♦️オスカルの結婚相手に立候補した人は、デュローデル小佐
■デュローデルがアントレに言う
「君は今まで、いつだってオスカルと一緒だった。君なしの彼女はありえなかったし、彼女なしの君もありえなかった。
君はジャンジャックルソーの「ヌーベル・エロイーズ」を読みましたか?たわいもない恋愛小説だけどね、、
ぼくにも妻を慕う召使いを、妻のそばにつけてやるくらいの心の広さはあるつもりです」
★ヌーベル・エロイーズ
美しい貴族の娘ジュリと、平民の青年サン・ブルーは互いに愛しあっていたが、父母の反対にあい、ジュリは泣く泣くサン・ブルーをあきらめてウォルマールという地主と結婚する。が、なぜかウォルマール氏は寛大にも妻の昔の恋人サン・ブルーを家庭教師として屋敷に招いてやる
二人は不倫という罪を犯すまいと、それはそれは苦しい理性の戦いを重ね、ついに死のまぎわにジュリはサン・ブルーへの愛を告げ、天国で結ばれることを祈って神に召される
■オスカルがデュローデル小佐に告げる
「デュローデル、本当に私を愛しているか?愛はいとしい人の不幸せを望まないものだが、、
1人の男性がいる。彼は、、彼はおそらく、わたしが他の男のもとに嫁いだら、生きてはいけないだろうほどに私を愛してくれていて、もし彼が生きていくことができなくなるなら、彼が不幸せになるなら、私もこの世で最も不幸せな人間になってしまう。だから私は彼のために一生結婚しはしない。愛している、、かはわからない。兄弟のように、いや兄弟以上に喜びも悲しみもすべてわけあって生きてきた。魂を寄せあって」
■デュローデル小佐は答える
「彼が不幸せになれば、あなたも不幸せになる。それだけで十分です納得しましょう。私もまたあなたが不幸せになるなら、この世で最も不幸せな人間になってしまうからです
だから、ただ1つの愛の証です。身を引きましょう」
身を引くことが
ただ1つの愛の証
人間にはそんな愛もあるのだ
人間であればこそ、そんな愛も