古事記に記されている出雲神話と
風土記に記されている出雲神話は
まったく一致しない
古事記も風土記も中央政府からの命によって成立したもので、確実に政府のチェックを受けているはず。だからチェックした者は当然出雲神話が、古事記と風土記では異なる内容であることは知っていた。にもかかわらずこれを容認した
この事実の理由は
古事記の出雲神話も
風土記の出雲神話も
正しいということだ
いずれも本物なのだ
異なる理由は
古事記の出雲と
風土記の出雲は
別の国だからだ
日本の神話は多元的で複合的だ
それは日本の民族と文化が多元的で複合的であることを意味する
出雲という舞台、出雲の祭祀、出雲の神話も多元的で複合的に成り立っている
出雲は大和にもある
古事記の出雲神話は大和の出雲神話〈前出雲〉
風土記の出雲神話は出雲の出雲神話
〈後出雲〉
古事記の出雲神話は、すでに大和出雲の主力は地の果て〈後出雲〉に追いやられたことから、諸々の置き換えが行われた
風土記の編纂者は、追従はしないが否定もしない、という姿勢に落着する
出雲の神社が東を向いているのは、失われた豊かな故地を望む思いの現れ、出雲大社が例外的に南向きなのは、当地の主要神社が創建されたはるか後世に建設されたからだ