■第4話 マンモスフラワー■ レギュラー3人の人物紹介的な路上会話は要らなかったと思うけど。制作第1話とはいえ放送順では関係なくなったわけなので。肝心のおはなしは……単純すぎてチト物足りない。テンポ異様に悪いし。東京上空に巨大な花が咲くというビジュアルでひたすら勝負したというところか。バンッ、と破裂モード加味した開花場面は確かにゼツミョーきわまりなく、なるほどストーリー軽視も戦術的によくわかるのだけど……もともと全28話中〈超常度〉最小の回ということでもあり(植物ってそもそも巨大なのが多いんだし、結果的に退治がきわめて簡単だったわけだし)、いくら何でももう一ひねりできなかったものか。一の谷vs源田の対立をもっとクローズアップするとか(私源田博士応援してたのにすぐ譲歩しちゃってダメじゃん)。「吸血植物ドラキュラ!」とかジョークにもなってない台詞で一同笑という無益な場面が設けられてたり、対策本部で「しかし誰がこの薬品(炭酸ガス固定剤)を(撒くんだね)?」などと(自衛隊の専門家に決まってるでしょ。主人公だからって民間人にやらせないで!)非効率きわまりないやりとりを一々映したりと、まあのんびりした雰囲気は60年代の極上記録になっているとも言えますけれど。それがいいんですけれど。
■第11話 バルンガ■ 小学生の私の記憶にこれほど鮮烈に焼きついたナレーションは他にない。エンディング、石坂浩二のいつにもまして緊迫した「明日の朝晴れていたら、まず空を見上げてください。そこに輝いているのは、太陽ではなく、バルンガなのかもしれません……」。こわかったなあ。ただ茫洋と浮かんでるだけで大都会を麻痺させ、台風にもびくともせず、カタルシス一つもたらさずに悠然と去ってゆく超異形モンスターは、太陽をも喰うってんだから史上最強。素晴らしい。前半、由利子と一平の「フーセンムシ」の押し付けあいは本気でやってるし、万城目が意外と自転車乗るの下手だったり、ディテールも緊密だ。ただ唯一の難点は終わり近く、「恒星のエネルギーを喰う生命体だった……」。そこで「生命体」にアクセント置かないでくださいよぅ奈良丸博士、いまさら。俳優が脚本の意味理解せずに演じてるってことがわかっちゃうでしょうが。
■第14話 東京氷河期■ 『ペギラが来た!』で吹雪の彼方にもうろうと立ち現われていたペギラが、東京の白日の下に全身をくまなく披露する。素晴らしいコントラストだ。ただ、おはなしの方はどうだったかな。ドタバタ調のコメディタッチは由利子がリルケを引用したりしてひねってたけど、それと現場で関デスクが右往左往するのは『五郎とゴロー』とこの作品だけ、と思えば貴重なのだけれど、全体やや滑りすぎたかな。けどまあ、前作の南極の暗さから一転明るくなった本作に、出稼ぎ労務者の特攻死という翳りが添えられたことで、コントラストが二重化し、微妙な佳作になっていることは確か。しかしまぁペギラってここでも結局死にゃしないし、ほとほとあの暴れっぷりは、ペギラこそ動物型ウルトラ怪獣のうち最強、と確信させる貫禄でした(動物型という限定は、バルンガを除外するためです。なお、黒煙を出しながら飛行という美的に何のメリットもない性格付けはとりあえず不問としておきましょうね)。
■第16話 ガラモンの逆襲■ ペギラ二部作と同様、ガラモン二部作も、対照的な雰囲気でまとめてくれました。ただここでも第一作の方が断然良いのだなあ。ガラダマ再起動とくればアクション仕立てになるのは必然としても、それならそれで、ガラモンを10体くらい動かしてほしかったような。実際にはせいぜい3体でしたか。東京中がガラモンだらけになるくらいのブッ飛び方がほしかった。設定としてはその通りだったのでしょうが、映像的に伝わらなかったのがちょっと。あとこれ言ゃっちゃ身も蓋もないけどガラダマ落下時のヒモがハッキリ見えすぎてるのも、御愛敬の域をちょっと越えていたような。ただ最後、遊星人の処刑場面が、『ガラダマ』の舞台に近い静かな湖畔に戻ったところに、さすがウルトラQ固有のウロボロスセンスが光ってます。
■第24話 ゴーガの像■ 石坂浩二のナレーションが一切ない作品(カメ&カネゴン以外で)は『宇宙指令M774』とこれのみ。淡々と、短い台詞がアクション色を補強している。ゴーガの像以外にも、あのコレクションの古代像たちがそれぞれ何らかの役割を果たしてくれるかと期待させたが、結局「砂漠の魔王」だけだったか。まあないものねだりはさて措きムードテンポ造形すべて良しで申し分ない作品。なのだけど、惜しむらくはビル街のセットがまことにいい加減に作られていること。『マンモスフラワー』ではあんなリアルに造ってたのにここではどうしちゃったんでしょう。ビルの窓は何とかなりませんでしたかね、ただ升目が書いてあるだけという、ちょっとあれじゃあ。ゴーガの首を吊るピアノ線の見えまくり方ももうちょっとやりようが。あと万城目たち民間人がわざわざ4人もジープに乗って目つぶし砲撃に出向くというのも……、いや重箱の隅的にこのさい言っちゃいましたが、基本的にこの作品、私好きですから。
■第11話 バルンガ■ 小学生の私の記憶にこれほど鮮烈に焼きついたナレーションは他にない。エンディング、石坂浩二のいつにもまして緊迫した「明日の朝晴れていたら、まず空を見上げてください。そこに輝いているのは、太陽ではなく、バルンガなのかもしれません……」。こわかったなあ。ただ茫洋と浮かんでるだけで大都会を麻痺させ、台風にもびくともせず、カタルシス一つもたらさずに悠然と去ってゆく超異形モンスターは、太陽をも喰うってんだから史上最強。素晴らしい。前半、由利子と一平の「フーセンムシ」の押し付けあいは本気でやってるし、万城目が意外と自転車乗るの下手だったり、ディテールも緊密だ。ただ唯一の難点は終わり近く、「恒星のエネルギーを喰う生命体だった……」。そこで「生命体」にアクセント置かないでくださいよぅ奈良丸博士、いまさら。俳優が脚本の意味理解せずに演じてるってことがわかっちゃうでしょうが。
■第14話 東京氷河期■ 『ペギラが来た!』で吹雪の彼方にもうろうと立ち現われていたペギラが、東京の白日の下に全身をくまなく披露する。素晴らしいコントラストだ。ただ、おはなしの方はどうだったかな。ドタバタ調のコメディタッチは由利子がリルケを引用したりしてひねってたけど、それと現場で関デスクが右往左往するのは『五郎とゴロー』とこの作品だけ、と思えば貴重なのだけれど、全体やや滑りすぎたかな。けどまあ、前作の南極の暗さから一転明るくなった本作に、出稼ぎ労務者の特攻死という翳りが添えられたことで、コントラストが二重化し、微妙な佳作になっていることは確か。しかしまぁペギラってここでも結局死にゃしないし、ほとほとあの暴れっぷりは、ペギラこそ動物型ウルトラ怪獣のうち最強、と確信させる貫禄でした(動物型という限定は、バルンガを除外するためです。なお、黒煙を出しながら飛行という美的に何のメリットもない性格付けはとりあえず不問としておきましょうね)。
■第16話 ガラモンの逆襲■ ペギラ二部作と同様、ガラモン二部作も、対照的な雰囲気でまとめてくれました。ただここでも第一作の方が断然良いのだなあ。ガラダマ再起動とくればアクション仕立てになるのは必然としても、それならそれで、ガラモンを10体くらい動かしてほしかったような。実際にはせいぜい3体でしたか。東京中がガラモンだらけになるくらいのブッ飛び方がほしかった。設定としてはその通りだったのでしょうが、映像的に伝わらなかったのがちょっと。あとこれ言ゃっちゃ身も蓋もないけどガラダマ落下時のヒモがハッキリ見えすぎてるのも、御愛敬の域をちょっと越えていたような。ただ最後、遊星人の処刑場面が、『ガラダマ』の舞台に近い静かな湖畔に戻ったところに、さすがウルトラQ固有のウロボロスセンスが光ってます。
■第24話 ゴーガの像■ 石坂浩二のナレーションが一切ない作品(カメ&カネゴン以外で)は『宇宙指令M774』とこれのみ。淡々と、短い台詞がアクション色を補強している。ゴーガの像以外にも、あのコレクションの古代像たちがそれぞれ何らかの役割を果たしてくれるかと期待させたが、結局「砂漠の魔王」だけだったか。まあないものねだりはさて措きムードテンポ造形すべて良しで申し分ない作品。なのだけど、惜しむらくはビル街のセットがまことにいい加減に作られていること。『マンモスフラワー』ではあんなリアルに造ってたのにここではどうしちゃったんでしょう。ビルの窓は何とかなりませんでしたかね、ただ升目が書いてあるだけという、ちょっとあれじゃあ。ゴーガの首を吊るピアノ線の見えまくり方ももうちょっとやりようが。あと万城目たち民間人がわざわざ4人もジープに乗って目つぶし砲撃に出向くというのも……、いや重箱の隅的にこのさい言っちゃいましたが、基本的にこの作品、私好きですから。