
実を言うと、このブログを始めた当初から、欲しいと思っていた双眼鏡WP6×30SB-Dです。


トラディショナルなポロプリズムで、プリズムハウスと鏡筒が一体になったボシュロムタイプの、見るからに頑健そうな製品です。
実際、鈍器として充分に殺傷能力がありそうで、逆上したボノボに持たせたくはありません。
写真ではカバーを外しているので中心軸の三脚穴の周りに、軟質の台座があるのが分かると思いますが、ビノホルダーにも強固に固定できる構造です。
ピント合わせは、左右を個別に合わせるIF(インディビジュアルフォーカス)方式で、シンプルで頑丈な構造である反面、両側を素早く合わせるには、CF(センターフォーカス)方式より不利とされています。ただしこの双眼鏡の場合、低倍率と合焦範囲の広さが相まって、15~20m以上の距離では、接眼部の目盛りの位置をあらかじめ合わせておけば、ピント調整不要で観望することができます。これは、他の双眼鏡ではなかなかできない特筆すべき特徴です。
見掛け視界はさほど広くありませんが、中心部の鮮明さと解像度、そしてなにより着色、色収差のなさは驚くほど高水準で、これに匹敵、凌駕するダハプリズム双眼鏡は、各社の最上級クラス、価格で云えば、10万以上の製品になるでしょう。\23,625という価格からは信じがたい性能です。
もちろん、コンパクトでCFで軽いダハ双眼鏡と較べれば、いくつも及ばないところのある製品なのですが、視界の中心部の見え味の素晴らしさは、それらの短所を忘れさせてくれます。
同じ6×30で、ほとんど同価格で、最近レンズコーティングを改良して、スゴく良くなったという評判のヒノデ 6x30-B2とくらべると、重く、IFであるという短所をあっさりと覆して、日本製のこの頑固な双眼鏡に惹かれてしまうのです。