流れを教えて、とのお問い合わせにこたえて、制作過程を簡単にご説明いたします。
まず、紙やすりに印材を載せ、直径5センチぐらいの円をゆっくり描くように擦り、平らにします。
※紙やすりは平らなところに置きましょう
※数分で平らになりますが、指の腹で触って確認しましょう
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平らになった印材面を、漢字半紙に押し当てて、印材の大きさを半紙にいくつか写します。
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押し当ててできた枠を、鉛筆でなぞります。
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印譜辞典から、ほりたい文字を探します
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ここから印稿作り
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※これはカラーコピーした印譜辞典を見ながら、枠の中に文字を書いているところ
印譜辞典には、同じ文字のいろんなパターンが載っているので、それを参考にして、オリジナリティある文字を創造します。
※印作りの醍醐味はこの印稿作りにあると言われています
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何パターンか書いて、気に入ったものを細いサインペンでなぞります。
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半紙を裏返し、サインペンでなぞったところが裏にうつっていることを確認します。
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うつった部分をみながら、印材の平らにした部分に、サインペンで書き込みます。
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印床に印材を挟み、しっかり固定したら、印刀でほり始めます
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横から見て薬研堀りのように、Vの字に掘ります
※薬研とは薬を潰す、時代劇でたまに見る『アレ』です
※文字をほる白文も、文字のまわりをほる朱文も薬研堀りです
※私見ですが、めじに印泥が詰まったり、ほった部分が衝撃で壊れやすくなるために薬研堀にするのではないかと思います
※ゴリゴリ、ガリガリという音が立つぐらいのほりかたが良いとされています
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粉を歯ブラシでおとし、水で洗ってから、試しに押してみます
※押した物を印影と言いますが、捨てずにとっておきます
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ほりのこした部分や修正したい部分を見つけ出し、印泥を洗い流して、再度印床に挟んでほります。
※繰り返すたびに、その変遷を印影に残しておきます
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最終の印影を押して、気に入ったら完成〰
パチパチパチ〰
12ミリ平方の印材なら、早い方で全行程60分から90分ほどで仕上がります。
じっくりやりたい方は、印稿作りに時間をかけましょう。
費用は印材に袴(キャップ)と紙やすりのセットで、税込432円です。
印床、印刀はお貸出しいたします。
『なんちゃって篆刻研究会』なので、正式な篆刻の作法とは違う流れで制作しています。
しかし、色々と調べてみると、様々な方法でほっているケースが多く、特に学校の授業でほる場合は、それぞれの先生が考案した方法で制作している事も多いようです。
少ない授業時間内で仕上げるわけですから、創意工夫が必要なのでしょうね。
というわけで、本物志向ではありませんが、つまり『なんちゃって篆刻研究会』から、篆刻家を生み出すことはできそうにありませんが、篆刻の門を叩く事は出来ると思います。
篆刻は、木に文字をほる『刻字』(お教室通路ににいくつか作品を飾ってあります)に似ていますが、刻字は体力とそこそこのお金(木材代が高い)、そして大きな作品だと大きな音も出るので、お教室ではできませんし、私も制作過程を見たことはありますが、ほったことはないので残念ながら『なんちゃって』程度ですら、お教えすることはできません。
でも、木版画の要領で、ハガキ大の作品を作るなら、費用も少なく、音もでないので、なんとかできるかもしれませんね!
いずれ勉強して、いつか『なんちゃって刻字研究会』を発足することができるかもしれませんね。