舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』を観て来ました。

2017-02-21 19:47:26 | Weblog


2/17(金)に、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』という映画を観て来ました。
新潟では、T-JOY新潟での一週間限定での上映だったようです。



この映画はリチャード・リンクレイター監督の最新作で、僕がこの監督の映画を観るのは前作『6才のボクが、大人になるまで。』に続いて2回目でした。
『6才のボクが、大人になるまで。』は2014年に発表された青春映画で、一人の少年の12年間の物語を、なんと実際に12年の歳月をかけて撮影してしまった!という前代未聞の話題作でした。

僕は2015に観て、あまりの今まで味わったことのない感動に、その年の映画ランキングの8位に勝手にランクインさせたのですが、その感想はここに書いてあります。
2015年に見た映画のベストテン発表します!



そんなリチャード・リンクレイター監督ですが、前作が12年の物語だったのに対し、最新作『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』はなんと同じ青春映画でも主人公の大学入学前の3日間の物語だそうで。
前作がとても好きだっただけに、今回は一体どんな映画になるんだ!?と、すごく楽しみにしながら観に行きました。





ひとまず予告編はこんな感じです。



で、映画を観た感想ですが、一言で言うと、「遊び倒す」っていう言葉がここまで似合う映画を観たのは初めてでした!
映画の内容は、野球の推薦で大学に入学した主人公が、野球部の寮に入寮してから新学期までの3日間の物語なんですが、その3日間を主人公とその仲間達がとにかく遊び倒す遊び倒す!

ネタバレも何もない映画だと思うのでストーリーを書きますけど、野球部に入寮した主人公と新しく出来た仲間達が、3日間でドライブして女の子をナンパしてバーで飲んでディスコで飲んで踊ってはしゃいで女の子ナンパして朝までパーティしてはしゃいでセックスして、飲んではしゃいで騒いで喧嘩してカントリーバーで飲んで歌って踊って、飲んではしゃいで騒いでマリファナ吸ってパンクロックのバンドではしゃいで寮に女の子連れ込んで朝まで飲んで騒いではしゃいでふざけてフィーバーして、野球して川に飛び込んで仮装パーティーに行って恋をしてデートをして・・・っていう、本当にただそれだけ!
本当に約2時間の上映時間の最初から最後まで、超ハイテンションでご機嫌で遊び倒すだけの映画です!

そんなストーリーもあってないようなただただ遊んでる大学生を見てるだけの映画が面白いのかって感じするかも知れませんが、これがめちゃくちゃ面白い!
それが「遊び倒す」っていうバカなことでも、究極的なところまでやりきったものを見せ付けられると、やっぱり「すげえ!」って言うしかないんだなあと思います。

そして、そんな究極的にご機嫌でバカな人間達映画にもかかわらず、何故か映画をずっと観ていると妙な郷愁というか切なさを感じる部分もあったりしたことも印象的でした。
具体的に僕が思ったのは、この映画の主人公達はみんな仲良く一緒に遊んでいるのですが、この先、何人とその関係は続くんだろうかなあということです。

もちろんずっと仲いいままの友人もいて、もしかしたら卒業しても仲いい友人なんかもいるかもしれないんだけど、中には学校が始まったら全然会わなくなる友達とか、喧嘩してものすごく仲が悪くなってしまう友人もいるのかも知れないなあ。
それから、あの新しく出来た恋人ともその関係は一体いつまで続くのかなあ・・・などと、「この映画よりも先」の未来を勝手に想像して、なんとなく妙な切なさにかられたりしたのです。

この映画が特徴的だと思ったのは、登場人物たちの妙なキャラの濃さというか、中にはちょっと嫌な奴とか仲良くなれなさそうな奴も混じっていたりするんですけど、そういう奴らも何だかんだ一緒に過ごしている感じがするんですよね。
思うにそれって、この映画が「入学前の3日間」だけを描いたから、表現できたもので、もし仮にこれがもっと長期間を描いていたら次第に人間関係が変わっていったり淘汰されたりしていくと思うんです。

でも、この映画は入学前の短期間だけを描いているからこそ、これからどう変化していくか分からない、というか、変化する前の、人間関係が構築される前の人間関係、みたいなものがなんとなく成立している感じ、みたいなものを描けていると思うんです。
だから、映画の中では人間関係の大きな変化、言い換えればいわゆる「ストーリー」と呼べるものはあってないようなものなんですが、観ている自分が「この映画の先のストーリー」を思わず勝手に想像してしまうことで、色んな感情が刺激される、そんな映画だったと思います。

そしてもう一つ思ったのは、やっぱり彼らがめちゃくちゃバカに遊び倒してることが、笑えると同時に、何よりこの映画の妙な郷愁を誘う大きな要因なのだと思います。
つまり、彼らが物凄くバカな、つまりは刹那的な青春を送っているからこそ、きっとこの楽しさって絶対永遠じゃない、いつかは終わりが来るんだよなあ、という切なさが生まれているのかも知れないなあ、なんて思いました。

リチャード・リンクレイター監督の前作「6才のボクが、大人になるまで。」は、12年という歳月を描いたからこその感動、っていうものがちゃんとある映画でしたが、今回は、「三日間だけのバカ騒ぎ」だからこそ生み出せる感慨深さ、っていうものがしっかり伝わってくる映画だったなあって思います。
そして、前作と同様に、この映画を観たあとは、やっぱり自分の人生について思いをはせてしまうと思いました。

そもそも、先程書いたように、僕がこの映画の大学生のバカ騒ぎに妙な郷愁を覚えるのも、間違いなく自分がかつて大学生だった過去があるからだと思うんです。
とは言っても、あそこまでのハメのはずし方ではありませんでしたが・・・あんなパーティーみたいなセックスとかしたことないですし・・・(笑)

でもやっぱり、大学生のあの時期だけに存在したとんでもない楽しさとか、同時にそれが終わった時のちょっとした切なさとかを、体験しているんですよね。
そしてやっぱり、入学前の人間関係って意外と入学したらすぐ変わるよってこととか、どんなに仲良くても年が経つ毎に付き合わなくなっていく友人っているものだよ、なんてことを、知ってしまっているからこそ、感じてしまった切なさかも知れませんね。

もちろん、この映画を観る人には、老若男女、様々な異なる境遇、異なる人生がありますから、観る人によって色んな感じ方が出来る映画だと思います。
観る人によって、こんな大学生活いいなあって憧れるもよし、こんなことあったなあって懐かしむもよし、コイツら若いなあってニヤニヤするもよし、真面目にやれって怒るもよし、自由に色んな楽しみ方が出来る映画だったなあと思いました。
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