郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

遅ればせながら『教育と愛国〜教科書でいま何が起きているか〜』を見た(1)

2018年09月08日 | 日記
2018年4月から小学校道徳が教科に格上げされた。

なぜ、道徳が教科化されたのかその背景に迫る、
保守的な政治家、団体が推奨する歴史教科書の出現、
特定な教科書にターゲットを定め、その採用を阻もうとして仕かけられた政治的な運動、

従軍慰安婦について従来通り載せた教科書がそれまで都内23区で採用されていたのに、2004年度21区で不採択になった、
老舗の教科書会社・日本書籍は倒産に追い込まれた・・・

なぜ 教育委員会「忖度」?したのだろう等、教育と政治の関係を追ったドキュメントだ。


衝撃を受けたのは、育鵬社の中学歴史の代表執筆者、80代と思われる年配の伊藤隆東大名誉教授のインタビュー。

「我々は愛国教育をせよというのではないのです。従来の教科書は日本人としての誇りを持てない記述です。僕らは自虐史観と言ってます。」

「歴史教育に一番求められるものか何か」と言う問いに
「イデオロギーではない、ありのままの日本の姿を国民は教えられるべきです」

「歴史から何を学ぶ必要があると思うか」と問われて伊藤教授は微笑みを浮かべて「学ぶ必要なんてないのですよ」
絶句!

「歴史教育でめざすものは何ですか?」との問いに
「ちゃんとした日本人を作ること」

「ちゃんとした日本人とは…?」
「左翼ではない、反日ではない・・・昔から引き継いできた伝統を後の世代に引き継いでいく日本人だ」


 アジアへの加害の事実、従軍慰安婦、南京大虐殺、三光作戦、沖縄戦で沖縄住民が強いられた集団自決などは教科書に載せない。

誇りがもてないような皇軍の恥部、不名誉な事実は「なかったことにしようとする」、なぜ、中学生に知らせる必要があるかと開き直っている。

こんな言い分、被害を受けた側に通用すると思うのだろうか? 
ジコチューで無知蒙昧な「日本人」を育成したいのだろか。
グローバルな社会で「国際人」としてやっていけるのだろうか。


 伊藤教授は「あなたは歴史から何を学ぶというの?」とインタビュワーに反論をした。

私は言いたい
「なぜ明治政府は、いくつもの戦争を仕かけていったのか? そして日中、太平洋戦争に突入した、2000万のアジア人が犠牲になり、300万の日本人も死んだ。都市は空襲にさらされ、原爆を落とされた、大日本帝国は敗北した。なぜこんな無謀な戦争をしたのかー―私は知りたい、学びたい」と。


民衆を犠牲にした数々国策や日本が犯した戦争犯罪をきちんと学び、
なぜこんなことが行なわれたのかを考え追及すること、
過去の過ちを再び繰り返さないためにも歴史を検証することが、歴史から学ぶという事ではないか。
 
(つづく)


-Ka.M-

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