砂川は母と話しながら雪の落ちた道をマンションまで歩いた。その日の昼間、猛男は公園で餅ワッフルなる食べ物を大和に貰いつつ、催促されたので帰ってから丸々と太ってなぜか相撲の化粧まわしを着けた赤ん坊の猛男の画像を送ると、大和は大喜びだった。
翌朝、母がついてゆくという猛男達を断って一人でウォーキングに出掛けると、父は猛男に同期入社の母との馴れ初めを語り出した。「その年の忘年会でね」母は同僚が溢した土瓶蒸しを庇って手を火傷したが、「平気平気、そっち、なんともなかったかい? 洗ってくるわ、大丈夫」母は一人、洗面所で手を冷やしに行った。追った父が「氷、貰って来ましょうか?」と声を掛けると「平気、ああいう可愛い子見ると守ってやらなきゃって」などと話す母が傍に置いていたポーチは猫の飾りで、添えたハンカチはハート柄だった。「その時、父さん生まれて初めてね、この人と一緒に! 人生の荒波を乗り越えてゆきたいと思ったんだよ!!」と力説する父だった。
当の母はウォーキング中、階段で知り合いの若い妊婦と会い、「お互いもうすぐだねぇ」と話して通り過ぎようとしたが、若い妊婦は貧血で一瞬立ち眩みを起こし、階段を踏み外してしまった!「うっ!!」母は身重の体で若い妊婦の体を受けた! 腹に鋭い痛みを感じる!!「大丈夫ですか?」「大丈夫大丈夫! あんた平気かい?」「はい」母は腹を気にしつつも、若い妊婦を気遣っていた。午後、猛男が帰宅すると母がソファの所でうずくまっていた!「た、タケ、タクシー、呼んで」猛男は動転し、マンションから飛び出し、辺りを見回す!(タクシー! タクシー無ぇ)タクシーは見当たらなかった。「猛男、なんかあった?」猛男がドアを結構な勢いで開ける音を聞き付け砂川もマンションから出てきた。「母ちゃんが」猛男は意外な程弱々しく訳を話した。
3に続く
翌朝、母がついてゆくという猛男達を断って一人でウォーキングに出掛けると、父は猛男に同期入社の母との馴れ初めを語り出した。「その年の忘年会でね」母は同僚が溢した土瓶蒸しを庇って手を火傷したが、「平気平気、そっち、なんともなかったかい? 洗ってくるわ、大丈夫」母は一人、洗面所で手を冷やしに行った。追った父が「氷、貰って来ましょうか?」と声を掛けると「平気、ああいう可愛い子見ると守ってやらなきゃって」などと話す母が傍に置いていたポーチは猫の飾りで、添えたハンカチはハート柄だった。「その時、父さん生まれて初めてね、この人と一緒に! 人生の荒波を乗り越えてゆきたいと思ったんだよ!!」と力説する父だった。
当の母はウォーキング中、階段で知り合いの若い妊婦と会い、「お互いもうすぐだねぇ」と話して通り過ぎようとしたが、若い妊婦は貧血で一瞬立ち眩みを起こし、階段を踏み外してしまった!「うっ!!」母は身重の体で若い妊婦の体を受けた! 腹に鋭い痛みを感じる!!「大丈夫ですか?」「大丈夫大丈夫! あんた平気かい?」「はい」母は腹を気にしつつも、若い妊婦を気遣っていた。午後、猛男が帰宅すると母がソファの所でうずくまっていた!「た、タケ、タクシー、呼んで」猛男は動転し、マンションから飛び出し、辺りを見回す!(タクシー! タクシー無ぇ)タクシーは見当たらなかった。「猛男、なんかあった?」猛男がドアを結構な勢いで開ける音を聞き付け砂川もマンションから出てきた。「母ちゃんが」猛男は意外な程弱々しく訳を話した。
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