春闘の賃上げで生活を守ろう！第２７回コナカ団交報告

（上の写真＝東部労組１０春闘決起集会で登壇するコナカ支部役員）

コナカの経営者は雇用責任を果たせ！
有給休暇を自由に取らせろ！
すべての店長に未払い残業代を払え！

私たち全国一般東京東部労組コナカ支部は４月１９日、株式会社コナカとの第２７回団体交渉を東京都内の会議室で持ちました。組合側は松田委員長ら２人、会社側は鈴江人事部長代理ら３人が出席しました。

この日の団交はコナカでの春闘要求・交渉の場になりました。組合側から要求した主な事項は以下の通りです。

１．正社員の基本給を一律３０，０００円アップすること。
２．パート社員の時給を一律１，０００円以上にすること。
３．０７年１０月以前に管理監督者扱いしていた店長に未払い残業代を支払うこと。
４．通勤ガソリン代を市場価格に引き上げること。

賃上げ要求に対して、会社側は「リーマンショック以降の市場の状況を考えれば厳しい」と消極的な姿勢でした。その一方で「今までと比較すると賞与の減額などで年間所得が減っている社員もいる」という認識を示しました。

組合側が「コナカの経営者は雇用している社員や家族の生活を保障しなければならないという責任を感じているのか」と問いただしたところ「責任ではない。意識は持っている」との回答でした。経営者は意識だけではなく、社員の生活を守るという責任を持つべきです。日ごろ社員には過大な責任を負わせておきながら、自分たちの責任は取らないというのでは納得できません。

会社側によると、賃上げ額については５月中下旬に予定されている取締役会で決定し、組合に報告するとのことです。すべてのコナカ社員とその家族は「給料を上げろ！」の声を大きく上げていきましょう。

「名ばかり店長」問題については、今年２月に私たちコナカ支部の組合員２人が裁判で勝利和解を果たしました。会社側が２人に対して実質的な未払い残業代にあたる解決金を支払いました。私たちコナカ支部は団交で「２人のほかに約３００人も同じ名ばかりだった店長がいる。他の店長にも残業代の支払いを含めた対応を取るべきだ」と要求しました。しかし、会社側は「２人に支払った解決金は紛争の早期解決を図るためのもの。とくに他の店長への対応は考えていない」と話しました。

会社が法律を守っているのなら、解決金など１円も支払う必要はありません。違法行為があったからこそ、ただ働きをさせていたからこそ解決金の支払いに追い込まれたのです。２人だけではなく他の店長にも誠実に対応するべきです。それまではコナカの名ばかり店長問題の真の解決にはなりません。

また、この日の団交では前回の団交で指摘した木更津店の加藤元店長への有給休暇の取得妨害問題についても引き続き話し合いました。会社側は事実関係を調査したのか、取得を妨害した井上エリアマネージャーを処分したのか、という点を組合側は追及しました。しかし、会社側は「結果的に加藤さんは有休を消化できた。結果に至るプロセスや一断面だけを取り出すべきではない」との見解を示しました。

冗談ではありません。たしかに加藤さんは井上ＡＭから取得を妨害された後、コナカ支部の助言に基づいて人事部と折衝して結果的には有休を全面消化できました。しかし、私たちが一番問題にしているのは、井上ＡＭが取得を妨害した事実があったのかどうか、それが事実であるなら会社（人事部）としてどのような処分や対応を取ったのかどうか、ということです。断じて「プロセス」や「一断面」と切って捨てていい話ではないのです。

会社側は「この場（団交）は組合員の労働条件について話し合う場なので、事実関係を調査したかどうか、処分をしたのかどうかも含めて答えるのにふさわしくないと思う」として、あいまいな返答を繰り返しました。このままでは組合員も含めたすべての社員が安心して有休が取れません。会社は有休取得妨害問題の全容を明らかにすべきです。