■観無量寿経
【北インドのマガタ国はビンビサーラ王が支配し、王妃ヴァイデーヒーとの間にアジャセが生れた
ところが、この王子は呪いと運命の手に操られて父親ビンビサーラを殺し、母親ヴァイデーヒーを幽閉する
やがてアジャセは釈迦との出会いによって改心し仏弟子となる】
と観無量寿経に描かれている
■無量寿経
父親殺しのアジャセは、はたして救われるのか?極悪人アジャセは成仏できるのか?というテーマをとりあげているのは無量寿経である
■無量寿
無量寿とは無限の寿命をそなえた阿弥陀如来。阿弥陀如来は衆生を成仏させるために、最終的な誓いをたてた
【すべての人間が救われる(成仏する)までは、自分は決して成仏しない】という誓いである
48の誓願をたてているが、その中の最も根本的な誓いが第十八願である。【全世界が幸福にならないうちは、自分も決して幸福にならない】という誓願が、この十八願に結晶している
■しかし、いつごろか、十八願に条件がつけられるようになった
【親殺しや、仏殺しの罪を犯した者と、仏法を誹謗中傷する者たちは、どんなことがあっても救われない、成仏することができない】という条件が設けられた
あるいはこの条件が先にあって、後にその条件が外されたのか
いずれにしろ、インドに浄土経典が成立した段階で、父親殺しの罪を犯した極悪人は成仏できるのか?できないのか?という問題が提起されていた
♦️悪の問題は
仏教の世界において二千年の歴史を貫いて論じられてきたのです