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1/3(月)、シネ・ウインドで「欲しがり奈々ちゃん 〜ひとくち、ちょうだい〜」、「扉を閉めた女教師」を観てきました。
2022年最初の映画が、城定秀夫監督のピンク映画2部作で、新年早々縁起がいいです。
「欲しがり奈々ちゃん」は、若い頃から人のものばかり欲しがり大人になっても不倫ばかりしている女の子がバイト先の店長に手を出すが、そこから意外な人間関係が複雑に絡み合っていくという物語で、最後まで予測できない展開に引き込まれました。
男からも女からも嫌われそうな天然サークルクラッシャーでトラブルメイカーな主人公を、ちゃんと心を持った一人の人間として描く作風や、そんな彼女が思いがけない状況に巻き込まれる中で意外な優しさを発揮し、それが意外な形で人を救っていく物語に優しさを感じました。
人間の欲望をポップにコミカルに描くから笑ってしまうのですが、それが人間の深い本質をちょっと風刺を込めて描いてもいるし、最後はすごくストレートに爽やかに感動できるといういい映画でした。
脚本が「ひらいて」の首藤凜監督で、一見面倒臭くて嫌われがちな女の子を魅力的に描くのが上手いなと思いました。
「扉を閉めた女教師」は、体育倉庫で女教師と男性教師との不倫セックスを目撃してしまったいじめられっ子の男子高校生が、夏休みにその女教師と二人で体育倉庫に閉じ込められてしまう物語。
極限状況での2人のサバイバルの自然な展開と、そこで起こる心境と関係の繊細な変化から最後まで目が離せず、その果てで超える一線のカタルシスからの、ラストのオチまで、まったく無駄のない脚本でした。
極限状況でわがままな欲望を露わにしていく女教師が、やがて教師という立場上ずっと隠していたエロが爆発し、先生に対する性欲を抱えながらも冷静に強かに付き合っていた男子高校生の先生とずっとセックスしたくてたまらなかった夢が叶うという、教師と生徒という関係を超えて2人の欲望が爆発する濡れ場のカタルシスが最高!
でも、ただの妄想の具現化なだけのご都合主義ではなく、真夏に体育倉庫に閉じ込められたからこその不自由さや、暑苦しいジメっとした不快感もしっかり描き、さらにいじめや不倫など、人間の醜さも含めた本質をえぐるような物語になっていて、完成度が高い映画だと思いました。
コミカルでポップな「奈々ちゃん」とジメっとした「女教師」、どちらもエロを通した深い人間描写の見応えがあり、最後まで感動的でした。