舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

新しい時代の家族ドラマ『鈴木家の嘘』観て来ました!

2019-01-21 22:41:53 | Weblog
1/21(月)、イオンシネマ新潟西で「鈴木家の嘘」からのイオンシネマ新潟南で「アストラル・アブノーマル鈴木さん」という鈴木映画祭をキメてきたんですけど、どちらもまだ1月だけど今年のベスト級にめちゃくちゃ最高に面白かったです!
という訳で感想を書いていこうと思います!





まずは、イオンシネマ新潟西で観て来た『鈴木家の嘘』。





予告編はこんな感じです。



タイトルの通り「鈴木家」の人々を描いた家族ドラマなんですが、開始早々、唐突に鈴木家の長男が自殺するという衝撃の冒頭から一気に心をつかまれ、最後までグイグイ引き込まれました。
基本的には物凄く静かな映画なんですが、とにかく脚本や演出、役者さんの演技などの一つ一つが丁寧に作り込まれているので、2時間以上の上映時間まったく飽きることはありませんでした。

特に、家族の中でもそれ以外の人間関係でも日常的に起こるような、小さな嘘やすれ違いのリアルな描写は本当に丁寧に作り込まれていたなあと思いました。
そして、そんな丁寧な描写の積み重ねが一本の映画を傑作にしているように、この映画の脚本も、家族の中の小さな嘘やすれ違いが積み重なった結果、長男の死後ショックで記憶喪失になった母を永遠に家族ぐるみで嘘をつき続ける(しかもその嘘がどんどんエスカレートしていく)という、冷静に考えたら有り得ないような物語に説得力が生まれていました。

また、家族の死という重いテーマを描きながらも、同時に日常の中にあるちょっとしたおかしみを丁寧に描いていて、くすっと笑える場面も多い映画でした。
そんな物語の結末まではネタバレになるので書きませんが、大切な人の死と残された人間はどう向き合っていくのかという普遍的なテーマを描きつつも美談にはせず、かと言って絶望にも着地せずに、家族の心境の変化の先にある未来を描いた新しい時代の家族映画の傑作だと思いました。

役者さんも素晴らしく、岸部一徳さん、原日出子さん、大森南朋さんといったベテラン俳優さんたちはもちろん、昨年「菊とギロチン」の主演で大活躍した新潟県新発田市出身の木竜麻生さんが本作でも主役級の活躍をしているのですが、こんなにいい女優さんだったのか!と思わされました。
という訳で、脚本も演出も役者さんの演技も丁寧に作り込まれている上に、映画が描いているテーマが普遍的なものであると同時にこれからの時代を見据えた挑戦的なものでもあるというあたり、かなり完璧に近い映画なのでは?と言うのは大袈裟かも知れませんが、とにかくそのくらい素晴らしい映画でした!
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