■アントワネットがオスカルに言う
「オスカル、あなたが平民議員たちに同情する気持ちはわかります」
■オスカルは思う
「同情?違う、同情なんかじゃない
ロベスピエール、、あの清らかさ
ミラボー、、あの燃える目
国民議会議長バイイ、、あのもの静かな力強さ
同情なんかではない
同情されているのは、むしろ我々貴族の方じゃないのか、、」
■アントワネット
「なぜ、あなたの部下12名をアベイ牢獄から釈放したかわかりますか?
フランス全土からパリをめざし、ベルサイユをめざし、王家の軍隊が進軍してきています
平民議員たちを解散させ、民衆の暴動に備えるためです
オスカル、あなたも武装して戦う時がきます
今、私が生きているのは、子どもたちと、女王としての誇りと、まだ私を慕ってくれている君臣たちのため、、だけです」
■オスカル
「フェルゼンのために生きていると、なぜ言わないのですか?昔のように、言ってください。フェルゼンのために、フェルゼンの愛ゆえに生きるのだと、アントワネットさま」
■アントワネット
「愛しています、、少しも、少しも変わっていません。あの人がこの世にあるからこそ、、愛しています。命の限りをこめて、、
あぁ、けれど、、
どうしてそんなことが言えるでしょう。せっかくスウェーデンへ帰っているフェルゼンに、戻ってきてくれと、、このフランスに、、私のそばに、荒れ狂っているフランスに、もはやお金も確かな権力もない私のそばに、、!」
■オスカル
「戻ってまいります。かならず
フェルゼンはかならずアントワネットさまのお側に戻ります!
そういう男です
命の危険をおかしてまでアントワネットさまへの愛をつらぬいてきたフェルゼンです」
■アントワネット
「なぜ、神は
私という、平凡な女にふさわしい
平凡な運命を与えてくださらなかったのだろう、、」