人の数ですが、増えています。しかし、自然免疫で98%も治るとすれば、とるべき対策は違ってきます。
 PCR検査でどこから見ても元気な人を捕捉することには大きな問題があると考えている。
 PCR検査はコロナウイルスの遺伝子を探すものなので、体内に入って自然免疫で叩かれてしまい他の人にうつす危険性のないウイルスの死骸でも、陽性になってしまう。
 発症可能性がゼロに近い抗体陽性者でも、再度新型コロナウイルスが体内に入った時点で検査を行えば陽性になる。
 また、新型コロナウイルスにとって東京は人口密度が高く、そうした中でもいわゆる3密を形成するような、ウイルスが生き延びるための条件が揃う場所がある。
 だが、地方ではそうした場所ができにくい。
 98%自然免疫で処理されるので、人が密集していないと、次の人にうつしていくチェーンがすぐ途切れてしまうからだ。

  ――7月15日、東京都は警戒レベルを最高に引き上げました。しかし、怖くなってまた活動制限を行うことは適切ではないということですね。

 日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。
 われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ。
 一方、人口10万人に対して16人、全国で2万人強が自殺で亡くなっている。
 過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人になった。
 そうであれば、10万人対比で見て、新型コロナによって2人亡くなるのを防ぐために、景気悪化で8人の死者を増やすのかということになる。
 対策のメリットとデメリットのバランスを考えないといけないのではないか。
 また、ステイホームによって肥満の人が増えると、ACE2受容体が増加し、新型コロナの感染リスクも血栓形成のリスクも高まる。
 社会活動の停止で暴露率は下がっても、感染率や重症化率が上がる。
 そうしたバランスも考える必要があるだろう。

  ――年齢やリスクに応じた対策を打つべきだということになります。

 30歳未満では重症化リスクは限りなくゼロに近いのに、対面授業を行わないとかスポーツをさせないというのは誤った政策だと思う。
 対面での教育が行われず、オンライン教育のみにすることの弊害のほうがずっと大きい。
 平常に戻すべきだ。
 そして、そこで学生からPCR陽性者が出てもマスコミが騒がないことが重要だ。
 明らかな症状が複数の学生に現われる集団発生が起きてはじめて、報道を行い学級閉鎖を行えばいいのではないだろうか。
 30~59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。
 罹患した場合は症状に応じて自宅待機などを行い、集団発生すれば職場の閉鎖をすればよい。
 70歳以上の高齢者は流行している間は隔離的な生活を維持せざるをえないだろう。
 何度も言うが、感染リスクはある。
 しかし、2%未満の重症化リスクを減らせばいい。

  感染パターンを注視しつつ、社会活動は続けるべき

  ――すでに東京都の7月15日の会議では、PCR陽性で無症状や軽症の人を入院させているため病床が逼迫しつつあると報告されています。

 肺炎や呼吸困難といった兆候が認められなければ宿泊所、無症状・軽症なら自宅待機といった変更が必要だ。
 老齢者の施設等の対策に重点を置くべきだ。

  ――先ほどウイルスの性格が変わらなければという条件付きでお話しされました。そこはいかがでしょうか。

 第2波が来たと判断したら、最初にやるべきはPCR検査の拡大ではなく、ウイルスの遺伝子解析だ。
 従来と同じ型のものなのか、違うものが来たのかを判別することが重要だろう。
 感染者を捕まえて隔離することより、感染パターンを把握することが重要だ。
 感染力が上がったのか、毒性が強まって死亡率が上昇するのか。
 それに応じて対策も変わる。
 感染7段階モデルのようなものを作っておくと、そうした議論をすることが可能になる。

                                転載終わり。


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Grasp at the shadow, and lose the substance.

2020年07月19日 00時48分11秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの池田 信夫氏の『なぜ人々は新型コロナをインフルエンザ以上に恐れるのか』と題した記事の転載であります。



なぜ人々は新型コロナをインフルエンザ以上に恐れるのか
2020年04月13日 17:56
池田 信夫




 私は新型コロナの感染が日本で始まった1月下旬から、一貫して「コロナはインフルエンザ未満の風邪だ」といってきた。
 一時はたくさん罵詈雑言が飛んできたが、このところおとなしくなった。
 現実がわかってきたからだろう。

 4月12日現在の日本のコロナの患者数は4257名、死者は98名だが、今シーズンのインフル患者数は約700万人、死者は1000人を超えると推定されている。
 患者数はコロナの1600倍、死者は10倍である。
 次の図のようにインフル関連死を含む「超過死亡数」でみると、1998年には3万7000人が、昨シーズンは3000人がインフルで死んでいる。





 「ワクチンも特効薬もないから恐い」というのは錯覚である。
 ワクチンの受診率は25%ぐらいで、治療薬の効果は感染から2週間以内。
 インフルはワクチンがあってもコロナの10倍死ぬのだ。

   アメリカでもインフルでコロナの3倍死んでいる
 では人々は、なぜこれほどコロナを恐れ、政治家は緊急事態宣言を出すのだろうか。
 その簡単な説明はマスコミが騒ぐからだが、今回は世界各地で流行し、WHOが「パンデミック」と宣言した影響が大きい。
 最悪の流行が続いているアメリカでは、これまで56万人が感染して2万2000人が死んだ。
 これをインフルエンザと比べてみよう。

 この表はCDCが今シーズンのアメリカのインフル被害をまとめたものだが、患者は3900~5600万人、そのうち死者は2万4000~6万2000人。
 最大値をとるとインフル患者はコロナの100倍、死者は3倍である。
 ただCDCはコロナの死者を20万人と推定しているので、死者はインフルを超えるかもしれない。
 ヨーロッパでも状況は同様で、国によって差があるが、最悪のイタリアでも、図のように今シーズンはコロナが増えた分だけインフルが減り、65歳以上の死亡率は下がった。
 これも今後増えるだろうが、空前の大災害というわけではない。




 では「東京は2週間前のNYと同じで、これから感染爆発が起こる」という話は本当だろうか。
 次の図のように日本の新規死者数の増加率は、ほぼ一次関数だ。
 これに「これから東京でオーバーシュートが起こって新規感染者が30日で30倍になる」という西浦博氏のモデルを(死者数に換算して)接ぎ木すると、こんな感じだ。



               世界の新規死者数(Economist)を加工

 欧米で死者数がピークアウトし始めているとき、日本だけ突然カーブが上方屈折して、指数関数(図は対数グラフなので直線)で増えることはありえない。
 経済学でこんな景気予測をやったら、頭がおかしいと思われるレベルである。

    恐れるべきものは恐怖だけ
 要するにコロナは、大型のインフルが一冬に二度来たようなもので、それほど驚くべき現象ではない。
 特に日本では、インフルより大きな被害をもたらすことは考えられない。
 その原因が東アジアの風土によるものか、BCG接種による自然免疫かについては研究が必要だ。

 私は「コロナはインフルと同じだから何もしなくていい」といっているのではない。
 逆である。
 感染症は人類の脅威であり、インフルは先進国でも毎年大きな犠牲をもたらしているのに、コロナだけに大騒ぎするのがおかしいのだ。
 インフルにはワクチンも治療薬もあるのに、予防接種には健康保険もきかない。
 インフル予防接種を無料にするコストは、今回のコロナ対策にかける莫大なコストの1万分の1にもならない。
 こういうパンデミックは今後も増えるだろう。
 それはグローバル化の副産物であり、接触を避ける必要はない。
 感染症対策を整えればいいのだ。

 ルーズベルトがいったように、戦いにおいて恐れるべきなのは、恐怖そのものだけである。
 単なる風邪にマスコミが恐怖をあおり、国民がそれに過剰反応して経済が崩壊する被害は、感染のコストよりはるかに大きい。

                               転載終わり。


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我々が恐れなければならない唯一のものは、恐怖そのものである。

2020年07月19日 00時46分31秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの永江 一石氏の『欧米のコロナは完全に終息モード。もちろん日本もね。』と題した記事の転載であります。





『欧米のコロナは完全に終息モード。もちろん日本もね。』
2020年07月06日 06:00
永江 一石



 わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では7月度の塾生を募集しています。
 コロナ禍の間、希望者は毎月30分。
 わたしと1:1でzoomでブレストができます。
 ひとりずつ丁寧にやってますよ。
 ※大きな仕事がふたつ終わりますので手が空きました。事業・集客コンサルやサイト構築のご依頼も絶賛受け付けております。

 日本では東京で1日100人の感染者が発見されていますが、実に奇妙な現象が起きています。
 東京の重症者の推移はこれ


 重症者が激減してたったの9人!!!
 ピーク時には100人をかなり超えていたのにいまやたったの9人です。

 若者中心に感染が広がっているのが東京ですが、実は全国でも



 重症者はピーク時の1/10で減少中。
 コロナ脳の皆さんの中には以前あれほど「コロナが恐ろしいのは罹患してすぐに重症化することだ」と叫んでいたのにいまや「時差があるから数週間後に重症化する」とか騒いでいます。
 が、すでに東京の感染者が増加してから20日も経つのに東京の重症者は激減しているのです。




 いくらなんでもおかしいでしょ?

 1 ウイルスが突然変異して弱毒化した?
 2 すでに重症化する要素のある人たちは罹患済みで、残っている自然抗体のある人たちがウイルスを大量に浴びた時にしか感染していないから?
 ※免疫学の権威、阪大の宮坂先生がFacebookで公開されていた抗体の定義です。要するに全体の6割が感染して免疫を持たないとダメというのは古い考え方。



 3 治療法がある程度確立されてきたから?
 4 単に検査件数を増やしたから?
 などなど、いろいろな見方ができるわけです。
 ちなみにわたしは2ではないかと思ってます。

 同じような国がたくさんあります。
 まずはスウェーデン



 感染者数はいまだ増え続けているのに



 死者数は激減しています。
 ICUも空いている模様です。参考サイト
 ちなみに6月のスウェーデンの抗体保有率は政府発表では、首都ストックホルムの抗体保有率は7.3%。
 希望者を対象にした民間の検査でも14%しかない。

 実はアメリカも、ニュースは感染者がどんどん増えているしか報じないのですが




 死者は激減中です。
 6月のニューヨークの抗体保有率は12.3%。



 6割の国民が罹患して抗体を持たないと感染は止まらないという西浦先生をはじめとする古い考え方は完全に否定されたということになり、宮坂先生のおっしゃる「自然免疫とT細胞による免疫とB細胞による免疫の総合で集団免疫が生成される」ということでないと話が合いません。

 7/3のBBCニュースでもこれが報じられていました。
 そうでもなければ免疫保有率が10%もいっていないのに死者数が激減するわけがない。

 日本や東アジアではこの免疫の総合が欧米に比べて大きいということであれば話はすんなり通ります。
 ただし、インドやインドネシア、ブラジルのように人口が多く国土が非常に広くて未開の地があるようなところではまだまだ感染者数と死者数が増え続けています。

  コロナが猛威を振るった国はどうなっているか
 全然マスコミは報じないのですが見たら驚きます。
 まずはイタリア



 感染者数激減。
 そして



 死者も激減。

 ちなみにイタリアの抗体保有率はもっとも蔓延したベルガモでは62%ですが、他では30%程度。

 スペインも同様に



 感染者激減



 死者も激減してます。
 抗体は5/14に5%でした。

 イギリスも同様で



 感染者数激減。

 死者も



 激減。

 5月の調査で抗体はロンドンで17%。ほかの地域で5%。

 要するになにがいいたいかというと、世界中で「6割の人が抗体を持たないと感染は止まらないというのは間違いだった」という事が証明されているということ。
 この古い考え方ではなく、新しい集団免疫の考え方であれば、欧米でもコロナの流行は完全に終息に向かっていると考えて良く、日本も当然ながら揺り返しや大声を上げてのホストクラブでの大量のウイルスの曝露で感染は多少増えても、院内感染や持病持ちの高齢者でも無い限り、今後は重症者からの死者の増加もほぼないと考える。

 科学的思考とは事例から法則性を見いだすことである。
 現在の法則性は
 東アジアよりずっと被害が大きかった欧米でも終息
 感染者数が増えても死者数は激減
 の基調が多く見受けられ、日本もこの法則性にのっとるものと考える方が自然だからだ。

 ちなみに日本の死者も



 このように絶賛減少しております。

 いくら感染者が増えたって重症者や死者が増えなければたいしたことない病気なのです。
                               転載終わり。



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