写真・渋谷駅アピール行動
添乗員「みなし労働時間」裁判
東京高等裁判所の判決文報告その4の後篇
判決文全文はこちら(PDF)
http://www.toburoso.org/9.14hanketu.pdf
9月14日東京高等裁判所判決(阪急トラベルサポート残業代請求事件)
判決文(要旨)報告その4の後篇
東京高等裁判所の判断
争点その2 実就労時間についての続き
食事時間
「移動中に弁当を昼食とる場合は、移動時間中の労働時間というべき」
「レストランなどで昼食を取る場合は、・・・業務を行っている時間と評価すべきである」
「(なお、阪急交通社作成に係る海外添乗員マニュアル(甲3)には、食事の際に「お客様同士が打ち解けて頂けるよう、添乗員は明るく楽しく振る舞う事」「添乗員は、オーダーした飲み物が完全に配られるまで席に座らない」などの注意が記載されている。)」
終業時刻
「ホテルあるいは旅館に到着後、初泊の場合等チェックイン手続が必要な場合は、その手続や参加者の客室への案内、ロビーでの待機などのため30分程度の業務が必要であり、・・・・到着後30分が添乗業務の終業時刻になると認められる」
「ホテル到着後に会食がある場合は、・・・・会食終了時が終業時刻となる。会食は開始からおおむね1時間程度で終了する。」
「連泊の場合・・・・・(ホテルあるいは旅館帰着時から・・・)5分程後を終業時刻と認めるのが相当である。」
「フェリー等で船中泊をする場合・・・・フェリー出発時刻から30分程度は業務時間と認められ、その時点で終業すると認められる。」
帰着日の終業時刻
「バスツアーの場合・・・・終業時刻は到着後15分後と認められる」
「JR利用の場合・・・・・終業時刻は最終利用駅到着から約20分後と認められる」
「航空機を利用する場合・・・・・終業時刻は到着の30分後と認められる」
休憩時間
「添乗員は添乗している限りその業務に従事しており、その時間全てについて添乗サービスを受けられるものと理解されてもやむを得ないものである。したがって、添乗員自らが参加者に対し、明示又は黙示に休憩時間を取ることを伝えて休憩時間を取ったというような事情がない限り、控訴人が主張する適宜の休憩時間があったと認めることはできない。」
(続く)
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報告その4の前編に続く後編です。
東京高裁は、添乗員の実労働時間を、バス、鉄道、飛行機による移動時間も自由行動日も食事時間も全て実労働時間としてカウントすべきであり、また、就労開始時刻と終業時刻もきちんと把握して計算できると断定しています。
とりわけ、バス、鉄道だけでなく飛行機内も実労働時間として計算すべきであるとした今回の判決は、現在の会社や業界の主張を真っ向から否定するものです。とりわけ海外添乗員の待遇に与える影響は計り知れないものがあるという意味でも画期的な判決です。
常識レベルの待遇に、どうしたらなるのか。
お人よしが多い添乗員達… それにつけこむお客と業界ですね。
法律でバシっと、違反に対して厳しく罰金。あるいは業務停止。スペインのライセンスガイド以外のガイディング禁止のように厳しくしなければ、効果なしです。