るるの日記

なんでも書きます

水戸藩・集団ヒステリー?集団催眠?

2021-04-06 15:52:11 | 日記
■2月16日
長岡一統追討の部隊編が成行われた
市川弘美、朝比奈泰尚。赤林三郎兵衛、市川、佐藤図書、鈴木重棟、朝比奈弥太郎、筧猟師之介などのメンバーである

朝廷への配慮、尊王のことなどもう一言もない。長岡説得の一字もない。【即時出撃し相手が逆らえば討ち取るべし】との方針である

安政3年に斉昭により切腹の処罰を受けた結城虎寿の一派が、ようやくにして頭をもたげてきたのである。彼らはもう一つの過激派として内戦を戦うことになる

■長岡討伐隊が出払った2月24日
城中大広間廊下にて斎藤留次郎が自刃して果てた。取り立てて激派の活動家でもなかったようだったが、勅書降下以来、終始その返納には断固反対であった

この日城中で返納決定のことを聞いて「我がこと終われり」と決意した。この廊下は勅書が通過するところなので、血をもって阻止の意趣であった

斎藤の自刃は藩内に大きな衝撃を与え、このため勅書はしばらく城中に留め置かれた

■藩論が城の内外で激しく相戦わされ言論の氾濫になると、そこには集団ヒステリー兆候のよう心機の高揚が見られる。すでに二度にわたる小金屯集でも自刃する者が何人も出ている。憤死。



水戸藩・激派の主張・威義両公以来代々の天皇忠節を守るため、藩の尊攘の大義のため

2021-04-06 15:06:25 | 日記
■激派の主張
朝廷への直接返納の主張と、家老たちが斉昭に頼って激派を鎮静させるやり方に反発している

彼らはもう公然とは評定に登場はてまきない。わずかに長岡から観念的な原則論が聞こえてくるばかりである

■川瀬教文
🗞️斉昭に呈した上書🗞️

年少気鋭の輩は憤激のあまり長岡駅に罷り出ており、中には矯激の所為もあるやと風説粉々。重役方ではその鎮静が行き届かない。本来、国家存亡にかかわる大任を負う重役方こそが、御家の瑕疵にならぬよう大義名分を以てその職責を尽くすべきである

その際、尊慮を密接に伺った上で処理することは重要なことだが、重役方は老公に長岡勢鎮撫の親書を請い願い、これを公表した。家老たちはこれを口実にして、老公の返納の思し召しを国内に伝播して、以て返納反対の者の論鋒を挫折させようとしているこれではまるで老公が返納論者の率先であるかのようだ

これによって有志の輩は密かに悲嘆し志は挫けてしまい、また他藩の有志においてもただ慨嘆するほかない

将来時勢の変化によっては、天下後世がいかなる公評を下すことになるかも計り難い。万一、君上の御明徳を汚すようなことでもあれば、名望にかかわることであり恐れ入る次第だ

朝廷は徳川氏を厚く思し召しになられ、御三家の当家が宗家を補佐するよう深く叡慮して勅書をお下げになったのだ。その勅書の返納命令は、公辺一時の事情に従った老公の尊慮によるものと思う。それなのに閣老衆の口述を御信用になり返納するのでは、真の叡慮に背かぬとも限らず、老公においてもいかが思し召しかと、恐れながらいぶかしく思わざるをえない

老公の懐中の深い意味合いも、困難な実情も承知しておらない私である。とはいえ、苦心のあまり一片の微哀がお耳を汚すことになり恐縮の限りであるが、局外者の空言と思し召しの上ご容赦下されば幸いである


■長岡一統
🗞️御一品返納断固阻止🗞️

この度我々が長岡へ罷り出でていりけと、私意より押し張っているのではと疑われて、親類などが参って説得を受けることもあった

だが、実にこの度のことは御国のみならず、神州の興廃にも関わることゆえ、空しく手をこまねいているわけにはいきかねる

かねて申し上げてきたとおり、御一品を返上ということになれば、威義両公以来代々の忠節も水の泡と成り行くばかりだと、一同深く存じ詰めている

今回我々が出向いている事情をとくとお考えいただきたい。これは全くのところ御一品の進退のことであり、返上することはないと確証をお含み下さることのため、それ以外に他意はない


水戸藩・斉昭決断の足を引っ張る武田耕雲斎。どうなることか

2021-04-06 13:41:44 | 日記
武田耕雲斎は尊攘派の象徴的棟梁とみなされており、後に天狗堂遠征の大将として処刑されている。会沢正志斎と対極の位置にある。二人の対立は尊王佐幕の分裂を示している

武田の意見には臣下としての割り切れない心情が表れている。むしろここに至っても士民の底にわだかまっている尊王攘夷の原則論を、武田が代弁している。武田の意見は「勅書断固護持」の激派の気持ちに地続きのものだった


🗞️【。。元来勅書は天下のため、徳川家のために厚く思し召しの上で、叡慮より仰せ出されることであり、早速に奉承せねば叡慮に対して相済まぬことになる。しかるに時勢よんどころなくこれまで遅延の上、この度は勅書取り戻しを京師の判断に従うことになった。。。

この度の御沙汰に背いて返納しないとあれば、両公の御難儀測り難い旨、申し唱えられているが、これは一時の利害にとらわれた俗見である

もとより当藩をお助けの思し召しより出された勅書であり、公辺も深く敬承すべき筋合いのものである。それが返納に及べば、かえって噂をなす者の口実に陥らないとも限らない。そうなっては両公の御難儀計り知れぬ成り行きと申すべきだ

いったん京師の御沙汰が出たことだから返納せずには済まないことなのだが、これまで諸侯への回達も延び延びになっている事情、それ以降の時勢のやむをえぬ事情など、お使いを以て委細申訳をして叡慮を伺うべきである

誠に余儀ない都合があるので返納するとしても、一応のお伺いもなく公辺へ差し出すという事態は一体いかなることか

威義両公以来代々京師を尊崇してきた御家風も、この節に至り一時に荒廃ということではいかにも嘆かわしい次第、臣子の身には痛心至極、申し上げようもない

何卒、一時の利害に泥むことなく天下後世まで名義が立ち家風が仰ぎ見られるよう、幾重にもお考えになり公辺へ厚く申し立てるお計らいを切にお願い申し上げる】



水戸藩・アンチ激派会沢正志斎・斉昭に発破をかける

2021-04-06 12:44:23 | 日記
水戸藩重役たちが幕府命令と長岡勢とに追い詰められている時期の
会沢正志斎の言動

■激派・長岡勢という障害を前にして、斉昭の【勅書の幕府への返納】という決断の即実行を迫り、そのために必要な手立てを提案する
果断かつ強硬な長岡勢追討論である

🗞️【。。。たとえ名義が立とうとも勅書返納ということになれば、激派長岡の者どもが鎮まるはずがない。だから、かの者どもをそのままにしては所詮事はならない

せっかく御決断され、『評定所に出頭せぬ者は浪人扱いにする』とまで責めつけ、凶悪の気を砕いて御威光を取り返したところなのだ。それなのに尚、半端に中だるみのままでは、「臣をもって君を制することになり、君臣の分が立たない」。政は無きに等しくなる。是非とも乗った船は岸まで漕ぎ着けねば済まぬことだ
何とぞ有司を激励して、『今すこしのところだから浪人どもの召し取り、二念なく押し通すべし』と下知されたい。。。】

🗞️【浪人ども召し取りの際には、手厚く準備するように。非常の義には非常の手段を以て当たるのは勿論、剣槍試合の師範には勅書南上の道中警護を仰せ付け、門人を選抜させよ。。なおまた道中の非常の備えとして猟銃も松戸まで同心に持たせるのもよかろう。。】

■【尊王】とは朝廷命令に従って幕府に勅書を返納することであり、かつ日本国の【攘夷】は成り難いと明言
藩庁の煮え切らなさを断ち切る果断な提言である

🗞️【激派・長岡の者は「尊王攘夷」を主張しているが、実のところこれを取り違えて自分勝手に思いこんでるだけである。

朝命に従って返納せよとのことだから速やかに返納することそ尊王の義であるのに、無知の者どもの理解は大きな心得違いだ。

攘夷についても首謀者らの持論は、「勅書を諸藩に伝達すれば、諸侯はこれに応じて攘夷も成る」というものである。だがこの節では大諸侯も幕府の権力に媚び、危ないことはせず、水戸藩のみ孤立してたちまち敗れて天下の笑い者になるだけのことである】

会沢はアンチ激派の立場を全面に出している。「彼らこそ尊王の意義を取り違えているのであり、その全国一斎蜂起の展望など笑い者になるだけだ」と

水戸藩・左右過激派と中道左派武田耕雲斎と中道右派会沢正志斎

2021-04-06 09:51:00 | 日記
■水戸藩・激派・長岡勢。これに対応する他の極論が台頭しようとしていた。門閥過激派である。「理屈抜きの長岡勢の即時鎮圧」を主張するのである

■この左右の過激派に挟まれて、会沢正志斎と武田耕雲斎の主張が存在する
両者は、左右過激派に対して
中道右派・中道左派にあたる