昨年12月21日に行われた、添乗員への「事業場外みなし労働」適用の是非を問う裁判(第3陣)の証人尋問。
証人として証言した阪急トラベルサポート東京支店添乗派遣課細野課長が証言した国内旅行における「添乗員の労働の実態」「仕事のやり方」。今回は「乗り物」関連の細野課長の証言について、それが実態に即したものなのか、添乗員のみなさん・添乗員経験者のみなさんのご意見をお寄せください。
以下は、12月21日の裁判証人尋問でやり取りされた内容です。
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●会社側主尋問(会社側代理人弁護士→細野課長)
会社側伊藤弁護士「あなたの陳述書を見ると、添乗中解散しますという部分が幾つか出てくるんですけれども、この解散している時間というのは添乗員は何をしているんでしょうか」
細野課長「特にすることがなければ、飲物を飲んだりとか、自由にリラックスしていると思います」
伊藤弁護士「次にバスに乗車している場合のことについてお聞きしますが、バスに乗車する場合、スケジュール等の案内をするということなんですが、これは話している時間はどのくらいなんでしょうか」
細野課長「これもケースバイケースです。バスガイドが乗務している場合や、乗務してない場合というのもございますので、バスガイドがいる場合にはほんと数分程度で終わりますし、いない場合でも長くても20分ぐらいあれば済むかと思います」
伊藤弁護士「そのほかの時間というのはどういうふうにしているんですか」
細野課長「例えば、バスツアーの場合ですと、長距離移動の場合、2時間に1度、15分程度の休憩を取るということになっておりますので、その他の時間に関しましては、自分の席で車窓を楽しんだりとか、リラックスしているんではないかと思います」
伊藤弁護士「バスの車内で、ツアーの参加者からの質問に答えたりするんでしょうか」
細野課長「バス車内では基本的にはシートベルトの着用をお客様にお願いしているし、また添乗員もシートベルトを着けることになっておりますので、お客様が移動してきたりとか、添乗員が後ろに行ってお客様にいろんな案内をするということはまずございません」
伊藤弁護士「バスの車内で、添乗員は寝てはいけないんでしょうか」
細野課長「いいえ。例えば、長距離移動の場合に、お客様にお休みくださいというふうに御案内しまして、添乗員も休憩させていただきますという御案内をすれば、特に添乗員が寝てはいけないということはないと思います」
伊藤弁護士「列車に乗車中のことについてお伺いをします。あなたに作成していただいた陳述書に、列車乗車中に添乗員が行う作業というものを書いていただいているんですが、そういった陳述書に書いていただいた作業を行っていない時間というのは、列車乗車中、添乗員は何をしているんでしょうか」
細野課長「特にすることはございませんので、自席に座ってリラックスしていると思います」
伊藤弁護士「列車内で、ツアー参加者から質問や相談を受けるということはありますか」
細野課長「ツアーのお客様というのは仲間同士で参加されている方が多いと思いますので、お客様同士、おしゃべりしている時間のほうが多いと思いますので、特に呼ばれていろいろ聞かれることはないと思います。また、お一人様で参加される方もいらっしゃると思いますけれども、わざわざ席を外していろいろ話を聞きに来ることというのはほとんどないかと思います」
伊藤弁護士「列車ツアーで、途中乗車してくるツアーの参加者がいる場合に、全員が乗り込むまで添乗員は座席に座ってはいけないんでしょうか」
細野課長「いえ、車内で立っていると邪魔になりますので、そういったことはないかと思います」
伊藤弁護士「航空機を利用する場合なんですが、航空機を利用する場合には、機内で添乗員は何をしているんでしょうか」
細野課長「添乗員は機内ですることはございません」
伊藤弁護士「飛行機の中では、私語は禁止とか、添乗員は座席を倒してはいけないというような指示は出ていますか」
細野課長「そのようなことはございません」
伊藤弁護士の10の質問に対し、細野課長の7箇所(1~3 5~8 )の答弁に「思います。」と締めくくっていますが、これは憶測です。証言として認めるのはおかしいと思います。
細野課長の10の証言を全て肯定し証明できる、ある程度の添乗歴を持つ添乗員が必要になると思いますが、そんな添乗員は絶対にいないと断言できます。
私達はグループ到着前に現地最終アイテナリーをチェックしますが、特に阪急のツアーに関しては、現地係員無しバス手配のみが目立ち、私達が同乗していても添乗員がリラックスしている状況は見た事ありません。知合いの添乗員さんも、たまたま会える時間ができて、ホテルのお部屋にお邪魔したり キャフェに居ても、お部屋にお客様が来たり、会社やお客様からの電話連絡はつきもの、お客様への謝罪の為の品の買いものに付き合ったり、話題も最終アイテナリーと睨めっこで現地事情の確認が主、プライベートな話などする余裕は全くありません。他社の添乗員さん達も同じです。10年前は1時間くらいならゆっくりプライベートな話もできました。夕食を共にする事も可能でした。今は直前の約束でも、時間や場所の変更はつきもの、この様な状況で、飛行機の中でも添乗員さんは書類の整理、機中は睡眠でなく仮眠、この間も、終始お客様が添乗員をそっとしておいてくれるなどとは想像できません。
現場の人間からすれば、細野課長の証言で述べてる状況は「ラッキー」。私の経験でも行程中全てが「ラッキー」で終わった事はありません。予定通りにツアーが終始する事自体が稀な仕事だと認識しています。
…添乗員の皆様、
こんな事堂々と言われて腹立たないんですか?
こんな人達が上司で何とも思わないんですか?
自分の席にはほとんど座らなかったのではないでしょうか。頭が下がりました。
別の団体バス旅行の時も、添乗員さんはバスの中で色々と働いておられました。
裁判の課長の証言を読んでウーンと頭をかしげました。
細野課長「特にすることはございませんので、自席に座ってリラックスしていると思います」
これはひどい。
眠っていたら、アンケートに
「添乗員が、仕事中なのにもかかわらずバスの
中で寝ていた!」と書かれ、厳重注意されました。
乗り物の移動中、眠っていいのなら、
休んでいいのなら、
最終日程表に、乗り物移動中は添乗員の
休憩時間です。話かけないで下さい。
と、断り書きをしてください。
クレームがくると、怒るくせに
リラックスしている時間もないもんだ。
添乗員に法律は関係ないのでしょうか。
また、私などはトイレに立つと特に自由行動の計画を立てているお客さんたちから質問攻めに合います。ゆっくりしていられません。
ロシアに行く途中の飛行機の中で私は別会社だったですが、隣のまさに、阪急のお客さんが、「ロシアの入国カードを書くのに、添乗員が配った紙が見にくいし、添乗員は聞こうにも寝ている」とぼやいてきました。お客さんは添乗員の一挙一動を見ています。細野課長が言うように、のんびりしてられないし、キチンとしてないといけないのです。
のんびりしていいし、休憩時間なら、しおりに行きの案内を「添乗員はツアーの運営上同じ飛行機に乗りますが、添乗員のお世話は、原則現地についてからになります。」とでもしてくださいよ。
のんびりしていいなら、お客さんにキチンと説明して、アンケートに書かれても責任を持ってください。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/2fb28ae7d31d14cb60922570df8d1a61
バス乗車での業務指示
「行程表」で乗務員との打ち合わせ
立ち寄る場所・所要時間・トイレ休憩場所と時間(15分ぐらい)・昼食場所と時間、土産指定店・宿泊地等
①(初日のバス)添乗員の自己紹介とガイド・ドライバーを紹介
②「お客様の人数と荷物の個数は、いつでも、しつこいくらいに確認してください」「貴重品確認・社内禁煙・時間厳守・健康管理の案内」「到着地の名称・時間・マナーなどの注意事項の案内」「安全運転カードの確認・ガイド、ドライバーの安全運行に対する認識の確認、安全運行のための注意、指示を怠らないこと」「シートベルト着用のお願い」
③「バスの中では添乗員は寝ないこと」
④「ドライバーの居眠りやスピードの出しすぎ、お客様の様子に注意をはらうこと」「炎天下を徒歩で観光した後などは、水分補給をするようお客様に促し、体調の悪い方がいないかどうかを気を配るようにしてください」
凄い人ですね。。。どうどうと恥ずかしくもなくこんな証言の数々、笑い物になってしまいますよ