舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「ラジオ下神白」観てきました。

2024-01-20 22:54:58 | Weblog


1/20(土)、ほんぽーとで開催された小森はるか監督の「ラジオ下神白」上映会を観に行ってきました。
映画の舞台、福島県いわき市にある下神白団地は、2011年の東日本大震災による原発事故で被災した富岡町、大熊町、双葉町、浪江町の方々のために建てられた団地。

文化活動家のアサダワタルさんを中心とした若者達はそこを訪れ、住人の方々を取材して一人一人の語る思い出話を録音、そして思い出の音楽とともにラジオ番組のような「ラジオ下神白」というCDを作る活動をしている。
当時陸前高田市で暮らしながら現地の方々を取材して映像作品を作っていた小森はるかさんは、この活動を映像作品として記録することを頼まれ、彼らに関わる中でこの映画が作られたとのこと。

「ラジオ下神白」に携わる若者達は住人の方々の話を聞き、思い出の曲をかけ、語り合う。
そして曲にまつわる記憶から人々の心は繋がり、団地をあげてのカラオケ大会や歌声喫茶、最終的にはアサダワタルさん達のバンドのライブなどに繋がっていきます。

思うに、世の中にはこういうカラオケ大会や歌声喫茶やライブみたいなイベントを、いきなり最初からやろうとする人達もいるのですが、そういうのって上手くいかないか、仮に上手くいったとしても長続きしないと思うのですよ。
でも「ラジオ下神白」のいいところは、あくまでも一人一人と時間をかけて丁寧に向き合って話を聞くことを本当に大切にしてきたこと。

小森はるかさん曰く、ああいうイベントが実現できるとは最初は誰も想像すらしていなかったとのことで、あくまで「ラジオ下神白」の地道な活動の上で、結果的に実現できたことだと思うのです。
また、隣には別の被災地の方々の団地もあり、保証金の金額の違いなどから小さな分断が生まれたこともあったそうなのですが、最終的に「ラジオ下神白」のイベントで団地を超えて交流が生まれたこともあるそうで、まさに時間をかけて努力の果てに実現した奇跡だなと思いました。

下神白団地は住環境はちゃんと保障されているとはいえ、長年暮らした故郷を離れた生活には孤独もあるのかもしれません。
だからこそ、そこに暮らjす人達と時間をかけて繋がりを作り、話に耳を傾け、言葉を記録に残す、意義深い活動だと思いました。

そしてやっぱり、思い出に残る名曲たちは、どんな状況であっても人の心を支える楽しみや癒しになるんだなと実感しました。
人と人の繋がりや文化を愛することの大切さを感じる映画でした。
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