ラジエター・ベロというコトバが記憶の片隅に残っています。
片岡義男(余談ですが、この”片岡義男”っていう四文字は印刷媒体で目にするとき、決まって大きめのポイントの太字明朝体で目にする場合が多い、おそらくは本人が強く指定しているのではと疑念を感じるくらい。この人の書く文章は独特のテンションがあり、割とイケスカナイ。万年筆のほうがボールポイントより・・・と書き出すだけで、なんか片岡義男ふう。この場合のボールポイントはもちろん工具の先端球状六角レンチではなく、ボールポイントペン、つまりボールペンのコト。イケスカナイとは感じつつも、この多作の文筆家は、はき出す文章とは異なる性向、人格なのだろうと思わせるところがあり、キライと云うほどではない)、のエッセイに出てきたコトバで、犬が、熱いときに、汗腺を持たないため、ベロをしきりにだして、時には駆けながらベロを振り乱して体温調節の助けにしている様子から、片岡義男自身もそれをまねてみた。具体的にはバイクで走るとき、口を開け、ベロを大きく出して、熱さを解消、低減できるか試してみた、ら、思いの外、効果絶大で、のどの奥から、頭の芯まで冷えすぎて、真夏の暑いときに寒気を感じるほど不快になり、喫茶店で熱いコーヒーを頼もうとして、”普通のコーヒー”といったら、アイスコーヒーが出てきて、マスターに文句を言い、「この時期、普通、といえばアイスコーヒーだよ」なんて小言を云われ、次に出てきたコーヒーで暖をとりつつ、そういえばこのコーヒーは元から砂糖が入っていた。アイスコーヒーを温めやがったなオヤジ。
というエピソードのタイトルがラジエター・ベロでありました。
もちろん、戦前生まれの片岡義男とは違い、私の時代はバイクのヘルメットもベンチレーションタイプが主流で、走っている限り、帽体のなかを流れる気流がラジエター効果で適度に冷やしてくれるため、アイスコーヒーを沸かし直した珍妙な飲み物を口にすることはありませんでした。
片岡義男(余談ですが、この”片岡義男”っていう四文字は印刷媒体で目にするとき、決まって大きめのポイントの太字明朝体で目にする場合が多い、おそらくは本人が強く指定しているのではと疑念を感じるくらい。この人の書く文章は独特のテンションがあり、割とイケスカナイ。万年筆のほうがボールポイントより・・・と書き出すだけで、なんか片岡義男ふう。この場合のボールポイントはもちろん工具の先端球状六角レンチではなく、ボールポイントペン、つまりボールペンのコト。イケスカナイとは感じつつも、この多作の文筆家は、はき出す文章とは異なる性向、人格なのだろうと思わせるところがあり、キライと云うほどではない)、のエッセイに出てきたコトバで、犬が、熱いときに、汗腺を持たないため、ベロをしきりにだして、時には駆けながらベロを振り乱して体温調節の助けにしている様子から、片岡義男自身もそれをまねてみた。具体的にはバイクで走るとき、口を開け、ベロを大きく出して、熱さを解消、低減できるか試してみた、ら、思いの外、効果絶大で、のどの奥から、頭の芯まで冷えすぎて、真夏の暑いときに寒気を感じるほど不快になり、喫茶店で熱いコーヒーを頼もうとして、”普通のコーヒー”といったら、アイスコーヒーが出てきて、マスターに文句を言い、「この時期、普通、といえばアイスコーヒーだよ」なんて小言を云われ、次に出てきたコーヒーで暖をとりつつ、そういえばこのコーヒーは元から砂糖が入っていた。アイスコーヒーを温めやがったなオヤジ。
というエピソードのタイトルがラジエター・ベロでありました。
もちろん、戦前生まれの片岡義男とは違い、私の時代はバイクのヘルメットもベンチレーションタイプが主流で、走っている限り、帽体のなかを流れる気流がラジエター効果で適度に冷やしてくれるため、アイスコーヒーを沸かし直した珍妙な飲み物を口にすることはありませんでした。