とと姉ちゃん

　花山渾身の酷評記事が印刷されつつ、やや遅くなっていたが常子訪問っ！　焼き魚は華麗にスルーしていたが、煮物はきっちり再利用していた。いつの間にか宗吉グッジョブでもあった。揚げ物を作った後の完璧清掃も宗吉から伝授されていたに違いない。仕出し屋の下働き長かったからね。あの息子も娘も、よく食べる。特にあの娘の歳で４個目までいくとは、鉄の胃を持っておるぜ。家の前まで帰ってきた星野が中の灯りの向こうで楽しげな団欒の声にほっこりするのはいい描写。台詞解説ながらお手伝いを子供達が気遣ったり、部分部分では良い場面がある。改めて亡くなった星野の奥さんの人格が讃えられていたが、娘への早期教育スキルはもはや神業の域に達していた人物になっていた。教わった息子が娘の面倒を見て教えたくらいでもよかったかもね。男っぽいが、朴訥な感じもある美子の彼氏もプロポーズをしたらしく、常子の身辺周りは忙しくなってきた。どちらとも取れるような星野の態度、どうケリがつくのやら。

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子

　今回の犯人、原作だともう少し詳細な人物像があったのかもしれないが、ドラマだとそんな長々とできないから東海林の師匠と目的が倒錯した復讐者の二人の人物を合体させたような造形になっていた。あの役者が配役されて二週続けて出てきた時点でただ事ではなく、さらに家族の自殺エピが語られたらもう推理どころじゃない。本性を出してからの畳み方がどうなるかの一点なところがあった。もう情報屋がいないから劇中の捜査自体は微妙に手間取ってたけどね。
　要と関西若手のバイク出動で一働きすると見せて普通に到着するのはちょっとシュールだったりもした。あのボスメイドも犯人信者達相手に空手無双でもさせるのかと思わせてレスキュー対応。またレスキューするあの流れから人工呼吸なり気付いた鑑識にキスなりするとみせてそうでもなかった。あの鑑識、清純派アイドル並みのキスNGコードがあるのか？　あの二人のキスシーンが見たいかと聞かれると、そうでもないが。
　比奈子の心内対話ではボスメイドによるメイドの救済を見ても殺人衝動が急激高まった比奈子。母も力を失い比奈子に近いモノに後退し、ナイフを選択していた。中島に打ち明けたことで返って負の面と向き合うべきだと言い訳が利かなくなったのかもしれない。さらに比奈子を負の面に誘惑する存在も登場。この流れで東海林は比奈子を警官としては断罪していたが、堕ちようとする一人の人間としての比奈子は見捨てないんじゃないかな？
　等と思っている内に、マネキンの女が復讐ターンにっ！　解放さた経緯は次回か。これまで登場した犯人で唯一比奈子を獲物や邪魔者ではなく『敵』として認識しているヤツで、もう推理云々の範囲ではない。これで人皮マスクでも被れば完全にヴィランだぜ。