東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

コナカを「偽装管理監督者」の残業代で労働審判申し立て!

2007年10月29日 09時25分48秒 | 紳士服のコナカ

(写真=申し立てについて打ち合わせする弁護士と高橋組合員)

■コナカの店長の未払い残業代問題がついに法廷へ!

全国のコナカで働くみなさん!とりわけ店長のみなさん!私たち全国一般東京東部労組コナカ支部組合員の元店長が10月26日、株式会社コナカを相手取って、店長時代の残業代支払いを求める「労働審判」を横浜地裁に申し立てました。

マスコミでも大々的に報道されてきたコナカの「偽装管理監督者」問題をめぐり、ついに法廷の場で会社と組合が争うことになりました。これはコナカで働くすべての店長にとって大きな意味を持つ事件です。ぜひ、みなさんの注目と大きな声援をお願いします。

審判を申し立てたのは、コナカ支部が結成して間もないころからの組合員でコナカ元社員の高橋亮さん(36歳)=横浜市内在住=です。コナカの草加店、衣笠店、幸町店などで店長として勤務していたとき(東戸塚総本店の研修含む)の過去2年分の残業代692万0298円と遅延損害金を請求しました。

高橋さんは店長時代、毎日、朝は一番に出勤しお店を開けて、閉店後は最後まで残って店のカギを閉めて帰宅するという繰り返しでした。毎月の残業時間は少ない月でも90時間、100時間以上であり、研修時には167時間という信じがたい長時間労働をしています。これらは過労死の国の認定基準をゆうに超える残業時間です。

■コナカは「偽装管理監督者」の不法性を認めろ!

ところが、会社は「店長は管理監督者だから」として、すべての店長に対して1円も残業代を支払っていません。法律でいう「管理監督者」とは、経営者と一体の立場の者であり、出退勤の自由や職務権限があり、ふさわしい待遇が与えられている人のことです。

コナカの店長の勤務実態とはあまりにもかけ離れています。朝8時半には来るよう命令されるなど、店長は一挙手一投足に至るまで本社からいちいち制限を受けています。パートの採用権限も本社の決裁を得なければなりません。待遇面では主任と逆転現象が起きるほどです。まさに管理監督者の拡大解釈=「偽装管理監督者」なのです。

こうした点はすでに私たちコナカ支部の申告にもとづいて、横浜西労働基準監督署が6月にコナカ本社に対して出した是正指導の文書中で指摘しているとおりです。

このブログ記事(http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/75cbfd8b92b29de4c5f78e46a0a8170e)を参照してください。そもそも社員の4割もの人が「経営者と一体の立場」であるという異常さをとくに問題視しています。

コナカ支部が呼びかけた「偽装管理監督者を許すな」という厚生労働省あての全国署名運動には、連合・全労連・全労協というナショナルセンターの枠を超えて507団体、6014筆の署名が集まりました。

こうした運動と世論に押される形で、コナカ自身が10月からは、すべての店長を「管理監督者」扱いをやめて、1日8時間労働と残業代支払いのルールを適用するという方針転換に踏み切りました。まさに会社自らが過去の法律違反を認めたのです。

当然、すべての店長に過去の残業代を支払う義務があります。ところが、会社側は団交で何の理屈もなく、ただただ「過去は適法だった」と繰り返すのみでした。将来は改善するから過去は水に流して、というわけです。

■なぜコナカは「守秘義務」に固執するのか!?

高橋さんの残業代問題をめぐっては一度、会社が「解決金」として相応額を支払うということで合意しかかったことがありましたが、最終的に交渉は決裂しました。金額について不満がなかったわけではありませんが、それ以上に私たちにとって受け入れがたい条件を会社がつけてきたからです。

それは協定書に「守秘義務」を設けるということです。つまり解決金の額はもちろんのこと、高橋さんの残業代問題が解決したか否かも含めて文書、インターネット、口頭などで第3者に開示してはならないというのです。

コナカ支部も高橋さんも自分だけのためにやっているのではありません。お金だけのためにやっているのではありません。会社の不法なやり方に我慢ができない、自分たちの権利を認めさせたい、という気持ちでやっているのです。

だからこそ、このブログ上でも高橋さんは当初から名前を明かし、自らの残業代算出の記録を公開し、残業代をいっしょに請求しようと店長に呼びかけてきたのです。お金をやるから一切口外するな、というのは「裏取引」「密約」と取られかねず、私たちの運動の趣旨に反します。

団交の場でも「守秘義務」の条件を下すよう会社に何度も働きかけましたが、会社は譲る姿勢を見せませんでした。その結果、どうしても合意することができず、私たちは法的措置に踏み切るしかありませんでした。

■「コナカ・エグゼンプション」にNOの声を上げよう!

今回の労働審判で、私たちが委任したのは棗(なつめ)一郎弁護士と小川英郎弁護士です。2人は日本マクドナルド、武富士、セブンイレブンなどで店長・支店長の残業代裁判を担当するなど、「管理監督者」問題のエキスパートです。

また、両弁護士は、経済界が法制化を要求している「ホワイトカラー・エグゼンプション」(残業代ゼロ制度)への反対を先頭で訴えてきました。この制度は、一定の条件で事務職(ホワイトカラー)を中心にしたサラリーマンの残業代支払いを適用除外(エグゼンプション)しようとするものです。

コナカの「偽装管理監督者」は、この制度の先取りです。昨年来、世論の強い反発によって法制化を阻止したように、日本中の働く人の声で「コナカ・エグゼンプション」の是正を勝ち取らなければなりません。

なお、労働審判とは昨年4月から導入された新しい制度で、通常の訴訟よりも短い期間(3回の期日)で結論が出ます。裁判官による労働審判官1人と労働関係の専門的な知識をもつ審判員2人の計3人で審判にあたります。

第1回目の期日は申し立てから40日以内に設けられます。相手方が審判に出頭しなければ罰金が科せられます。審判結果は普通の裁判の和解と同じ効力を持ちます。私たちは今回、迅速に実効性をもった解決を図るために労働審判を活用することにしました。

■棗一郎弁護士(日本労働弁護団事務局次長)の話

「コナカの店長はほかの事例と比較しても、管理監督者性が極めて薄い。権限も裁量も与えられていないし、待遇も悪い。店舗の責任者というにすぎない。すべて上司や本社の指示で動いており、経営者と一体の立場であるわけがない。コナカが10月から店長を管理監督者から外したことは、会社が不適正な扱いを自白したようなものだ。その一方で過去分の残業代を払わないというのは理屈が通らない。本来なら労働組合との団体交渉で解決を図るべきなのに、正当な理由なく会社は未払いを続けている。法的に管理監督者扱いが認められないのは明らかだし、証拠も十分にそろっている。労働審判制度によって迅速に決着をつけたい」

コメント (16)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コナカは正社員も「ワーキン... | トップ | コナカ「店長の残業代裁判」... »
最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (不安。)
2007-10-29 10:35:09
また、一般社員にシワヨセがくるんじゃないかと、心配です。

そうならない為にも、基本賃金の改善もお願いしたいです。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-10-29 14:13:33
4等級店長を経験して、余計に店長業務に対して魅力を感じなくなりました。正直そこそこ、店の運営ができて、ある程度仕事ができて、たまたまAM店舗の下にいる主任を店長にさせて、ますが、店長業務はさせての人件費削減としか思えません。やることだけは増えて…しかも予算が高いAM店舗なのに、単純に人員不足になるのわからないんでしょうか?何考えてるんでしょう?単純にAM店舗の下の主任を副店長にして、しっかり店長が店を守るコトが大切なのでは?正直AM店舗、苦戦してるトコ多いんじゃないですか?組織をユニクロとかこれからの企業形態を意識して導入したとかいってましたけど、ヒトがちゃんといて初めて改革できるんじゃ?今のコナカにちゃんとした基盤ありますか?また不満だけが大きくなるだけじゃ?経営者はじめ、GM、AMはしっかり考えるべきであって、ちゃんと店のコトを考えた改革をするべきじゃないですか?
返信する
Unknown (Unknown)
2007-10-29 18:12:09
本来なら、力を合わせて行くべき会社の人間が「本社側「」「店舗側」に分かれていがみあってしまっている時点で企業の衰退を感じます。
しかしどう考えても本社経営陣の危機意識の欠如を感じざるを得ません。社員のギリギリの生活をなぜわかってくれないのでしょうか。
ただ本社の普通の社員の方々も苦しい生活だと聞いております。一部の人達が甘い汁を吸っているからなんですね。
この会社に未来があるのでしょうか?と憂いておりますがただじっとしているのもダメですね。そろそろ行動に移さなければ・・・・。
裁判の件も応援しています。頑張ってください。テレビや週刊誌への投稿なども行っていきましょう!!
返信する
Unknown (Unknown)
2007-10-29 21:42:50
ホントにすべてを変えるためには、外部の力を借りるしかないのかも…経営陣はじめ、GM、一部のAMは分かってないんですね!マスコミはじめ、新聞、ニュ-スなどでとりあげられ、世間の関心が向いて初めて改革されたり、今までのコトに対し反省するのかもしれませんね…最近の不祥事のあった企業もそうですもん!一時は、経営的にも世間的にも厳しい目にさらされますが、長期的に考えればそれも仕方ないと思います。みなさん、今こそ、行動する時です!
返信する
Unknown (Unknown)
2007-10-29 22:02:49
コナカ社員って、カード持ちですよね

今まで応援出張で出会った人の多くがアイ〇ルや武富〇や〇コム等のお得意様会員だよ。。。

生活厳しく借りたのに、返済の為に働く毎日…

半年前の残業代、みんな嬉しかったし、ホッとしたと思います。カードが1枚減ったぁとかね

残業代、残ってる人、貯金してる人なんてほとんでいないっしょ?



県知事が国務大臣になると一市民の痛みを理解できないのと一緒ですね
返信する
NHKテレビニュース見ました (店長(東京))
2007-10-29 22:10:44
高橋店長さんの裁判、NHKテレビニュースでやっていました。

会社負けるに決まっています。

勝つわけがない。

コナカの愚かな経営陣よ。

今更何が「守秘義務」。笑ってしまう。

会社は、恥の上塗りです。いいかげんにしてください!
返信する
本社って (ひばり)
2007-10-29 22:25:30
どこも現場を考えないところ多いですね。

本社の理論=法令違反


有価証券報告書を見て呆れ果てました。


この状況どう見ますか、投資家の皆様。
返信する
なぜ (Unknown)
2007-10-29 22:28:32
会社は負けるとわかっている裁判に突入するのか。
コナカの歴史に消えない汚点となるだろう。

株主のみなさま、本当にこんな経営陣でいいのでしょうか。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-10-29 23:21:44
役員の中にはこの状況が売り上げに悪影響を及ぼしていると考えている方もいるはずです。

あの本社の環境下で自分達の立場を守る為に精一杯なんですよね。

そのうち尻尾切りされますよ!


全ての売り上げは店舗からしか産まれません。思い上がりに気づい下さい。
返信する
事件は現場でおきてます (Unknown)
2007-10-29 23:24:00
会社の数字があがらない理由

1従業員のモチベーションが最高に落ちてる。

2現場の意見や提案を無視しそれがトップにあがらない社風になっている。

3悪い原因の全ては内部的要因(店長、スタッフ)の責任で外部的要因(販促、立地、商品構成)の責任を一切認めない本社



問題点は明らかです。このまま中途半端なその場凌ぎの対応が逆効果になっているのが何故解らないのでしょうか?改革には痛みが伴います。一度リセットしないと悪循環の繰り返しです。AMも店長も社員もパート社員も皆会社の方向性が分からずに空中分解しています。もう手遅れなのかもしれません。

社長!ご決断を!その他の取締役全く話になりません。唯一代表権のある社長のご英断がこの問題を解決するただひとつ残された道です。目の上のタンコブはもう存在しない筈です。

従業員、取引メーカー様、株主様が路頭に迷おうとしてます。過去に無い経営危機です。

もう一度申し上げます。社長!どうかご英断を!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

紳士服のコナカ」カテゴリの最新記事