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7/14(水)、ユナイテッド・シネマ新潟で「Arc アーク」を観てきました。
予告編はこちら。
亡くなった方の遺体を保存する技術「ボディワークス」の会社で働き始めた主人公。
やがてその会社が不老不死の研究を進め、その事業に移行していく中で、主人公は人類初の不老不死となるが…という不老不死が実現したらどんな社会になるか?という未来を描いたSF。
おそらく超高額なボディワークスを利用しようとする一人一人の気持ちのリアリティのある描写、不老不死の技術を利用できる人とできない人が生じてしまうという経済格差、新しい技術への疑惑と反対運動、後に発覚する不備や責任問題など、SF設定だけど、現在でも色んな場面で見られる光景を描いていると思いました。
全体的に、SFではあるけれど「もし本当にこういう技術があったら、本当にありそう」と思わされるものがある物語で、面白かったからケン・リュウさんの原作小説「円弧(アーク)」も読んでみたいですね。
主人公の年齢によって物語が進行するんだけど、あらゆる年齢を演じ分ける芳根京子さんの演技力がまずすごい。
彼女が不老不死になった状態を言葉ではなく、映画だからこその映像表現(あえてネタバレは書かないので実際に映画を観てみてください)で見せているあたりも良かったです。
実は彼女に生き別れの息子がいたという伏線が、後半でSFだからこそ起こりうる物語で回収される展開は「さよならの朝に約束の花をかざろう」を思い出したりもしました。
そして、その経験を経て最後に主人公が取る決断も納得できるものだったし、それまでの映像表現があったからこそ感動的に伝わるラストになっていて、いい映画だと思いました。
また、前半でボディワークスを利用する理由を一人一人丁寧に語る人達や、後半の不老不死にはならずに年をとった人達が、多分エキストラなんだけど、本当に「そういう人」にしか見えないという現実感があって良かったです。
個人的に是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」があえてエキストラの人達を起用した話を思い出したりもしましたね。(あの映画も「死」がテーマなので、オマージュかもね)