■宮大工の仕事とは、木のクセを知り、それを組み合わせて堂や塔を組み上げていく技術
木のクセ、加工する形状に合わせて道具は作られ、その上で技術はある
毎日おなじ作業を繰り返しながら、体で技術をおぼえ、木のクセを見抜いていく。言葉で教えられても身につかない
■木の心を知るためにまず土を知れ
「木を買わずに山を買え」
伐採された木を見てもわからない
山の土によって材質は決まる
山の環境によって木の癖は生まれる
環境とは風向き
台湾は東南から風が吹くから、南側に木が生えていれば、その木はいつも西にねじられ、木の真っ直ぐに伸びようとする性質に対抗して育つ
北側に生えている木はその逆に育つ
■木は生育した方位のまま使え
南に生えた木(長年太陽に訓練された木)はお堂の南側(太陽の当たる側)にもってくる。北に生えた木はお堂の北側に
■神仏を崇めず、伽藍・社・塔を口にすべからず
■実測調査は本当ならば解体しないとわからないが、解体はできないので、心眼で調査すること
その心眼での調査は【命につながる心得】ある者でないとできない
察する(勘が働く)ことはできない
■木造建築は修理1回すると200年もつ。瓦は明治以前の瓦なら200年もつ。和釘は鍛造した釘でないと腐る
文化財を鉄骨コンクリートで造るのはやめてほしい。コンクリートは100年しかもたない。鉄は鍛造された鉄ならいい