虚飾を捨てて書いてみました。
利風(自分の利益ばかりを考えてしまう)
誉風(名誉ばかりを追い求める)
称風(褒められて増長する)
楽風(快楽ばかりを追い求める)
衰風(スランプに陥る)
毀風(悪口ばかりを気にする)
譏風(批判ばかりを気にする)
苦風(逆境に負けてしまう)
このような八つの風に侵されないのが、賢人だと言うのです。
『衰風』に吹かれて倒れそうになることは、ドラムでも書道でも随分とありました。
そんな時、実践してきた方法は、ふたつ。
叩かない、書かない。
もう一つは、
叩きまくる、書きまくる。
前者は、叩きまくり、書きまくりすぎて、余計な物がついてしまった時に効果的です。
余計な物とは、それこそ、この『八風』の中のいくつかを気にしてついてしまった物です。
表現したいものが、虚飾にまみれて見えなくなってしまっている時に効果的です。
後者の方法は、スランプな時ほど上達するチャンスと捉え、技術より精神力を鍛えることを求める時に効果的です。
精神力を鍛える事が目的ですから、どれだけ叩いても書いても、虚飾な物はつきません。
ひたすら同じ事を繰り返し、自分自身がスティックの先端や筆の穂先になるまで繰り返すのです。
今回書いた『ハ風』は、その時の心境を思い出しながら書きましたが、虚飾を捨てているので、結果前者の求めた物と同じです。
道は違えど、求めるべき結果は同じであった事を表しています。
頂上を目指すルートはいく通りもあります。
険しい崖をよじ登るショートカットコース。
草が生い茂る、獣道コース。
なだらかだけれど、時間のかかるコース。
若い頃はショートカットしようとして、崖から転落して痛い目に会い、多くの挫折を経験してきました。
諦めてしまった事だらけ、、、。
もったいなかったなぁ〰
少しでも得意な物を見つけると、さらに奥を見てやろうとして獣道に踏み込んで、帰らぬ人になってしまう事も、、、(苦笑)
訳が分からなくなって、結局投げ出してしまう事も多々ありました。
これも、もったいなかったなぁ〰
時間がかかっても、なだらかな坂をゆっくりと登ってきた事だけが身についたことがわかったのは、50歳を超えてからかな。
遅っ!(^○^)
身についた事は、時間をかけて自分と真正面から向き合ってきた、ドラムと書道。
そして、長い付き合いをしてきた人との間に生まれ育まれてきた情です。
これからも『八風』は吹いてくるでしょう。
そんな風に倒されないように生きる事の大切さを、我々大人は、子供達や若者に伝えていかなければなりません。
それが音楽スタジオであり、ライブハウスであり、書道塾の持つべき空気感だと私は考えているのです。
rinkydinkstudioが経営する全施設の精神的支柱となっているのは、経営者である私の考え方です。
故に私がしっかりしていなければ、現場は『八風』によって多くのものが乱れ、組織は崩壊していくでしょう。
月曜会議で私が各部門のリーダー達に伝えたいことは、『八風』の存在とそれに侵されない事の大切さ、そしてその術だと考えています。
これも、ゆったりした坂をゆっくり登るように、じっくりやらないと伝わりません。
急いては事を仕損じるのであります。