テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

進撃の巨人

2013-04-20 22:03:26 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
無数の人を喰う巨人から、壁の中に引きこもることで逃れている”人類”を描いたコミックがアニメ化して放送され出しました。
サメなどの補食動物を連想させるような、異常に歯の数が多い巨人をはじめ、街の建物やモブの顔の描き分け、オープニングの戦闘シーンなど、結構重厚で緻密に作られていて、迫力があります。ただ、原作のコミックは既に10巻を数え、巨人そのものでできた壁の秘密や、人類に紛れ込んだ巨人、教団の秘密や、主人公の父の遺した地下室の謎など、ミステリーがストーリーの柱になってプロットが複雑になってきていますが、初期の頃は、人物の行動倫理や設定にやや荒唐無稽な無理押しや青臭さがありました。アニメでもそのあたりを原作通りに踏襲しているようで、いっそのこと、エピソードのいくつかを省略改変したほうがいいのでは、などとも思います。というか、コミックにしろ、ラノベにしろ、原作が人気を博し、まだ完結しないのに、映画化、アニメ化する風潮は、実のところ、あまり好ましく思っていません。
以前紹介した、「岳」がそうでしたが、映像制作者たちがまともな脚本を作り出せないジレンマを、原作の雰囲気とテーマを借りるだけの映像化で解消するのは願い下げだと思うと同時に、原作の足りないところは映像化に際し変えてしまうのはアリだとも思っています。

個人的には同じ壁(=破れない結界)テーマの作品なら、狼の口~ヴォルフスムント~の方が、よっぽど映像化してほしいと思います。もちろんまだ未完の作品ですので、完結後、という前提ですが。