コナカ第３回団体交渉の報告（残業代問題）

コナカ未払い残業代９億円支払いへ

店長にも「残業代」を支給せよ！

 

　全国のコナカで働く皆さん、このブログをご覧の皆さん、全国一般東京東部労組コナカ支部と株式会社コナカとの第３回団体交渉が昨日（３月２９日）午後５時１５分から、東京都内の会議室で開かれました。出席したのは組合側（６人）、会社側（５人）で、ともに前回と同じメンバーでした。

 

　この日の交渉では、会社側から過去の未払い残業代の支払いについての説明がありました。約７２０人の一般従業員に対して時間外・休日・深夜手当の未払い分として約９億円を今年５月２５日までに支払うことを明らかにしました。また、約３８０人の店長らに対しては「特別賞与」として約４億７千万円を今年６月末までに支払う考えを示しました。

　コナカの未払い残業代の支払いをめぐっては、コナカ支部が２月に結成されて以来、もっとも重要な要求項目の１つとして第１回の団交から会社に求めてきました。このブログや組合に寄せられる社員からの切実な要求でもありました。第２回の団交では「会社は、未払いの時間外労働、休日、深夜労働割増賃金手当を支払う」との確認書を労使で結ぶに至りました。昨日の会社からの説明は、こうした経緯を踏まえたものです。

 

　労働組合の結成と要求が、合計約１３億７千万円の賃金を支払うところまで会社を踏み切らせたわけです。私たち組合も率直に「成果」として受け止めています。掲載しているのは本日（３月３０日）毎日新聞朝刊の社会面の記事です。同様の記事は朝日新聞の社会面にも掲載されています。

 

　しかし、これで残業代問題が終わったわけではありません。

 

　まず、一般従業員７２０人に支払うという「９億円」という額が、過去の残業時間に見合ったものなのかどうかという問題があります。単純に頭割りすると１人１２５万円です。各社員の間での増減はあるとのことですが、果たして実態を反映した額なのでしょうか。

　この日の団交で、支部の渡辺委員長と笹川書記長は正確な労働時間を調べ、残業代を計算した書面を会社に手渡しました。２人とも過去２年間で３００万円を超えています。是非、ほかの社員の皆さんも本当の残業代を計算してみてください。そして、組合とともに堂々と会社に請求しましょう。

 

　組合は店長の「管理監督者」扱いを絶対に許さない！

 

　今回の会社側発表のもう１つの大きな問題は、店長に対する扱いです。会社が払う４億７千万円はあくまで残業代ではなく「特別賞与」です。「店長は管理監督者だ」という会社側のこれまでの見解にこだわった結果です。公休の消化状況などから算出したとのことです。ちなみにこちらも頭割りすると１人１２３万円。

　出退勤の自由がなく、「予算」や「労務管理」にもほとんど裁量がなく、ふさわしい待遇ももらっていない店長職が管理監督者でないのは明らかです。したがって当然、店長についても過去の残業代を正確に把握し、支払うべきだと組合は主張しました。すでに会社側に提出してある高橋組合員の店長時代（過去２年分）の残業代＝７４０万円（プラス遅延損害金）の請求書については、会社側は回答を「保留」とし、あらためて次回の交渉で回答することになりました。

 

　このほかにも、パート社員や退職者の未払い残業代をどうするのかという問題が残っています。そもそも会社として賃金未払いを長期にわたって放置してきた責任をどう取るのか、という問題もあります。

　組合はさらに残業代問題の解決を会社に求めていきます。過去だけではなく、今後の残業代支払いや労働時間管理のあり方についても要求を続けていきます。

 

　働いた分をきちんと支払ってもらうのは当然の権利です。

　東部労組コナカ支部といっしょに残業代を求めましょう。

　店長にも法定労働時間のルールを適用させましょう。