政治とは
★敵味方の峻別がもたらす味方の分裂にこそ、政治的なものの宿命がある
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敵を前にした味方の結束が、味方の分裂の契機になる。味方内部で政治的な経験が強要されるのはこの時
★敵味方のそれぞれで内部に敵味方の峻別という政治が発生するのであり、政治的な敵対関係は二重化せざるをえない
★ただし味方内部の政治は本来団結のために行使されるのだから、そこでの敵味方峻別は有害な働きをすることが多い
★敵味方と峻別したとしても、敵を道徳的な悪と見なす必要はない。政治的関係は倫理的関係とは別の事柄である。
★とはいえ、政治と倫理との無関係はそれほど堅固なものではない。政治家は敵に対する憎悪と道徳的批判を免れることは難しい
★重要な問題は敵味方の道徳的峻別が政治を中途で切断することにつながることである。敵に対する道徳的対峙なら、別に政治は必要とされない