東部労組東横イン首都圏支部の団体交渉が、行われました
全国で200店舗を超えるホテル東横インに働く女性労働者は、極めて過酷な労働条件の下で働いています。なかでもフロント業務は、午前10時半から翌日の午前11時半まで25時間拘束の、体力的にも極めてきつい労働が課せられています。会社側は、4時間15分の休憩時間を与えているとの建て前ですが、まったくといっていいほど休憩時間をとれず、働き通しの実情です。とりわけ客室数100室前後の小規模店は、その最たるものとなっています。
こうしたなかで昨年12月2日に、東京東部労組東横イン首都圏支部が、後楽園文京区役所前店、蒲田東口店の仲間を中心に結成されました。昨年5月に結成された東横イン労組とは二重加盟とし、主に、首都圏の東横イン店舗に働く仲間の結集を軸として、今後の労働組合活動、会社側との団体交渉を展開していきます。
2月9日(木)に、東京都中央区にある久松区民会館で、東部労組東横イン首都圏支部の団交が初めて行われました。会社側は、黒田副社長、木下総務副部長、浅井弁護士が出席。組合側は、関口首都圏支部代表はじめ、6名が参加しました。約1時間半の交渉時間でしたが、昨年12月の交渉申し入れ以来の会社側の引き延ばしとインフルエンザなどもあり、延び延びとなっていた団交がようやく開かれました。
1,「後楽園文京区役所前店のフロント7人体制を、8人体制に増員を!」
後楽園店の組合員が、昨年の10月から取り始めていた「フロント業務のアンケート資料」を提示し、具体的に昼休み時間が取れない状況を余すところ無く訴えました。昼食中に対応した電話の本数・お客さんの数、銀行から帰ってきた時間などの月別集計は、まさに過酷で過密なフロント業務の洗練された実態が明らかとなっています。
金子首都圏支部副代表からの、「私は勤続7年だけど、今年1/7はもう限界と思うほどに追いつめられた。イベントがあって大忙し、宅急便のチェック25個などで昼休憩が3時まで取れなかった」さらには、関口代表からの「立っていながらの食事」「流し込んでの食事」等々の迫真の訴えに、会社側も「もっと早く言ってくれれば」というのが精一杯でした。
会社側は、「後楽園店と類似した店舗での調査状況と、当該支配人からの調査で、いずれも7人体制で問題はない」との見解を示していました。しかし、首都圏支部の仲間の「支配人からの報告は、後楽園店の超過密なフロント業務の実際とあまりにもかけ離れている」との反論と、東部労組上田執行委員からの「後楽園店は、2年間で90%以上の稼動率の月が78%=8割ある」との分析結果を提示され、会社側はなすすべの無い状態となりました。
最終的には、「休憩時間が取れないのは問題」「休み時間が取れなければ残業代を払う」「1週間~10日の調査をし、前向きに対応する」という会社回答を得て、約1時間の交渉を終了しました。
2、浅草駒形雷門店フロントさんの「未払い残業請求」:第2回の交渉。
続いて、1月19日に続いて2回目の交渉となる浅草駒形雷門店のフロントさんの未払い残業代請求についての交渉が行われました。会社回答は、「“有額回答”を、深夜割り増しなどの計算をして、2月23日までに回答する」というものです。しかし、残業代の未払いを当時の支配人への責任に転嫁するなど、何の反省の色も見せておらず、女性労働者酷使の上にあぐらをかいている姿をなんら隠そうともしませんでした。小規模店舗での、夜間の一人勤務による休憩時間がとれない問題は深刻であり危険であり、一晩中働き詰めの状況は悲惨とも言えるほどの労働実態です。現在の東横インでの「働き方」が許されていいはずがありません。ましてや、休憩時間がとれず、残業代も払われずにタダ働きという状況が許されてよいはずが断じてありません。
さあ、いよいよこれからです。東部労組東横イン首都圏支部に結集する仲間達とみんなの努力で、過密・過酷で危険な「働き方」を一歩一歩変えていきましょう。