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全国一般東京東部労働組合の記録

ついに国会でも取り上げられた添乗員への不当な「みなし労働時間制」

2007年10月31日 11時27分15秒 | 添乗員・旅行業界

ついに国会でも取り上げられた添乗員への不当な「みなし労働時間制」
2007年10月24日衆議院厚生労働委員会

全国の添乗員の皆さん。
10月24日の衆議院厚生労働委員会で、社民党の阿部知子代議士が添乗員の労働実態について政府に質問し、旅行業界が残業代不払いの理由としている「偽装事業場外みなし労働」の是正を求めました。
ついに国会の場で、添乗員の長時間労働やサービス残業などの過酷な労働が明らかになったのです。添乗員の歴史にとって画期的な出来事です。

質問に立った阿部代議士は、私たち全国一般東京東部労組の申告にもとづいて労働基準監督署から是正指導を受けた添乗員派遣会社と旅行会社の阪急トラベルサポート、旅行綜研、ダイヤモンドシステム、クラブツーリズムの4社の実名をあげて、「すべての添乗員にみなし労働は該当しない」との行政通達=基発を出すよう政府に迫りました。

阿部代議士は、全国一般東京東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部が呼びかけた「偽装みなし労働を許すな」との全国署名を厚生労働省に提出する際にも同席してくれました。その際に添乗員のひどい労働実態に憤りを感じて、今回の国会質問に結びつきました。

阿部代議士の質問に答えて青木豊厚生労働省労働基準局長は「旅行会社も含めまして、この関係法令に違反のおそれのある事業場を選定しまして、個別に立ち入って監督を行い、問題が認められた場合には、必要な是正指導を行っている」とはっきり言明しました。これが、この間の阪急交通社と阪急トラベルサポートを指していることは明らかです。

旅行業界は、この間、厚生労働省の見解がでるまではと違法行為の撤回を拒み続けてきていましたが、いまや彼らには全く道理がないことは明々白々です。阪急交通社と阪急トラベルサポートは勿論のこと旅行業界はただちに労基署の是正勧告指導に従い「みなし労働時間制」を撤廃すべきです。

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【以下厚生労働委員会発言要旨】
阿部知子議員
労働現場の崩壊現象をお伺いいたします。旅行に添乗する皆さんの働き方が今崩壊の状況を迎えております。普通1日8時間を超えたら残業、夜10時を過ぎたら深夜労働という規定の中で、(旅行添乗員は)いわゆる時間外労働とみなさない、自由裁量で働ける事業場外みなし労働だと言われるようになって、残業代の不払いが次々におきてまいりました。
去年の10月12日に東京の三田あるいは中央労基署から旅行綜研やダイヤモンドシステム、11月15日には新宿労基署からクラブツーリズムにそれぞれ是正勧告が出されました。今年の10月1日には再び三田労基署から阪急トラベルサポートに出されました。

さて、こうした旅行添乗員の皆さんの労働実態を考えれば、そもそも事業場外みなし労働の適用はおかしい、普通に残業代は払うべきだと思います、これが第一点。第二点、(厚生労働省として)基発としてきちんと指導していただきたい。第三点、(添乗員が)一体どんな労働実態にあるのか調べていただきたい。

青木豊厚生労働省労働基準局長
この事業場外みなし労働時間制については、例えばあらかじめ業務の具体的な指示を受けて、その指示に従って業務に従事する場合などについては使用者の具体的指揮監督が及んでいると考えられるわけでありまして、当然労働時間の算定が可能であると思います。そういう場合には、事業場外みなし労働時間制の適用はないという旨を既に通達等でも示しているところでございます。

労働基準監督機関におきましては、事業場外みなし労働時間制を含めまして、適正な労働時間管理が行われるよう周知を図っております。
また、労働者の方からの相談など、さまざまな情報を精査して、旅行会社も含めまして、この関係法令に違反のおそれのある事業場を選定しまして、個別に立ち入って監督を行い、問題が認められた場合には、必要な是正指導を行っているところでございます。
今後ともこうしたことを通じまして、法定労働条件の履行に努めていきたいと思っております。

阿部議員
個々ばらばら、モグラたたきではなく、労働実態をきちんと調べて、どんな労働環境なのか、厚生労働省は知るべきですよ。そして、基発を出して下さいというお願いです。
*注「基発」厚生労働省の通達。

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衆議院TV 阿部知子議員質問と青木労働基準局長答弁
ビデオライブ・動画  (16分から旅行添乗員問題に入ります)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=36914&media_type=wb&lang=j&spkid=131&time=06:29:46.3 

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お知らせ

阪急トラベルサポートの次回第9回団体交渉は11月1日(木)です。
この間の三田労基署の是正勧告、品川ハローワークの指導等大事な団交です。
皆様の応援よろしくお願いします。

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18 コメント

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すごい (地方の派遣添乗員)
2007-10-31 11:59:08
どんどん公の場で取り上げていって欲しい!!

繁忙期の真っ盛り、本当に体がきついです。
もらえるものをもらっていれば、頑張ろうとも思えますが、これだけの給料で・・・とか考えながらだと、一生懸命やる気もおきません。
最近は本当に、「もらった分だけの働きしかしない」と自分の中でなるべく決めてやってます。
過剰なサービスはもう、しません。
かといって現場でお客さんに、「労働時間はここまでですから」って言って引っ込めるわけがないんですが。

社員旅行や貸し切り団体も多いこの季節、
担当者は平気で、「宴会は同席で。コンパニオンはつけてないからよろしく。二次会もお誘いがあったら付き合うように」って言います。
男性ばかりの旅行で女性添乗員の宴会の同席、客は勘違いしてお酌やお酒、カラオケの強要してくるにきまってる。
いったいなんなんですか?私たち。
酔っ払いの相手なんてはっきり言って仕事じゃありません。
セクハラ発言の嵐、本当にバカにするのもいい加減にして欲しい。
宴会同席を当然のように指示する担当者、あなたの指示によって労働時間が延びているんだから、当然「あらかじめ業務の具体的な指示を受けて、その指示に従って業務に従事する場合」に当てはまるし、「使用者の具体的指揮監督が及んで」いることになりますよね???
残業代を出すのは当然のこと、コンパニオン代けちって代わりをさせるのはセクハラもいいところ。
迷惑料をいただきたいくらいです。

国内添乗員の皆さん、そう思いませんか??
返信する
愚痴の追加です (地方の派遣添乗員)
2007-10-31 12:14:48
募集ツアー、43名。
奇数のグループの方もいて、最初私の席は作れませんでした。
前日に1名キャンセルがあり、一組相席になってもらえば空きができるので、座席表を作り変えて自分の席を作りました。
古いバスは通路が狭く、両サイドをお客さんに囲まれた補助席では、はっきり言って仕事ができません。
社外秘の書類広げられませんし。
以前なら、補助席で我慢しようと思いましたが、
もう毎日のようにバスに乗ってて、腰が痛くてしょうがないんです。何の保障もないこの仕事、自分の健康は自分で守るしかないって思ってそうしたんですが、
当日来たお客さんの言葉は。
「なんで、昨日キャンセルしたばかりなのに相席なの?」
参加する人数分しか座席ないのは当たり前じゃないですか?
そう説明しましたが、バスに乗り込んで人数確認しようとしたら、その方、当然のように私の席に座ってました。「ここでいいでしょ?」って。私の荷物をどかして。
どうして客はここまで横柄なのか理解に苦しみます。

電話するところも多いし宿の案内も書かなきゃならないので、私はガイドさんの協力を得て、結局、ステップのところで、固い折りたたみ椅子に座ってました。(バスに付いてるガイド席ではないですよ。小さいパイプ椅子です)
ドアの隙間風で冷えるし、固い椅子で腰もお尻も痛いし。この繁忙期にほんとにきつかった。
添乗員て、奴隷ですか?って言いたくなります。
返信する
突破口! (o.m.)
2007-10-31 18:42:03
東部労組のおかげで突破口ができた!そんな思いです。

法的労働時間というのは、労働者の健康維持の為に定められているという基本を忘れないようにしましょう。

本来、残業というのは、予定されていた時間内に業務が終わらなかった場合に生ずるものだと思います。
始めから、1日の規程労働時間では業務が終わらないことが、わかっているいる場合は勤務命令自体が出せない。フランスの労働基準監督署の指導ではこういった業務命令を出す事自体が禁止です。フランスでは私達の業種の場合一週間で、40時間限度という業務命令も可能です。日本の添乗員さんの場合は、海外添乗ですと1日15時間労働で計算すると3日で既に45時間、21時間の超過勤務が生じる事になります。
ましてや、例え残業手当てが支払われても、酔っ払いの相手、パイプ椅子に座ってサービスの業務命令など、筋違いも甚だしいと思います。
労働時間というのは超勤手当ての計算の為にだけあるのではなく、健康維持のバロメーターであることは絶対に忘れてはならないことだと思います。

フランスの有給休暇の規程は
有給休暇取得は労働者の"権利”であると同時に、雇用主に健康な労働力を提供するための"義務”である。と定められています。

この突破口から、道を切り開くのは、旅行業界に働く私達全員だと思います。
返信する
それでか~! (大手派遣会社所属)
2007-11-01 00:24:21
今までそんなお話、全くなかったのに急に早朝深夜手当てが出るという通達が。
って。22時以降と5時以前なんて全くお話にもならないことではありますが。

それでも画期的です!
相も変わらず格安ツアーを取り上げて持ち上げているマスコミもありますが(超ムカツク)、
遂に国会の場で取り上げられたのですから。

東部労組さん&HTS支部さんの活躍があってのことですね!風の噂で当社にも
組合ができるようです!ぜひ参加したいです!秋の繁忙期で今も14日ぶりに帰って
きたばかりなのですが、阿部知子議員さんのHPを探して、これからお礼と添乗員の
実態をメールしたいと思います。

過酷なアサイン責めでフラフラだけど、自分のことだもの!わたしもがんばんないとですね!
勇気と元気をいつもいただいてます♪HTS支部がんばれ~っ!わたしもがんばるよ!

返信する
添乗員はフリーター? (他社の添乗員)
2007-11-01 01:54:00
雇用保険に入れるようになったって、すごいことなんですね。おめでとうございます。
私は転職して5年目の添乗員ですが、憧れていたこの仕事に就けて、毎日勉強、勉強で、あっという間に時間が過ぎていきました。前の会社では給料から雇用保険分が自動的に引かれていて、大金ではなかったのであまり気にしていなかったし、転職もすぐにできたので請求はしなかったのですが、最近時々体が異常に疲れを感じることがあって、でも前と違って年齢も重ねているので別の仕事がすぐに見つかるか心配だし、それにこのお仕事をしながらではなかなか就職活動ができないし、ちょっと不安に思っていました。
いざと言う時、雇用保険って、役に立つのかなって・・・。
それよりも、こういう保証の対象にされていない添乗員の仕事って、私、もしかしたら「フリーター」と呼ばれても間違いではないのかな、と考えたら、ますます不安になりました。
憧れていたし、楽しいし、やりがいを持って自信を持って働いていましたが、私、フリーター???
英語やイタリア語がすごく上手で尊敬している先輩も、お客様の前で偉そうに歴史の話などしている私達も、みんなアルバイトとかフリーターと同じ立場なのかなーと思ったら、なんだか・・・。
だから雇用保険とか、世間並みの権利を得ることって大事なんですね。
添乗員を立派な1つの職業と認めてもらうために。
私の会社にも組合ができたら、入りたいと思います。

返信する
「うわさの労組結成」の心配 (添乗員)
2007-11-01 04:56:01
「うわさの労組結成」について
旅行業界と一体となり「事業場外みなし労働」を推進している「サービス連合」でなければいいのですが。今、各社で、東部労組HTS支部に続くことを危惧した旅行経営陣が率先して「労組サービス連合結成」の動きがあるという話です。我が社でもうわさを聞きます。社長が旗を振っています。とても心配です。

サービス連合の「事業場外みなし労働の推進」については、9月25日のブログ記事、下記で知りましたが絶対反対です。添乗員を永久に地獄におこうとする犯罪行為です。本当の労働組合のやることではありません。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/f92f227e50645430c869bff5e00b238f
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コンプライアンス(法令遵守)に反するJATA (全国一般東部労組一組合員)
2007-11-01 09:12:32
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/8bcacd2f8fa07ca78e9e371d9c30636a
三田労基署の是正勧告がはっきり言っています。
法律違反だと。
みなし労働は法律違反。
8時間労働を守らないことは法律違反。
残業代を払わないことは法律違反。
深夜労働割り増し手当てを払わないことは法律違反。
有給休暇をくれないことは法律違反。
8時から20時も法律違反。
打ち合わせ・精算も実時間で払わないことは法律違反。

http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/992995e4f39122408e627c9679bf8183
ハローワーク品川が言っています。
雇用保険にいれないことは法律違反だと。

私たちの要求は簡単です。
JATAとTCSAと全ての旅行関係の各会社経営陣と所属している関係労組は
法律を守って下さい。
法律を守って下さい。
法律を守って下さい。
私たちはそのために労組を作るのです。
みなし労働をやめて下さい。
返信する
我慢の限界です (HTS添乗員)
2007-11-01 13:39:03
労働組合のおかげで給料面など少しは改善されるようになりましたが、客のレベルは下がる一方です。私は給料の事より客のレベル、マナーの悪さに限界です。今まで色々いやな事、辛い事もありましたが大好きな仕事だから10年以上頑張ってこれたのだとおもいます。でも最近の客は人としてのモラルが最悪です。添乗員を奴隷としか思ってない奴らが多い様に思います。秋のシーズンが終わったらこの世界から足をあらうつもりです。このまま仕事を続けていたら気が狂いそうです。
返信する
愚痴の追加です (地方の派遣添乗員)さんへ (現役添乗員)
2007-11-01 17:05:14
お客様にキッパリと言いましょう。
「この席は業務用ですので所定のお席にお戻り下さい。皆様平等とさせて頂きます。」

バスの最初の挨拶で「本日は満席です。奇数組の方には皆様ご相席をお願いしております。ご協力お願い致します。」と。

添乗員もアンケートやクレームを恐れすぎです。
クビになりたくないのは分かりますが。

ベテランが辞めていってしまうと客の対応の仕方も伝授されなくて大変ですよね。
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騙されるな!! (現役添乗員)
2007-11-01 22:13:00
○○旅行添乗員会社のJ○○○が作った組合はサービス連合ですよ。

深夜早朝手当てで騙されてはだめ!だってこれって
朝4時~夜24時迄働いて早朝深夜手当てしかつかないのでしょう?

日当8千円で朝4時~夜12時→実働20時間
早朝1時間と深夜2時間→手当って早朝深夜全部で千円??まさか1万ではないでしょう?でも1万円でも法定賃金には満たない。実働20時間で手当全部で千円つまり¥8,000+¥1,000=¥9,000
時給は?早朝深夜手当がついて→¥9,000÷20時間=¥450

これって詐欺だよね。
結局ごまかし!
ちゃんと最低時給¥739になるように。
実働8時間以上は残業代+25%を支払え。
勿論、早朝深夜代の+50%も。

ちょっと計算してみました。

日当8,000円で朝4時~夜12時迄だと法的にはこうなるはず。

日当8,000円÷実働8時間=時給1,000円
つまり時給1,000円で計算されます。

朝4時~朝5時までは1,500円(早朝50%増)
朝5~13時まで(実働8時間)は8,000円
13時~22時までは11,250円(残業代25%増)
22時~24時までは3,000円(深夜50%増)

合計で20,750円です。

東京都の最低賃金739円での計算ですと17,543円です。

法定賃金を支払わずに手当てでごまかそうとしています。つまり自分達添乗員は半分以下の日当、賃金で働かされています。




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