舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

シネ・ウインドで「うさぎ追いし ‐山極勝三郎物語‐」を観て来ました!

2017-04-06 21:50:48 | Weblog
4/6(木)、シネ・ウインドで「うさぎ追いし ‐山極勝三郎物語‐」、「函館珈琲」といういい感じの日本映画を二本連続で観て来たので、感想を書いていきます。





一本目はこちら、近藤明男監督「うさぎ追いし ‐山極勝三郎物語‐」です!
最初に公開されたのは2016年らしいですが、新潟ではシネ・ウインドで4/1~4/7に公開されていました。



ひとまず予告編はこんな感じです。





どんな映画なのか内容を軽く書いておきますが、これは明治時代に世界で初めて人工的な癌の発生実験に成功し、癌の研究を大きく飛躍させた実在する人物、山極勝三郎の生涯を描いた映画です。
タイトルの「うさぎ追いし」には、長野県上田市から東京に出てきて癌の研究をしている山極勝三郎の故郷を思う気持ちを「ふるさと」の歌詞で表現したことと、山極勝三郎がうさぎの耳に人工的に癌細胞を作り出そうと研究に明け暮れていたこと、二つの意味が込められているなあと思います。

まず、僕がこの映画を見られて良かったと一番思ったところは、山極勝三郎という人物について知ることが出来たことです。
山極勝三郎の人口癌の発見は、癌の研究を飛躍的に発展させ、それが現在の癌の治療に貢献しているという、現在を生きる私達と地続きの、まったく他人事ではない出来事だということが、この映画を見るとよく分かります。

しかし、正直、僕は山極勝三郎という人物や、彼が人口癌を発見した業績なども、それまでまったく知ることが出来なかったし、そういう人は日本に多いと思います。
だから、こういう映画が作られることで、それまで知る人の少なかった偉人の業績が知られることは意味があることだと思います。

さらに、この映画は劇映画という形をとっているので、山極勝三郎の研究がいかに苦労の連続だったのか、そして、人口癌の成功がいかに感動的なものだったのか、ということを、登場人物に感情移入しながら追体験できるというところも良かったです。
その人物の立場で考えるということは、歴史を考える上でも大切なことなのではないかと思います。

そんな実際に起こった出来事を描いているというだけあって、山極勝三郎の努力や彼を支える周りの人達との人間ドラマにも、素直に感動できるいい映画だったなあと思います。
正直、邦画でよくありがちな感動的な人間ドラマなので、新鮮味は少ないかも知れないし、地味な映画ではありますが、山極勝三郎という人物の素晴らしさはちゃんと伝わる映画だったと思います。

と言うか、俳優さんは主演の遠藤憲一さんをはじめ、水野真紀さん、高橋惠子さん、北大路欣也さんなど、有名な実力派俳優などを起用していますが、おそらく全体的に見たらそこまで予算のかかっている映画でもないと思うんですよね、公開規模も決して大きくはありませんし。
そして、エンドロールを見た限りだと、山極勝三郎さんの出身地である長野県上田市がこの映画の制作に大きく関わっている映画だと思われます。

おそらく、長野県上田市が、地元出身の偉人である山極勝三郎の業績を広めようと制作した映画という背景があると思うのですが、そうやって地方都市が映画によって世の中に何かを表現する活動のことを、僕は応援したいという気持ちがあります。
何というか、地域に暮らす人々が力を合わせて映画という大きな作品を生み出しているようで、地方都市からこういう映画が作られるということそのものが感動的なんじゃないかなあと思います。

唯一のツッコミどころは、山極勝三郎の学生時代を現在50代の遠藤憲一さんが演じているのを見て、さすがに無理はあるんじゃ…と思ったりはしましたが…笑
まあ、それはさておき、この映画が作られたことを喜ぼう!と言う訳で、「うさぎ追いし ‐山極勝三郎物語‐」見られて良かったなあと素直に思える映画でした。
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