(上の写真=第14回団体交渉に出席したメトロコマース支部組合員)
メトロコマースは「黒字」を労働者に還元してください!
東京地下鉄(東京メトロ)の駅売店「メトロス」で働く契約社員らでつくる、私たち全国一般東京東部労組メトロコマース支部は9月17日、株式会社メトロコマースとの第14回団体交渉を東京・上野にある本社で持ちました。組合側は後呂委員長ら6人、会社側は土佐取締役ら5人が出席しました。
この間の団交で組合は契約社員の正社員化および契約社員の賃上げによる正社員との格差是正・均等待遇を求めてきました。この他、契約社員への退職金制度の創設やホーム手当の新設なども要求してきました。これに対して、会社側は「販売員の処遇改善はやっていきたい」と述べる一方で、「売店事業は赤字だから」「処遇改善の原資がないから」などといった論理ではねつけてきました。
こうした中で、東京メトロと東京都営地下鉄の経営統合にからんで開かれている協議会の場で、東京メトロの12子会社で黒字が17億円計上されているうち、メトロコマースの今年3月期の当期純利益が5億8000万円の黒字になっていることが新聞報道などで明らかになりました。
この日の団交で組合側は「会社全体で黒字が出ているのなら、その利益を労働者の待遇改善にあてるべきだ」と訴えました。しかし、会社側は東京メトロの株式上場のスケジュールを念頭に「グループ会社で収支がとくに悪いのが売店事業。売店数も減らさないし、雇用も守るが、(売店事業の)赤字を減らし収支を健全化しなければならない」と話し、人件費を増やすことに消極的な姿勢を示しました。
なぜメトロコマースという会社全体で黒字が出ているのに、月の手取り13万円台というギリギリの生活苦を強いられている販売員に還元できないのでしょうか。
そもそも駅売店の存在意義は収支のお金のみで計れるわけではありません。会社側も認めているとおり、販売員は災害や事故などの緊急時の場合に駅員と連携して利用客の安全確保につとめたり、日常的に道案内や不審者情報の提供などにあたったりする重要な役割を担っています。
経営状況を踏まえたうえで販売員の待遇改善を実現するため、組合側はあらためて損益計算書や貸借対照表などメトロコマースの財務諸表を開示するよう会社側に求めました。会社側は「検討する」とのことでした。
この他の議題は次のとおりです。
<雑誌梱包の簡易化について>
組合が求めてきた一部搬入業者による雑誌の過重梱包について、会社側から前回の団交で9月上旬をメドに雑誌の半分を簡易化するとの回答を得ていましたが、今回システムの改変により10月末をメドに全面的に簡易化していくとの回答になりました。
<残業代の申告問題について>
ある販売員が早出残業をつけて申告したら事業所に却下されたうえ「15分で準備ができないなら見習いからやり直せ」というどう喝を受けた問題について、会社側は「キツイ言葉に受け止められる人もいるので、今後は誤解のないように指導してきたい」と回答しました。
<防災対策について>
組合側から地震や火災などが起きた際の非常口の案内や消火栓の位置確認、AED(自動体外式除細動器)の使い方などの訓練を販売員にも施しておくべきだと主張したところ、会社側は「ありがたいこと。前向きに検討する」と回答しました。
<緊急連絡網について>
販売員に配布されている緊急連絡網で、緊急時には事業所の電話番号にかけるよう記されているものの早朝や夜間など事業所が留守になる場合があるので改善してほしいと組合側が要求。会社側は「見直したい」と回答しました。
地下鉄メトロの駅売店で働いているみなさん、駅売店は地下鉄を利用するお客さんにとって欠かせないものです。そんな売店を懸命に支えている販売員の生活と雇用を守るのはメトロコマース経営陣だけではなく東京メトロ経営者の責任でもあります。自分たちの仕事に誇りを持って、売店の価値をもっと高めていきましょう。労働組合(東部労組メトロコマース支部)に参加して、私たちの生活と権利を向上させていきましょう。